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短編:想いのメモリ<6>:第二の駄菓子屋さん

2018-03-01 12:38:30 | 短編小説:想いのメモリシリーズ



短編:想いのメモリ<6>:第二の駄菓子屋さん


保育園隣りの第一の駄菓子屋さんとは違う、第二の駄菓子屋さん。ボクの自宅の前の小野川をはさんだ正面にも第二の駄菓子屋さんがあった。溜まり場ではなく唯一ボクが癒される場所で叔母さんに会いに行くための場所だった。当たりはずれのあるチョコレート菓子50円で10個は買っていた。そこの叔母さんはボクのことを孫のように思って気に入ってくれていた。ボクが行くと必ず頭をなでてくれる叔母さんには御孫さんはいなかった。毎日はいかないのに50円の買い物をすると必ずおまけをくれた。ボクは自宅では話せないことを話していた。悩んだり困ったことがあって叔母さんは良くボクにアドバイスをくれる人だったから。喧嘩で負けた時には店が休みでもドアを叩くと必ず家に入れてくれた。
泣きながら行った時、頭をなでてくれて、一緒に泣いてくれた時もあった。いつもなら笑顔だった叔母さんだったのに。
良く抱きかかえてくれたメモリが薄っすらと浮かんでくる。叔母さんは、あんまり話す人じゃなかったけど、ボクの頭をなでながら同じ思いを共有してくれた唯一の1人の理解者だったと思う。
そんなこともあって、お客が少ない時には友達を連れていった。
ボクが小学校卒業した頃には第二の駄菓子屋さんの一人暮らしの店は閉店になった。年齢的なものが理由だったようで、家族の元へ行くようだった。
近所に安心できる場所があることは幸せなことだと思う。今の時代では、もうそういうところは少ないでしょう。もしかしたらもうないのかも、昔々のお話です。
閉店してからは、ボクに住所を教えてくれて、おばさん引っ越しです。引っ越し後、冒険してた頃一回だけだったか、ボクは叔母さんに会いに行った。でも、叔母さんは、また引越しだって県を離れた。手編みの手袋を黙ってくれたんだ。
寂しさという感情をはじめて知った時で、お別れです。
引っ越し先はボクには遠いところで、もう会えない、住所は教えてくれなかった。叔母さんは、遠いところだからねと言って、でも笑顔でいられるボクがいた。叔母さんの笑顔を何度も見ていたから、きっとボクは笑顔になれていたのかもしれない。



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