チューリップス・シスター第3話 姉妹の教会での行動
真理と美咲、双子の姉妹の教会での行動は、まったく正反対の行動であった。叔父は二人を引き離す事を反対をしたのだが、神父の言葉に従う事になった。真理と美咲の極端に違う行動によって、今後の姉妹の成長と生活を見守る事になったのである。見守ると思っていても、見守り方は、人それぞれ違う。
神父の見守り方は、美咲に対して接触は持たず、美咲が求めてくるのを待つ事だった。叔父夫婦の真理への見守り方は、常に接する事、そして真理の為に環境を作り出す事であった。3才になる姉妹は、この日を境に別々の人生を送る事になったのだ。二人が唯一姉妹として会えるのは、年1回の誕生日の日だけである。神父は、子供の成長は早く、3カ月事に発達と成長の違いを見定める必要があった。これは、神父の考えではない。
神父は、ある能力を持っていたのである。
その能力によって、ある者からの言葉によって、神父は動かされていた。イエスの声や精霊の言霊とは違い、神父の心に響く、神父の中で眠っていた神の囁きの言霊である。2人の誕生日は6月29日である。もうじき3才の真理と美咲は、2人でいる時は何故か物静かで、笑みは浮かべるが大人しいものであった。2人でいると物静か、2人を引き離すと、極端に人生の中に有る生活感が変わる。生活環境だけが、この姉妹を変化させるのではなかった。
神父の心に囁く声は、神父の心に常に姉妹の生き方への導き方を指示するかのようだ。神父には真理と美咲の心の音が、時計の針が回るように、真理は早く回る秒針の鼓動の音、美咲は時間を刻む静かな音。そして神父の心の中にある言霊によって、ある光景が浮かび上がる。真理は水平線の見える海、美咲は森の中にある湖、そして海と湖は見えない地下深くで繋がっている。真理は自由に海原を飛び回り、美咲は静かな森の中で何かを待っているかのようだった。
その心に描かれた光景は神父の心に抱く思いの引き出しの中に封印して、神父の覚悟として言葉に出す事はなかった。
幾つもの引き出し、いつでも開ける事が出来るよう、真理と美咲の為に神父は自分自身の寿命という覚悟をしていた。
姉妹の未来の人生を覚悟を持って、後に真理と美咲の人生を導く事になる。教会で見た真理は、笑顔を持ち、素直で真っ直ぐな性格人格を持ち行動していた。叔父夫婦宅にいる真理は、笑顔を絶やさなく、多大で豊かな好奇心を持っていた。
叔父夫婦にとっては、心を癒してくれる子供となっていく。一方、美咲は独りになると感性個性なのか、沈黙する何かを抱いていた。美咲は、施設では部屋に引きこもり、外に出た時でも、他の子供達と関わる事はなかった。毎日のように小さな声で床に座り、美咲は何かを呟き囁いている。神父は修道院での話し合いで沈黙した何かを見つける為に、美咲に1冊のスケッチブックを渡してみる事を考えた。神父の思いは通じたのか分からないが、美咲は初めて顔を上に向け、神父の顔を見つめ神父が持つ物に興味を持った様子だった。
その後、美咲は与えられた自分だけの部屋に閉じこもり、絵を描くようになっていく。スケッチブックがなくなると、美咲は、部屋を出て歩き、描き終えたスケッチブックを神父に渡す。そして、神父は、新しいスケッチブックを美咲に渡す。神父と美咲との関係は、これだけであったが、その絵は美咲の思いが描かれ何かを求めるかの様だった。美咲は、施設にいる間は何も言葉する事はなく、笑顔を見せる事もない。姉妹二人でいる事で神父は、心に持つ光景を思い出す、そして真理と美咲の成長が遅れる恐れを感じていた。見た目では正反対の性格と、愛情の捉え方の違いがあった。これからの二人の人生がどうなっていくかはわからない、美咲には、真理ではない多くの友を必要としている。神父はスケッチブックを渡すだけだった。美咲への対応を修道院や孤児施設の職員と常に話し合いをして成長と共に関わり方を決めていくが、施設での生活の中で他の子供達と接する事は一切なかった。
