
『ハリウッド監督学入門』
(2008・日本) 1h13
監督・出演 : 中田秀夫
出演 : ハンス・ジマー、一瀬隆重、清水崇
『ザ・リング2』をハリウッドで撮った中田監督。
その時に直面したハリウッド式映画製作の裏側を描くドキュメンタリー。
メジャースタジオのハリウッド式の裏側、漏れ伝わってくる裏話などでそんな感じだろうなぁ。とは薄々分かっていましたが、本作では新たに分かった所と、そこまで知りたくなかった所がありました。
映画製作の最高責任者だと思っていたプロデューサー。そのプロデューサーにあまりにも権限が無い事に驚き。
インタビューに登場する中国人(?)プロデューサーの目の死にっぷりは何かを物語っているかのよう。
映画製作を工場に例えるなら、ハリウッド式ではプロデューサーはあくまで工場長。最終決定権は工場を持っている会社のエライさんのもの。
「それ作るのストップ」と上から言われたら工場長お手上げ。みたいな。
ならば監督はと言うと、単に工場の一つのラインの現場責任者ぐらいのもの。
大物プロデューサーとなるとそれ相応に権限も有るのでしょうが、実際持っているのは撮影所のエライさん。
本作の日本語訳では「撮影所」となっていましたが、英語ではどうも「スタジオ」と言っているような。
なんか「撮影所」のエライさんだと丸眼鏡でちょび髭、撮影所の中の小ぢんまりとした建物の2階の日当たりの悪い部屋にいる。
みたいなイメージですが、そうではなくてワーナーやユニバーサルなどのメジャースタジオを傘下に持っている大企業のエグゼクティブ、ビシッな髪バリッとスーツで、大都会の高層ビルの最上階のゴージャスルームに鎮座する方たちを指しているのかと思います。
大企業が映画を作るとなれば、それは作品ではなくて商品。
商品の開発には必要以上に時間を掛け、絶対に売れる商品を作り利益を出さなければならない。
それが『ザ・リング2』や企画に上がりながらも実現しなかった数本の映画製作において、中田監督が直面し困惑したハリウッド式映画製作の問題点なのかと思います。
今や映画の収入源はDVDが40%を占めているのだとか。対して映画館は25%(数字はうろ覚え)。
映画館での興行はDVD販売のいい宣伝になっているのだとか。ちょっとショック。
映画館25%という事は、全米での興行で5億ドル以上稼ぎ出した『ダークナイト』って全体ではどれほど稼ぎ出したんだろう?単純に計算して20億ドル。
シリーズモノですから前作『バットマン・ビギンズ』のDVDも少なからず売り上げを伸ばしたと思われ、それ以前のマイケル・キートン版、ヴァル・キルマー版、ジョージ・クルーニー版、ひょっとすると『キャットウーマン』にまでも波及効果はあるのではないかと勝手に想像します。
もしそうならシリーズモノが増えるのも致し方ない。全てはDVDのため利益のために。
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現在のハリウッド式においては、映画の企画が何百何千何万とあっても実現するのは僅かなものだそうで。
それはもはや映画になった事自体が奇跡に近い。出来上がった映画が例え駄作珍作であったとしても。
そんな中でも時に現れる名作傑作映画、それはとんでもない奇跡。
駄作珍作、普通作。名作傑作、問題作。その全てが奇跡ならば、分け隔てなくもっと有り難く思って観なければいかんなぁ。と思いました。
とは言え、珍作においては度を越さなければそんなに嫌いではないのですが、駄作においては自分の持つあらん限りの罵詈雑言を叩きつけてしまうかもしれません。

まだまだ修行が足りん・・・