My Little Southern-Cross

藤田伸二騎手をおっかけるおやじのブログ。大相撲開催時期には「相撲部」のみなさんが集まります。

ナラタージュ。

2010-06-01 01:09:52 | 競馬以外のこと
最近、今までまったく触れることのなかったジャンルの小説を
読んでみました。


島本理生『ナラタージュ』


4年ほど前にかなりのヒットとなった恋愛小説です。
私はこの作品も著者のことも、つい最近新聞の書評欄で初めて
知りましたが(苦笑)

新聞を読んでちょっと気になったので、たまにはこういった
ジャンルもいいだろうと早速本屋に行って購入。いきなり冒頭で
ぐっときてしまい、一気に最後まで読んでしまいました。

相当売れた本なのでいろんなところで書評が出ており、世に出て
からかなりの時間が経過しているので今更感想を書くことには
ちょっと抵抗がありますが、私なりの感想をちょっとだけ。

最後まで読み終わったあと、すぐに冒頭を読み直したい!と
いう感覚になりました。冒頭を読むだけでもぐっときたのに、
最後まで読むと冒頭部分の意味がはっきりと理解できる。
こういう何度も読み返したくなる小説にはなかなか出会えない
だけに、かなり味わい深いものがあります。

内容については詳しく書きませんが、私がいちばん気に入った
のは主人公のクールさ。それこそ身も心も燃えるような恋を
しているわけですが、常にそういった自分を醒めた目で見ている
「もう一人の自分」がいるような感覚で描かれています。
この感覚については私も少なからず自覚している部分があるので
共感できるところが多々あったような気がします。

心の片隅に追いやったはずの記憶がふとしたきっかけで前面に
不意に出てくるラストシーン。そのときに戸惑いながらも再び
奥にしまいこむか、隠そうともせず向き合うか。私ならば苦笑い
とともにあえて触れないようにすると思いますが・・・。

とにかく、結論としてはオススメです。まだ読んでいない方は
ぜひどうぞ☆