美咲にとっての「友」とはどういうものなのだろうか、まだ神父には気づく事が出来なかったが、決めていくのは美咲自身だと思うようにしていた。人類の世界では見える「友」とは、人間である。しかし、美咲にとっては、現実にあるものではなかったのかもしれない。神父は聖書その他書物の読み返し、この世界中の出来事の由来にまつわるものを全てを調べはじめる。ある時、神父の心の中で囁く言霊があった。この囁きは、これまでの囁く言霊ではなく、美咲の成長と共に囁く言霊は変わっていく。
「神父よ、貴方は、きっと気づく時が来る、美咲は、もう何かを見つめはじめている」
常に変わる言霊は精霊や妖精、心の神であったりする囁く言霊達の言葉である。この頃には、まだイエスが真理と美咲を導く為の言霊は無かった、イエスの伝令の言霊は遠くに離れている場所にあった。叔父は、真理を養女として引き取り、神父は美咲の身元保証人となり、教会の修道院に預ける事になった。しかし、いつになっても美咲は、他の子供達と遊ぶ事はない。神父が一緒にいても最初だけ、あとは自分の部屋に閉じこもり小さな声を呟き机に向かい椅子に座りスケッチブックを見つめるだけである。
美咲に神父は最初にクレヨンとスケッチブックを渡したが、その後クレヨンを渡す事はなかった。何故だろうか、神父も施設職員も不思議に思い、1日7回巡回し確認をしていた。そして、美咲はクレヨンを使用した形跡がない事を知る。
美咲が描くものは、クレヨンを使わずにスケッチブックに見つめるだけで描く事が出来る、心の中と瞳に映し出されたイメージがスケッチブックに描かれていたのだ。
チューリップス・シスター第2話 神父への相談
真理と美咲の母の失踪は、警察による捜査は、困難をきわめていた。何の手がかりも、つかめぬまま時を過ぎていくが、徐々に警察からの連絡も少なくなっていく。自宅内全ての捜査をしようとする警察の姿は、真理と美咲にとって、とても嫌な光景であった。警察官を見つめる真理と美咲は言葉をだす事なく、警察官の足に絡みつき離れようとはしない。自宅内捜査が出来ない事を、警察官は叔父夫婦へ伝えたが、叔父夫婦も真理と美咲の二人の行動に戸惑うばかりだった。叔父夫婦は、真理と美咲を預かろうとしたのだが、自宅の外に出ると途中で、どうしても農園にある自宅へ戻ってしまう。
精神科医師である叔父は、知り合いの教会の神父に会い、真理と美咲の今後の相談をする。
神父は真理と美咲に会ってから今後の事を考えましょう、早く二人合わなければ、と言った。叔父夫婦は、「早く会わなければ」という言葉が気になっていた。何故なら、精神診断では問題はなかったからだ。そして叔父夫婦は、農園にある自宅にいる真理と美咲を迎えに行く。真理は、素直に叔父の言う事を聞くが、外には出ようとしなかった。美咲は、叔父夫婦の声かけに答える事なく、自宅の部屋から離れようとはしなかった。美咲は、部屋の押入れに入り、布団をかぶっていた。叔母は、何度も声をかけるが、返ってくる言葉もなかった。
「美咲、一緒に行こうよ」
