夜のとばりが下り始める頃、闇を伺うようにゆっくりと花弁をほどき始めます。
やがてえも言われぬ芳香があたりに漂います。
これが開花の知らせです。
今年初めての夕顔の開花です。
開花を始める時間は、今日のように暑い日は遅く、涼しくなれば早くなる。
夜の闇に咲く夕顔は、毎日白い蕾を膨らませ秋の土用のころまで花と香りを楽しませてくれます。
白い大輪の花は夕に咲き朝には終わる愛おしい一夜だけの晴れ姿。
日中の喧騒からの塵もかからずに、朝には純白のまま潔く咲き終わります。
闇に咲くので、あまり人にふれることなくひっそりと淡い一夜花です。
この花に魅了され、咲いてくれた花たちに毎夜お礼を言い続けて20数年、今年も秋まで続きます。