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伊藤久志@アイズサポートのブログです。

カタトニア尺度

2023-12-08 18:34:13 | Weblog
ヒトとして生を受けて、心理学を学んだからには、一つは尺度を作ってみたい。
心理学に落ちた人なら一度は思うことではないでしょうか。
かくいう私も、今、そんな気分です。昔は心理屋は尺度屋になったら終わりだなと思っていたのですが、歳取ると変わるもんです。

私が狙っているのは、カタトニア症状に関する尺度です。
カタトニア症状のアセスメントに関しては、Bush-Francisカタトニア評定尺度が最も使用されていて、日本語訳もあります。
しかし、これはほぼ診断基準に準拠した内容や用語で構成されていて、専門的な知識と訓練を前提としたものになっています。
もうひとつ世界的に使用されている尺度に、小児カタトニア評定尺度があります。
小児カタトニア評定尺度は、Bush-Francisカタトニア評定尺度と比較すると項目数を減らし簡素な形式にしたものになっています。
また、最近作成された Catatonia Spectrumは、Bush-Francisカタトニア評定尺度や小児カタトニア評定尺度と比較すると質問文の理解が容易で実施しやすいですが、自己記述式のアセスメントなので主観的な視点による質問が多く見られます。

今後は、現場の支援者や保護者が簡易に実施できる尺度を作成することによって、カタトニアを早急に判別し、支援に繋げることが可能になることが大事です。
そこで、簡便さに秀でている小児カタトニア評定尺度を基盤として、 Catatonia Spectrumのような具体的、かつ平易な質問で構成されたものにし、形式としては他者による評価に基づく尺度を開発することが無難かなと思う。