真理の小さな声かけで、美咲は押入れを出て、真理について行くようになると思った叔父夫婦。しかし、真理は声をかけているだけで美咲に寄り添うだけだった。農園にある自宅にいる真理と美咲を、叔父夫婦の自宅ではなく、何としても嫌がる二人を説得し教会ヘと向かわせようと思った。真理と美咲は手と手を繋ぎ、ただ黙り震えているだけで動く事はなかった。
しかし神父の姿を見た真理と美咲は神父をじっと見つめ、神父は何も言わず両手を差しだすと、二人の瞳は笑みを浮かべ立ち上がる。真理と美咲は神父の手に、二人が手を当てると立ち上がり、首を縦に振った。神父に何かを感じたような真理と美咲だった。警察官は真理と美咲が自宅から外に出ると自宅内捜査を始めるが、何故か二人の姿を思い浮かべると捜査の途中でやめた。警察官達は、何故途中で自宅内から離れたかは不明、神の思し召しかは全く分からないが何かに誘導されるかのようだった。
ただ、警察官が持っていたのは、フォトアルバムだけだった。叔父夫婦は、厚着のコートを着せ自宅から教会まで歩いて行く事になる。歩いている途中、真理と美咲は叔父夫婦と手を繋いているが、真理と美咲は一切、会話をする事はなかった。ただ、約1キロ程の道を一緒に歩いている姿だけである。
教会へ着くと、真理はキョロキョロしながら教会の中を見回していた。もの珍しかったのか、何かを探すかのようだった。美咲は、教会の椅子に下を向きながら、黙って座っていた。教会へ入ると、二人は繋いだ手を離し、真理はゆっくりと静かな足音でマリア像へ向かっていく。美咲は下向き加減で、椅子に座り、独り言か歌なのか小さな声で囁きはじめた。教会には、孤児を引きとり預かってもらえる施設があった。二人の情景を見て、神父は何かを感じた様子で二人は一緒に生活をする事は避けるべきと、神父は叔父に話しをした。しかし、叔父夫婦は、どうしても納得がいく事が出来なかった。
「どうして二人を引き離さなければならないのですか?」
「なぜ、姉妹を離れ離れにしなければならないのか、その理由とは何ですか?」
叔父夫婦は、神父に聞いた
「二人を時々会わせるのはいいのだが、一緒に暮らす事は、負担がかかりすぎるでしょう」
神父は、叔父夫婦に話をした。
そして、二人の子を守りたいのなら、そうすべきだと強く叔父夫婦に話をしたのだ。
叔父夫婦もキリスト教徒で、完全に納得はしなかったが、戸惑いながら神父を信じて言う事に従う。
姉の真理は叔父が引きとり、妹の美咲は教会にある修道院の施設に預ける事になった。話し合いの後、叔父夫婦は具体的な対応を聞き、戸惑いから真理と美咲を見ながら冷静に考えはじめる。神父には、今後の真理と美咲の何かが見えているのではないかと思うようになった叔父夫婦だった。今後の双子の姉妹、真理と美咲の将来の行く末と人生の向かう先を感じ、何かが見えていたのだろうと叔父夫婦は考え信じる事にした。
話し合いが終わる頃、教会の中ではマリア像の前に立たずむ真理の姿があった。しかし、マリア像には全く興味を示さないで椅子に座ったままの美咲の姿は、真理とは全くの正反対の行動である。普通に考えれば双子の姉妹なら、手を繋ぎ不安げにも椅子に座る二人の姿があるだろう。または、マリア像に興味を抱きながら、マリア像の前に姉妹で立ちすくむ姿あるだろう。神父の話を聞いてから叔父夫婦は、教会内での姉妹の姿を見て、神父が話した姉妹の生き方を考え、真理と美咲の見守り方を考えていた。
「神と精霊のもとで必ず守られるでしょう」
真理と美咲を見つめる叔父夫婦の後ろから、神父は冷静に声をかけ別室へ足を向け静かに入っていった。真理は、マリア像に母の姿を映し出し、美咲は、母は自宅に戻ってくると信じて思い描いていたのかもしれない。
第一弾
