前作「TODAY」は全体的に一般向けだな、と感じた。それに対して「ANSWER」は言うならばマニア向け、前作には一曲しかなかったピアノ弾き語りもバランスよく組み込まれ、まさにアンジェラ・アキここにあり(笑)と思わせるような作品である。
今作は本人もファンも念願であった完全セルフプロデュースであり、サクラ色あたりから少し薄くなっていたピアノの存在も、ある一曲を除いては曲を彩る花になっていた。
余談だが「手紙」からジャケ写がいつもの直立・無表情写真ではなくなった。以前のジャケ写があまり好きではなかった俺には嬉しいことだが、何よりピアノがアンジーと一緒に写っているのが嬉しい。大事なパートナーと言われながらも裏にしかいなかった彼(彼女?)がようやく救われたというか(笑)
1.手紙~拝啓 十五の君へ~ ★★★☆☆☆
アルバムが発売されても尚売れ続けている8thシングル。
1st、2ndの一曲目と比べるとインパクトは薄い上、合唱曲としてつくられたメロディーはやはりアルバムの中で浮いてしまう。だがこのアルバムをつくるきっかけとなった大切な曲とアンジーも語っているとおり、外すわけにはいかない曲である。個人的にはおまけみたいなもの。
2.Knockin' On Heaven's Door ★☆☆☆☆☆
このアルバムで唯一の捨て曲であり、個人的にはアンジーがカバーした曲の中で一番駄目(というか唯一駄目)な一曲である。
ボブ・ディランのカバーではあるが、内容は映画の「ヘブンズ・ドア」からインスパイアされてつくったアンジーオリジナルの日本語詞、原曲の影も形もない(メロディーとサビはほぼ同じですが)
なんといってもこの歌詞である。主題歌決定のインタビューで、生死が云々ととにかく歌詞に力を入れたようなことを言っておきながら、いざ聴いてみれば出てくるのは薄っぺらい言葉ばかり。一番伝えたいと言っていた「生きることの大切さ」などまったく伝わってこなかった。
最初アリアス監督から英語でのカバーを依頼されたらしい。きっとそのまま素直に英語でカバーしていたほうが評判も良かっただろうし、日本語にするにしてももっと原曲を尊重するべきだったと思う。
原曲ファン及びボブ・ディランのファンの方々には本当に申し訳ないと思っている。それとアンジーのカバーかっけぇと思ってる方も、こんな辛口でごめんなさい。それだけ期待していたということです。
3. ANSWER ★★★★☆☆
さて、いよいよ3rdアルバムのスタートである(笑)
2nd「TODAY」から、タイトルチューンはおそらく平凡でちょっと恥ずかしい曲が来るだろうと思っていたら、本当にそのとおりになった(笑) しかも今回は「ウォー」のおまけ付だ。
この曲に関して「ない」と思っているのはアンジー本人も聴く側もお互い様で、友達+恋人=あなたと思しき旦那さんもないと思っているに違いない。アホっぽいなどと叩かれるのも正直納得である。
しかし歌詞に共感してしまう部分が多いため、俺の評価は割と高い。こういう恥ずかしい曲もたまには世に排出して、未だ固いイメージのあるアンジェラ・アキ像を崩すのもいいかもしれない。
4. Somebody Stop Me ★★★★☆☆
非常におしい曲。メロディーはアルバムの中で最もいいのに、内容が薄くて個人的には満足のいかない一曲だ。もう少し内容があれば間違いなくアルバムの中で一番好きな曲になっていただろう。
5. ダリア ★★★★★★
彼女らしい情熱的なバラードではあるが、高音にこだわらず割と低い音程を重視している。アルバムの中で最も好きな曲で、アンジーの曲を聴いて泣くのは「Kiss Me Good-Bye」以来のことだ。
アンジーのバラードといえば未練たらたらのドロドロソングが多かった(笑) この曲も最初その類のものだと思っていたが、何度も聴いているうちに「ああ、もうこれは彼女の中で“思い出”になったんだな」と、珍しく綺麗に簡潔している。未練がまったくないと言えば嘘になるだろうが(笑)
6. Final Destination ★★★★★★
シングルカップリング曲の中で最も好きな曲。
7. Our Story ★★★★★☆
サビ以外のメロディーはSomebodyの次にいいと思った。内容も御伽噺と現実を対比しながら、思い通りにならない現実を受け入れて強く生きていく、というそれなりのクオリティがあるものになっている。
8. 黄昏 ★★★★★★
現実をありのままに書いたというか、思わず耳を塞ぎたくなるようなフレーズがあったりなかったりする曲である。少しこもったピアノの音と、音程の変化があまりなくどこまでもやわらかいアンジーの声が、この曲のイメージ映像を頭の中に映し出してくれる。
