民間給与3年ぶり増加、平均6万円増の412万円 2010年
国税庁調査
- 2011/9/16 20:33
- ニュースソース
- 日本経済新聞 電子版
民間企業に勤める人が2010年1年間に支給された平均給与は412万円で、前年を6万1千円(1.5%)上回り3年ぶりに増加したことが16日、国税庁の民間給与実態統計調査で分かった。景気回復が反映されたとみられるが、調査期間は東日本大震災前で、専門家はこうした回復基調が続くかどうかは不透明とみている。
調査は国税庁が民間企業約1万8千社を抽出し、パートや派遣労働者を含む約26万人の給与から推計。給与の内訳では給料・手当が1.2%増の353万9千円、賞与が3.6%増の58万1千円でいずれも増加した。
業種別では「電気・ガス・熱供給・水道業」が前年比10.5%増の696万円でトップ。「金融業・保険業」が589万円で続いたが、前年比では5.8%減った。一方、民間企業に昨年1年間勤務した給与所得者の女性は1823万人で、過去最多だった。
ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次主任研究員は「景気回復が給与にも反映された結果だが、震災の影響や世界経済への不安感が広がっており、今年分の所得改善は難しいだろう」と指摘している。