チューリップス・シスター第1話 「両親との別れ」
双子の姉妹が出産前で胎児の時から、母の高子は奇妙な夢を見続けていた。
世界の神々ゼラトウスに苦難と残酷な試練を、苦しみながら乗り越える双子の姉妹の姿が見える。
何ヘクタールあるのだろうか?緑に生い茂る農園と色鮮やかに輝き生い茂る花畑。
ここは、父の佐々木直継と妻の高子の夫婦で経営する農園。農園の隅には、綺麗に花を咲かせる花畑がある。
野菜農園の仕事の傍ら、高子は花畑を作り、チューリップやハーブの出荷をしていた。
高子の作る花は、業者に好評で間に合わない程であった。
直継と高子の間に、子供が産まれようとしていた時、神ゼウスは、この夫婦に残酷な試練を与え始める。
自然と共に暮らす両親2人の生活は平凡だが、双子で2人の子を授かり幸せな生活をしていた。
双子が産まれた時、神ゼウスは考えもつかない苦難と残酷な試練を、双子の真理と美咲を守る為、この家族へ与える。
神ゼウスは、この試練を乗り越えられなければ能力を与える事はない。
直継と高子の間に一卵双生児の子、姉の真理と妹の美咲が授かった。
産まれた双子達は、そっくりな可愛い姿である。
2人を並べ寝かせていると、シンクロしてるように動いていた。
高子は、しばらく仕事を休み、真理と美咲の子育てをしていた。
父の直継は仕事の合間には、高子の子育てを手伝いながら以前よりも平凡な生活の幸せを感じている。
毎日の平凡な生活に「ありがとう」感謝の言葉を直継は高子に常に声をかける。
高子は直継の感謝の言葉に毎日が幸せな時間である事に教会で祈りを奉げていた。
しかし、その祈りはゼラトウスへ届いていたが、明るく笑顔が絶えない幸福な日々は長く続く事はなかった。
神ゼウスが創り出した悪魔ゼブロスは、双子の真理と美咲が産まれた事を知った時、暗黒の闇のベールを掛けようとしていた。
ゼブロスには再び双子の伝令師が蘇る事は、この世を闇一色にする為には邪魔な存在であった。
しかし真理と美咲には両親の強い愛情、特に母高子の持つ魂の潜在的能力に守られている双子に闇のベールを掛ける事は出来なかった。
ゼブロスは双子の姉妹ではなく、父の直継と母の高子に闇のベールを掛け闇のベールの力が及ぶのを待ち続けた。
時が過ぎ、徐々に社会経済が低下すると共に農園の経営がおもわしくなくなっていく。
あれほど幸福に見えた直継と高子は、時に言い争う事が徐々に多くなる。
四人で暮らす苦しさは、直継と高子から笑顔を奪っていった。
直継は、たびたび銀行へ足を向けるが融資がどうしても受けられず経営は困難となっていた。
直継は酒びたり仕事もせず過ごす事が多くなっていく。
高子は一人で農園と花の出荷に追われていたが高子は無理がたたり横に伏せる事が多くなる。
農園も花の出荷も経営は出来なくなり、直継は大小2つある小さな倉庫内で首吊り自殺をしてしまった。
幸福と呼べる力が弱まり、ゼブロスの暗黒の闇のベールの力が動き始める。
直継の首を吊っていたのを見つけたのは、妻高子であった。
高子は親戚の叔父と叔母へ連絡し真理と美咲を見てもらい、倉庫へ向かって首を吊っている直継の姿を見つけた。
「こめんなさい、あなた」膝をつき顔に手を当て呟く。高子には何かが起きる事を感じていた。
感じるままに倉庫に向かい、夫直継の首つりを見つけ警察へ連絡をした。
高子は警察には、生活状況を話すだけで、高子が感じていたものを話す事はなかった。
高子との会話から直継は「自殺」と警察は断定したが、高子の状態に疑いを持つ警察官もいた。
高子は夫の自殺に涙を流す事もなく床を見ながら冷静さを保っていたからだ。