一行目に書いた“思わず耳を塞ぎたくなるようなフレーズ”についてだが、いったい過去に何があったの、とアンジーに問い詰めてみたくなるほど衝撃的だった。おそらく本人の口からそのことが語られることはないだろうが、彼女の人生が波乱万丈であることを改めて思い知らされた。
9. We're All Alone ★★★★★★
インディーズアルバム「ONE」にも収録されたボズ・スキャッグスのカバー。なんでいまさら、と収録曲が発表されたときは疑問に思ったものだが、歌い方やピアノの音質が大きく改善されていて、「ONE」のときに感じた不安定さがなくなり安心して聴けるものとなっている。
“ふたりきりになれた”と“人はみんなひとりなんだ”、この二つの対極の意味の後者をアンジーは選択した(原曲は前者)というが、最後の「二人で行けば届くよ」というフレーズが前者の意味にも繋がるのではないかと勝手に思っている。
10. リフレクション ★★★★★☆
真面目にふざけてみた曲なのか。それでいて歌詞は人間の真理を表しているというか、言われてみればそうなのかもしれないと思わせる内容だから油断できない。
11. レクイエム ★★★★★★
今まで聴いてきたアンジーの曲の中で最も完成度が高いと感じた曲。
「TODAY」収録の「モラルの葬式」も十分完成度の高いものだと思っていたが、その比ではない。スケールの大きさも半端なく、演奏者総員四十名、曲自体は十分半とかなりの大作となっている。
12. Black Glasses ★★★★★★
ベン・フォールズとの共作である。英語がさっぱりな俺には歌詞さっぱりなのだが、発売後歌詞カードを読んで実は結構面白い世界観だということを知った。
13. ファイター ★★★☆☆☆
アンジーの曲にしては珍しくキャッチーなメロディーだな、と思った。ただあまりインパクトがなくどこをとっても微妙というのが正直な感想。
はてさて、いろいろ語りましたが、感じ方は人それぞれなので俺の評価なんて深く考えないでください。疲れが出てきたのか、後半にいくにつれ曲に対する考察が短くなっているような気がしますが、突っ込み禁止ということでw
「ANSWER」が発売されても尚「手紙」が週3000~4000枚程度売り上げているというのは正直微妙だが、まあそれはそれでいいんじゃない。「手紙」を聴きたい人は「手紙」を聴いていればいい。ただ、手紙がすべてではないことを理解してほしいです。
ANSWERツアーとりあえず周南と東京国際フォーラムは決まりということでw フォーラムのほうはまだ当たるかどうか分からないけど。
今作は本人もファンも念願であった完全セルフプロデュースであり、サクラ色あたりから少し薄くなっていたピアノの存在も、ある一曲を除いては曲を彩る花になっていた。
余談だが「手紙」からジャケ写がいつもの直立・無表情写真ではなくなった。以前のジャケ写があまり好きではなかった俺には嬉しいことだが、何よりピアノがアンジーと一緒に写っているのが嬉しい。大事なパートナーと言われながらも裏にしかいなかった彼(彼女?)がようやく救われたというか(笑)
1.手紙~拝啓 十五の君へ~ ★★★☆☆☆
アルバムが発売されても尚売れ続けている8thシングル。
1st、2ndの一曲目と比べるとインパクトは薄い上、合唱曲としてつくられたメロディーはやはりアルバムの中で浮いてしまう。だがこのアルバムをつくるきっかけとなった大切な曲とアンジーも語っているとおり、外すわけにはいかない曲である。個人的にはおまけみたいなもの。
2.Knockin' On Heaven's Door ★☆☆☆☆☆
このアルバムで唯一の捨て曲であり、個人的にはアンジーがカバーした曲の中で一番駄目(というか唯一駄目)な一曲である。
ボブ・ディランのカバーではあるが、内容は映画の「ヘブンズ・ドア」からインスパイアされてつくったアンジーオリジナルの日本語詞、原曲の影も形もない(メロディーとサビはほぼ同じですが)
なんといってもこの歌詞である。主題歌決定のインタビューで、生死が云々ととにかく歌詞に力を入れたようなことを言っておきながら、いざ聴いてみれば出てくるのは薄っぺらい言葉ばかり。一番伝えたいと言っていた「生きることの大切さ」などまったく伝わってこなかった。
最初アリアス監督から英語でのカバーを依頼されたらしい。きっとそのまま素直に英語でカバーしていたほうが評判も良かっただろうし、日本語にするにしてももっと原曲を尊重するべきだったと思う。
原曲ファン及びボブ・ディランのファンの方々には本当に申し訳ないと思っている。それとアンジーのカバーかっけぇと思ってる方も、こんな辛口でごめんなさい。それだけ期待していたということです。
3. ANSWER ★★★★☆☆
さて、いよいよ3rdアルバムのスタートである(笑)
2nd「TODAY」から、タイトルチューンはおそらく平凡でちょっと恥ずかしい曲が来るだろうと思っていたら、本当にそのとおりになった(笑) しかも今回は「ウォー」のおまけ付だ。
