La Rose et Le Vin

バラとワインをこよなく愛するひとのために・・ On boit du vin! / Monsieur Rose

バラの樹性

2008年08月18日 16時05分09秒 | My Rose Garden
バラを樹性(性質)の系統で分類すると、ブッシュ、シュラブ、クライマーの3種類に分けることが出来ます。
ブッシュとはモダンローズのハイブリッドティ、フロリバンダ、ポリアンサなど最も多く栽培されている品種群で、シュラブはオールドローズやモダンシュラブと呼ばれるイングリッシュローズなどの品種群、クライマーは文字通りつるバラのことです。
それぞれの樹性を簡単に説明すると、
ブッシュはしっかりと結実した枝が上方に向かって伸びる性質を持ち四季咲きのものが大半で、シュラブは枝がしなやかなアーチ状に伸びる性質を持ち、地を這うような匍匐性を持つ品種やつるバラのようにシュートを長く伸ばす品種もあります。花は四季咲きではなく古い品種は一季咲きが多く、モダンシュラブには繰り返し咲きのものが多くあります。つるバラは長いシュートを伸ばし棘を回りのものにかけながら成長し、花は春の一季咲きのものがほとんどです。
シュラブとクライマーはさらに細かく分類出来て、その特徴ある樹性により仕立て方や育て方がタイプによって大きく違ってきます。

ところがこの分類の仕方は意外に浸透されておらず、バラ愛好家の中にも知らない方がかなり多いようです。
この分類を知らないと次のようなことになってしまいます。

シュラブをブッシュと同じように冬の管理で強く剪定してしまいシュラブの持つ優雅な個性を発揮させられない。
同様に夏の剪定が強過ぎたため、秋の花付きが悪い。
家庭用の小型アーチに上方に伸びたがる性質のつるバラを使ってしまい、成長したら手に負えなくなる。
花がうつむくように咲くつるバラを低いフェンスに誘引したので、花の上側しか見ることが出来ない。

特につるバラのタイプを知らずに仕立てている例がとても多く、適性を考えて育てている方は圧倒的に少数だと思います。
つるバラの大半は上に伸びたがる性質を持っていて我が家にもシュートを3m以上伸ばすつるバラがありますが、そのような品種を小型アーチに誘引するのは不可能に近く、適する仕立て方は壁面や高めのフェンスに誘引する方法になります。

先ず知っておかなければならない重要なポイントはバラの持つ「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という性質です。
「頂芽優勢」とは植物全般が持つ性質で枝先に養分が優先的に使われ、花も先端につけることを言いますが、バラはその傾向が強く、特につるバラは頂芽優勢が顕著に現れます。
つまり上にばかり伸びたがるつるバラを放っておくと花は枝の頂上にしか咲かない現象が起きるのです。
そのためにつるバラの場合は枝を45度以上寝かせて誘引し人工的に頂芽優勢を崩して、あらゆるところから花を咲かせるステムという小枝を生ませるようにするわけです。
と言うことは、小さなアーチにそのような樹性を持つ品種を使っても花はアーチのてっぺんにしか付かず、さらに伸びたがるシュートやサイドシュートで手に負えなくなるのです。

このように樹性を知ることはバラを育てる上で重要なことであり、品種に合った仕立て方、仕立て方に合った品種を選ぶことが大切なわけです。
ちなみに家庭用の小型アーチにはつる仕立ての出来るシュラブやミニバラのクライマーを選ぶと苦労せずに美しい花を楽しむことが出来ます。



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