【防衛利権 蜜月の構図】秋山理事を脱税容疑で逮捕 防衛企業顧問料2億3000万円隠す2008年7月25日 |
防衛関連企業や商社からのコンサルタント料約2億3000万円を隠し、所得税計約7400万円を脱税したとして、東京地検特捜部は24日、所得税法違反(脱税)の疑いで、社団法人「日米平和・文化交流協会」専務理事の秋山直紀容疑者(58)を逮捕、東京国税局と合同で協会の事務所などを捜索した。
前防衛次官守屋武昌被告(63)=収賄罪などで公判中=の汚職事件は、日米の防衛産業と政官界を結ぶパイプ役とされる秋山容疑者の逮捕につながった。
脱税した資金の一部は、秋山容疑者が所有する高級外車や高級腕時計の購入に充てられたとみられるが、特捜部は秋山容疑者から防衛族議員らへの資金提供の有無など、使途の全容解明を目指す。
秋山容疑者は脱税疑惑について本紙の取材に「あり得ない。心当たりがない」と否定。特捜部の調べにも容疑を否認しているもようだ。
調べによると、秋山容疑者は2003-05年の3年間で、協会の会員だった防衛商社「山田洋行」など防衛関連企業からコンサルタント料名目で、秋山容疑者が管理する米国口座に入金させるなどの手口で、計約2億3200万円を隠し、所得税計約7400万円を脱税した疑い。
資金の受け皿となったのは、秋山容疑者が日本支社の顧問を務める米国法人「アドバック・インターナショナル・コーポレーション」(ロサンゼルス)や米国非営利法人「カウンシル・フォー・ナショナル・セキュリティー」(ワシントン)の名義などの3口座。
特捜部は、これらの法人が実体のないダミー法人で、秋山容疑者が事実上口座を管理していたと判断。入金された資金は必要経費を除いて、個人の雑所得とみているもようだ。
アドバック社は、山田洋行が福岡県・苅田(かんだ)港の旧日本軍毒ガス弾処理事業の下請け受注を目指し、秋山容疑者へ約1億円を支払った際の送金先。同社元専務宮崎元伸被告(70)=贈賄罪などで公判中=が参院証人喚問で「(秋山容疑者から)頼まれて現地対策費として支払った」と述べていた。
http://www.chunichi.co.jp/hold/2008/ntok0011/list/200807/CK2008072502100005.html