この曲に関して「ない」と思っているのはアンジー本人も聴く側もお互い様で、友達+恋人=あなたと思しき旦那さんもないと思っているに違いない。アホっぽいなどと叩かれるのも正直納得である。
しかし歌詞に共感してしまう部分が多いため、俺の評価は割と高い。こういう恥ずかしい曲もたまには世に排出して、未だ固いイメージのあるアンジェラ・アキ像を崩すのもいいかもしれない。
4. Somebody Stop Me ★★★★☆☆
非常におしい曲。メロディーはアルバムの中で最もいいのに、内容が薄くて個人的には満足のいかない一曲だ。もう少し内容があれば間違いなくアルバムの中で一番好きな曲になっていただろう。
5. ダリア ★★★★★★
彼女らしい情熱的なバラードではあるが、高音にこだわらず割と低い音程を重視している。アルバムの中で最も好きな曲で、アンジーの曲を聴いて泣くのは「Kiss Me Good-Bye」以来のことだ。
アンジーのバラードといえば未練たらたらのドロドロソングが多かった(笑) この曲も最初その類のものだと思っていたが、何度も聴いているうちに「ああ、もうこれは彼女の中で“思い出”になったんだな」と、珍しく綺麗に簡潔している。未練がまったくないと言えば嘘になるだろうが(笑)
6. Final Destination ★★★★★★
シングルカップリング曲の中で最も好きな曲。
7. Our Story ★★★★★☆
サビ以外のメロディーはSomebodyの次にいいと思った。内容も御伽噺と現実を対比しながら、思い通りにならない現実を受け入れて強く生きていく、というそれなりのクオリティがあるものになっている。
8. 黄昏 ★★★★★★
現実をありのままに書いたというか、思わず耳を塞ぎたくなるようなフレーズがあったりなかったりする曲である。少しこもったピアノの音と、音程の変化があまりなくどこまでもやわらかいアンジーの声が、この曲のイメージ映像を頭の中に映し出してくれる。
一行目に書いた“思わず耳を塞ぎたくなるようなフレーズ”についてだが、いったい過去に何があったの、とアンジーに問い詰めてみたくなるほど衝撃的だった。おそらく本人の口からそのことが語られることはないだろうが、彼女の人生が波乱万丈であることを改めて思い知らされた。
9. We're All Alone ★★★★★★
インディーズアルバム「ONE」にも収録されたボズ・スキャッグスのカバー。なんでいまさら、と収録曲が発表されたときは疑問に思ったものだが、歌い方やピアノの音質が大きく改善されていて、「ONE」のときに感じた不安定さがなくなり安心して聴けるものとなっている。
“ふたりきりになれた”と“人はみんなひとりなんだ”、この二つの対極の意味の後者をアンジーは選択した(原曲は前者)というが、最後の「二人で行けば届くよ」というフレーズが前者の意味にも繋がるのではないかと勝手に思っている。
10. リフレクション ★★★★★☆
真面目にふざけてみた曲なのか。それでいて歌詞は人間の真理を表しているというか、言われてみればそうなのかもしれないと思わせる内容だから油断できない。
11. レクイエム ★★★★★★
今まで聴いてきたアンジーの曲の中で最も完成度が高いと感じた曲。
「TODAY」収録の「モラルの葬式」も十分完成度の高いものだと思っていたが、その比ではない。スケールの大きさも半端なく、演奏者総員四十名、曲自体は十分半とかなりの大作となっている。
12. Black Glasses ★★★★★★
ベン・フォールズとの共作である。英語がさっぱりな俺には歌詞さっぱりなのだが、発売後歌詞カードを読んで実は結構面白い世界観だということを知った。
13. ファイター ★★★☆☆☆
アンジーの曲にしては珍しくキャッチーなメロディーだな、と思った。ただあまりインパクトがなくどこをとっても微妙というのが正直な感想。
はてさて、いろいろ語りましたが、感じ方は人それぞれなので俺の評価なんて深く考えないでください。疲れが出てきたのか、後半にいくにつれ曲に対する考察が短くなっているような気がしますが、突っ込み禁止ということでw
「ANSWER」が発売されても尚「手紙」が週3000~4000枚程度売り上げているというのは正直微妙だが、まあそれはそれでいいんじゃない。「手紙」を聴きたい人は「手紙」を聴いていればいい。ただ、手紙がすべてではないことを理解してほしいです。
ANSWERツアーとりあえず周南と東京国際フォーラムは決まりということでw フォーラムのほうはまだ当たるかどうか分からないけど。
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