Me&Night&Music…JAZZとお酒で素敵な夜を…

ジャズ&ブルースシンガーのローズが、好きなお酒と音楽について気ままに語ります。独断と偏見に満ちたウンチクも満載!

How High The Moon

2007-08-21 22:23:02 | Weblog
'40年に、ミュージカルの曲として作られましたが、'40年代半ばから
インストゥルメンタルで演奏する素材としてよく取り上げられ、
その後、ジャズ歌手が歌うようになりました。


「どこからか 音楽が聞こえてくるわ
 でも なんてかすかな音でしょう
 どこかに 天国みたいなところがあるわ
 でも 月は なんてはるか高いんでしょう

 恋が遠くにいってしまったら
 月もどこにも見えないの
 私があなたを愛しているように
 あなたも私を愛してくれるまでは…

 
 どこからか 音楽が聞こえてくるわ
 そこが あなたのいるところ
 どこかに 天国のような場所があるわ
 でも それは近くのようでなんて遠いのかしら

 あなたがすぐに 私のそばに来てくれたなら
 暗い夜も 明るく輝くでしょう
 あなたが来てくれるまで 私の心は止まったまま
 月は なんて高く遠いんでしょう! 」


当然、ここで歌われている「月」は、恋しい「あなた」 のこと。
月を恋人に見立てて歌うって、何だか日本の相聞歌みたいで、とっても
ロマンティックでしょ?
歌詞だけを見ていると、ゆったり流れるバラードかな?って思っちゃいそうですが、
とってもスィンギーな曲なんです。そこがまた、ジャズの面白いところ。


歌ものでこの曲と言えば、なんといってもエラ・フィッツジェラルド!!
凄まじいばかりのスキャットでブンブン飛ばしてくれます。
パティ・オースチンやディー・ディー・ブリッジウォーターが、エラへの
トリビュートアルバムで取り上げているものも、とってもいいです♪
エラの影響を払拭して、アフロなスキャットを聴かせてくれるのは、今や
ジャズの女王となったダイアン・リーヴス。

エラに先駆けて、'51年に全米ナンバーワンヒットとなったのは、レス・ポール
&メリ-・フォードのバージョン。(もちろん、ギブソンのレス・ポール・ギターを
作ったあのレス・ポールさんと当時の夫人のデュオです)
これもノリノリの楽しい演奏で、遠くのお月様が近づいてきそうなほど。
その他、インストゥル・メンタルでは、ピアノのバド・パウエルや、ギターの
ジョー・パスの演奏は文句なし。


夜空に輝く月や星を眺めながら、聴いて欲しい曲ですが、そのお供にふさわしい
お酒は… シャンパンと黒ビールを合わせたブラック・ベルベットなんて、いかが?
暑い夏の夜にぴったりではないかしら。