S&R shudo's life

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真冬の狂想曲22-4

2007-07-17 18:06:53 | 真冬の狂想曲
 松は暫く考えたあと、グラスの水を舐めてから口を開いた。
「わざわざ坂本さんも小倉まで出張ってくれてるし、俺もギリギリまで譲歩しましょう。…金は元金にプラス50でいいよ。実際このぐらいは経費掛かっとるから。ほんで、平井はこっちの手の中におるからいいとして、この期に及んで俺達を騙して逃げた中村を引き渡して貰おうか。それから坂本さん達が俺達にやった商売を譲って貰おうか、平井と佐々木をこっちにくれればいいけよ。あいつらノウハウは解ってるんだろう?」
 坂本は間を空けずに答えを出した。自分が考えていた最悪の事態よりは楽な条件だったのだろう。
「非は全面的にこちらにあるんで、松崎さんの条件で構いません。仕事の件もそちらの言う通りにします。平井と佐々木はお渡ししますが、あいつらで対応出来ない事があれば私に連絡下さい。出来る限り協力させて貰います」
「中村は?」
「もちろん中村もお渡しします。松崎さんに残りのお金をお返しする時に中村にお金を運ばせましょう」
 松はこれで手打ちだと告げて、全て用意出来たら連絡を入れるように坂本に言った。坂本は深く頭を下げ連絡を入れる事を約束し、持ってきた鞄を松に渡して席を後にした。
 俺はノブに平井から取り上げた金から10万渡し、坂本の後をつけて行くように言った。
「お前とりあえずあのおっさんに張り付いちょけ。東京に着いたら代わってもらえるように松に韓国人達に連絡入れさせちょくけよ」
 ノブは嫌そうな顔をしながらも俺の渡した10万をポケットに突っ込んで、急いで席を立った。

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