スポーツの見方、味方

スポーツのあって欲しい姿・・・私見

永久シード 出場枠

2019-11-26 16:19:32 | Weblog

男子ゴルフの尾崎将司さん、今季の最終戦も途中棄権し、途中棄権が5度、予選落ち2度で2019を終えました。記事に依れば、「今、スポーツ選手としての体力、10あるとしたら1くらい。」 持病の腰痛を抱え、常にケガとの闘い。思うような調整ができないことから「試合を絞って出る。春先のクラウンズ、秋口の全日空、フェニックス、の3試合は出ようかと・・・」 「モチベーションが曇っている。電撃発表で終わりもあり得る」

 ライターは、「電撃発表」を「衝撃発言」とし、「ゴルフ界に君臨し続けた巨星が、大きな岐路に立っている」としています。

https://news.goo.ne.jp/article/nikkansports/sports/f-sp-tp2-191121-201911210000579.html?fbclid=IwAR1aEwmgOk525c-qf5Mb5UNRZ12qOPX3EYGglhlnh14EXm5qQOkF_IafVIM

 尾崎さんが「ゴルフ界の巨星」であることは認めますが、もう、いつ辞めても「電撃発表」とは思わないし、「衝撃」も受けません。残念ながら、もう引退をいつ決断するかだけなのだから「岐路」に立たされているわけでもありません。

 尾崎さんと同じ永久シード選手である中嶋常幸さんは「フェニックスは大好きな試合だけに、戦えない自分がいつまでも出続けるわけにはいかないよ」と語っています。

 王貞治さんは、「王貞治としてのホームランが打てなくなった」として引退しています。尾崎さんも、早いところ身を引くべきです。これだけ長引かせると、どんどん光が失われていきます。

 「永久シード」とか「本人が決定すべき」とか言う意見もあるかも知れませんが、「出場枠」があることが決定的な問題です。 

各大会の参加選手数には、制限がありますので、彼が出ることで、ウェイティング(順番待ち)の選手1人が出られなくなるのです。将来を期待される若手かも知れないし、再浮上を掛けるベテランかも知れないし・・・いずれにしても、その選手にしてみれば、貴重な大会出場のチャンスを、全く予選通過の見込みのない永久シード選手に奪われることになるのです。

 多くの人が「抽選に当たらない」と嘆く東京マラソンに山中伸弥教授が特別枠で出場出来るとしても、誰か1人が除外されるわけではないので、文句を言う人はいないでしょう。

 「出場枠」で言えば、オリンピックでの総選手数の問題があります。2020もスケートボードとか、クライミングとかの新種目が採用されることになったので、総選手数の観点から、他の種目が影響を受けることになります。メイン種目とも言うべき陸上競技では、「参加標準記録」が、ドンドン引き上げられています。一例を挙げると、男子100mの参加標準記録は、10秒05です。最近でこそ、日本の短距離陣のレベルは上がっていますが、少し前なら、日本チャンピオンでも出場が危ぶまれる記録でした。

 そうなると、陸上競技が盛んでない国からは、1人も選手が参加出来ないことになり、五輪の理念に合わないことになります。そこで、「標準記録に達しない場合でも、各国1人は出場可」という特別枠があるのです。こうしてカンボジアにも与えられた「特別枠」をお笑いタレントのNさん(マラソン)が、リオ五輪で使おうとしました。

 「参加総人数は制限したいが、五輪の理念を生かしたい」として生まれた特別枠ですから、カンボジアの若者が使うべきです。見過ごしてはならない問題です。