普通ならば悲しみや涙を流す事があってもいいだろう。
警察官は叔父と叔母に話を聞き高子がどういう状況かを聞くと高子への疑いは無くなった。
しかし警察官の中には、不自然な事を気に掛ける者がいた。
その警察官は高子と同じように何かを感じ直継の自殺現場へ幾度も足を運んでいた。
何故、幾度も足を運ぶのか、刑事の感で事件として、いや何かに導かれているように足を運ぶ。
神父は双子の魂を見守り続け、神ゼウスに祈りを毎日捧げ続ける。
「神・童・カン・ドウ・キュリア・エルサイム・ヘルサエム・・・」
神父の毎日の祈りはゼウスへの祈りであるが、神父の祈りは神ゼウスに届き神ゼウスによって眠り続けていた賢者達を目覚めさせる事になる。
ゼウスは神父にゼブロスの動きや双子の姉妹真理と美咲を守るための導き方を伝えると共に地獄の闇との戦いに必要な賢者達の魂に宿命を与える。
「双子の姉妹を守るためには、自己犠牲が必要であり、真理と美咲を一緒に育ててはならない」ゼウスが神父へ伝えた事だった。
姉妹を共に育てる事で、ゼブロスの闇のベールが姉妹二人を包んでしまった時、この世界は闇一色になってしまうのだ。
この時点でゼウスは真理と美咲の双子の姉妹の間に、天使ピクロスと悪魔ゼブロスには知らせず、ある特別な能力を備えつけた。
神父の出来る事は、心の神ゼウスに祈りを奉げ姉妹を見守り、ある時期を待つ事だけであった。
神ゼウスによって過酷な試練を与えられてしまった夫婦。
神ゼウスは悪魔ゼブロスの闇のベールを真理と美咲ではなく直継と高子に掛け、自己犠牲へと導いた。
夫直継の自殺によって高子は精神不安定となり、内科の医師をしている叔父へ治療と今後の相談をしていた。
医師の叔父は知人の精神科医に依頼し高子は精神療法を受けていた。
高子の病状は精神科医にも診断がつかない状態が続く。
ゼブロスの暗黒の闇のベールは真理と美咲ではなく直継と高子に掛けられていた。
ゼブロスは闇のベールによって悪魔としての力を高める為に人類の魂を喰らう。
神ゼウスは悪魔の力が高まる事を知りながら、真理と美咲を守る為、そして自己犠牲の為に直継と高子に残酷な運命を与えていたのだ。
しかし、ゼウスにも誤算があった。
直継は、すぐに自己犠牲となったが、ある潜在的能力を持つ高子は何らかの力が働いている事に気づいていた。
精神の安定していない中、苦しくも高子には何かが見えていたのだ。
高子の潜在的能力に悪魔ゼブロスは、まだ気づいてはいなかった。まず自己犠牲になった魂は直継の魂だ。
悪魔ゼブロスは一つの魂だけでも力を高め、次の喰らう魂は高子の魂であった。
高子には現実には見えないものを見つめていた。子育ての出来ない高子は内科医の叔父夫婦に真理と美咲を預け、高子は真理と美咲が3才になる頃、家を出て失踪してしまう。
ゼウスが何故、真理と美咲に、ある能力を備えたのか。高子の潜在的能力に関係していた。
高子には特殊な能力があり、遺伝によって真理と美咲に受け継がれた時、未知的の霊力となっていた。
真理と美咲の未知の能力をある時期まで抑えるために、神ゼウスは能力を備える必要があり、双子の姉妹を悪魔ゼブロスから守る為である。
高子から受け継がれた能力を幼き頃に使う事になれば、悪魔ゼブロスに気づかれてしまう。
高子の失踪は、特殊な能力によって恐れを感じ失踪する。
父直継と母高子のみが見えるものを自分だけに引き付けるように、真理と美咲から遠ざける為に姿を消す道を選ぶ。
高子の能力は真理と美咲に受け継がれたが、この先、姉妹の成長と共に真理には真理の能力、美咲には美咲の能力を創りあげていく。
