湘南ゆるガシ日和 ・・・急がず、休まず

湘南でゆるゆら暮らしココロ赴く先へガシガシ出かけるライター山秋真が更新。updated by Shin Yamaaki

オパールなイカに、しなる鮮魚:祝島(いわいしま)のヤズ・イカ・メバル

2010-12-05 23:59:01 | 祝島:食

瀬戸内海の祝島沖から台船がかえった日、
晩のおかずにと漁師のNさんが魚をさしいれしてくださった。

どさりとタライにいれられたヤズ(ブリ)とイカ。
どでかい。どれもまだ元気に生きていて、
ピチッと音をたてては身をしならせ、あたりに水しぶきをかける。



見惚れるようなイカの透明度。



さっそくみんなで海へもっていってさばく。



皮をむき内臓をとって海へほうると、
カモメがあつまってきて競うように食らいはじめた。

それにしてもイカが美しい。オパールを思わせる輝き。



正月やお祝いというと尾頭つきの刺身をつくってみんなで食べる、
という文化で育ったので、わたしにとって魚はなじみ深い。

ただ、ならば刺身を上手にさばけるかというと、そこは個人差もある。
祖母や妹は大きなタイやスズキも上手にさばくし、
母はフクラギ(若いブリ、祝島でいう「ヤズ」?)も嬉々としてさばくけど、
器用とは言いがたいわたしは小魚どまり。

30センチもありそうなこの特大メバルは、
わたしにとって久々のチャレンジ級。



それを知ってかしらずか、Yさんが手ほどきしてくださった。
とはいえ、これは煮る予定だから、うろこを取って、
エラをとりながらそのままズルリと内臓もとるだけ。
かたわらでYさんは速やかにヤズを三枚におろしていく。

わたしが育った文化圏で男性は魚をさばかなかった。
ここでは、魚をもってきてくれたのも、
それを受けとって海へ走りさばくのも男性。
しかもブリを上手に三枚におろしている。

思わず感心してみていると
「子どものころから人がやるのを見てるから
見ようみまねでできるもんなのよ」と。

処理しおわったものを家にもってかえって、
ヤズとイカは刺身に、メバルは煮つけに。

イカは切り方で味わいがかわるというので、
2通りの切り方でつくってみた。



イカそうめん風の細切り(上)と太切り(下)。



わたしは太切りのほうが歯ごたえがあって好き。
その場にいた4名は、細切り好きが2名、太切り好き2名と、
幸運にも絶妙のバランス。

煮つけにしたメバルも、身がプリプリで絶品。



ほどよい時間に気のいいメンバーがあつまり、夕餉のはじまり。
おいしい魚を「ありがとう」とNさんにいうと、
思いがけないことに、Nさんも「ありがとう」といいだした。
つづく言葉は、「あなたたちが毎日(船を出しからだを張って)
海を守ってくれるから、僕たち漁師は安心して漁ができるのよ」。
お腹もこころも満たす最高の晩餐だった。

(注:言うまでもないけれど、
上の「あなたたち」はわたしのことではなく、島の方々)

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