信州「田毎の月」ウォークと姨捨山(2日間) *→(長野その1)を参照
【姨捨山】(おばすてやま)
通称・姨捨山は、正式には冠着山(かむらきやま)という。頂上まで最短距離の登山口である坊城平まで、旅館から林道を走ってもらった。少し、広場になっていて、鳥居の前に下記の案内図があった。
国土地理院の地図には、左手の広場から傾斜の緩い時計回りの道が記されているだけだ。傾斜のきつい直登コースは記されていない。山の苦手な女性たちもいるので、ためらったが(15分ピッチで行けば何とかなるだろうと)直登コースを選んだ。
結果として標準タイムの倍をかけて、全員無事に頂上に着けた。
帰りは傾斜の緩い国土地理院地図にあるコース(ぼこだき岩経由)を選んだが、これが大失敗。来たときに、登山口でケイタイが通じることを確認したので、タクシーを一旦帰しておいた。そして、山頂でもケイタイのアンテナが立ったので、「30分したら登山口まで来て欲しい」と連絡してから下山を開始した。
だが、地理院コースを選んだのは誤りであることが分かった。コースが荒れていて、人が入っていないのだ。道は山の斜面を縫うように付けられてはいる。道の右側は山側だが、左側は急な斜面で足を滑らせたら何処までも転落しそう。その山道だが、低木の密集した葉や下草に覆われていて、足元が見えないから始末に負えない。棘の鋭い枝の間を、まるで「藪こぎ」のように振り払いながら進む。私はトップなので、当然ながら何度も蜘蛛の巣に顔面を突き刺す。
こんな感じで、下りなのに1時間も費やした。お蔭で、迎えのタクシーは30分以上も待たされたことになる。
山慣れた人なら30分コースだが---
奇しくも山頂に「友愛」の碑があった。 アルプスなど周囲の山々の案内盤を囲む。
案内盤の向こうに祠のような建物があり、雨風を防げる。
「ここに座っていれば、おりん婆さんのように安らかに死を迎えられる」などと、冗談混じりで、はしゃいだりした。だが、半分マジで、ひょっとしたら、自らの死に場所を視察に来たのかも知れないな、と思ったりもした。
虚子も、この山に来ているのだ。
前に見える山並みの左下が上山田。 この山にはトリカブト(?)が目立つ。
【姨捨の棚田】
駅のホーム下に棚田が広がっている。長楽寺観音堂↑ 長楽寺の境内には俳句の碑がいっぱいだ。
姨捨山登山口から長楽寺前の蕎麦処までタクシーを走らせた。そこでゆっくり蕎麦を頂いてから長楽寺へと足を運ぶ。
シルバーウィークの前の日程にしたのがドンピシャだった。タクシーでこちらの里が下方に見え出した頃から一同大喜び。黄金色の棚田が前方に広がっている。
蕎麦を食べて、長楽寺から棚田に上ったら、これまた素晴らしい風景が一面に広がっていた。おお、ワンダフルの連発だ。これ以上は言葉は要らない。以下の写真を見てもらえばいい。
48枚田にて
ここから坂を上って、棚田の中を姨捨駅まで歩いて行く。写真を撮りながら、ゆっくり歩いて約1時間。
案山子軍団
散策路の中心部
左手の低いところが善光寺平につながる
目の前に、先ほど登ってきた姨捨山が
踏み切りの手前から見下ろす
姨捨駅のプラットホームから(前方に千曲川が見える)
姨捨駅のトイレの前の看板
※最後に↓
【ホテル亀屋本店】
地元では稼働率一位と言うだけはある。品位があって、サービスが行き届き、しかもリーズナブルな宿泊代。女性には好みの浴衣が用意され、夕食は部屋出し、ビールなどはサービス。肌にすべすべの温泉は掛け流し。さらに、貸切家族風呂は無料。朝は部屋に新聞が運ばれ、朝食後のロビーではコーヒーのサービス。これなら人に薦められる。
【タクシー会社】
皆神山案内の松代タクシーのドライバーは気さくで話好き。行く先々で(思いつきの要望に従って)車を停めてくれた。特に、皆神山ではお世話になった。
姨捨山案内の更埴観光タクシーのドライバーは姨捨駅近くの住人。山好きの純朴な人で、こちらも行く先々で(思いつきの要望に従って)車を停めてくれた。北アルプスや姨捨山は何度も登っているとのことで、まさに最適な人に恵まれた。