神ゼウスから与えられた能力ではなく真理と美咲自身が、ある時期から創りあげて行く能力で運命を生きていく。
叔父夫婦は高子の失踪は7日後に警察に失踪届けは出されたが、その後の高子の行方は全く解からなかった。
現実の世界で生きている高子の奇妙な夢であり、次元の違う仮想空間のような幻想世界から始まり現実の世界に戻る夢だった。次元の違う仮想空間のような幻想世界の夢から目覚めると晴れた日には、いつも空を見上げる夫婦の姿がある。
その空は、真っ青に、真っ白に、涙のように降る雨、時には、怒りのような稲妻、夜になると月の輝き、数え切れない星々、季節ごとに幾つかの星を結びつけ星座を創りだす。
宇宙から見れば、地球という星は水源を持ち、青く輝く小さな星である。この小さな星には人類が作り出す世界がある。
その世界の中には、数百億年で進化を遂げた人類と小さな生き物達が生息する。
しかし、世界には、人類や生物だけではなく、他の次元も存在し、目に見えない存在もある。
人類は「神」を崇め祈りをささげる。
神の存在があるとすれば、その神によって創られた、天国の光りの輝き、地獄の炎の輝きを創り出している。
世界に生きる人類の殆んどが、目に見えるものに左右されて生かされている、それが現実でなのです。
古来の話では、信じるものを「神」と崇め、天使と悪魔の存在をを知っていた。
ゆえに「エクソシスト」「シャーマン」もこの世に存在していたが、時代が過ぎると共に忘れさられた。
人類が光りの世界に残り「エクソシスト」「シャーマン」の存在は影となり、別な次元の世界「時間の空間」や「人類の心」に存在する事になった。
しかし、神の存在を信じるものも、この世に少なくとも存在している。
徐々に光りの世界の動きは変わっていくと共に闇の世界も変わっていく。
犯罪や自殺するものが多くなりつつある、この世界に、闇の支配が拡がりつつあった。
神は、天国と地獄のどちらでもなく中立の立場であり、天使と悪魔を創りあげ、天国と地獄の仲介役を人類の中に創りあげたのです。
これから生まれてくる命に「ある能力」を与え、その能力が目覚める為に残酷な試練を与える事になる。
神は、その能力は各国の選ばれた人類の心の中に、まき散らしていました。しかし「神」は完璧なものではなく不老不死ではない、人間と同じように時には「死」を、時には「ミス」を起こしてしまう事もある。時代の流れの中に神の存在はあるが、時には人類の進化は飛躍に遂げ、神の伝令が届く事が出来る時と出来ない時もある。そして、神の元の天使でさえ、神と協力するのが当たり前なのに、まれに神を裏切る天使が出てくる事もある。人類もまた、天使のように、悪魔のようになる時がある。
過去の残酷な試練を、何十年何百年何千年何億年もかかり、苦しみながら乗り越える双子の姉妹の姿が見えてくる。何ヘクタールあるのだろうか、緑に生い茂る農園と、色鮮やかに生い茂る花畑がある。ここは「佐々木直継」と「妻、高子」の夫婦で経営する農園である。農園の隅には、きれいに花を咲かせる花畑がある。
野菜農園の仕事の傍ら、高子は花畑をつくり花チューリップやハーブの出荷をしていた。
神は、この夫婦に、残酷な試練を与え始めていた。
自然と共に暮らす2人の生活は平凡だが、2人の子を授かり、幸せな生活をしていた。そんな時、神は考えもつかない残酷な運命を、この家族へ与えたのだ。直継と高子の間に一卵双生児の子「姉の真理」と「妹の美咲」が生まれた。産まれた双子達は、そっくりな容姿であった、しかし1つだけ違いがあった。この時は、まだその違いを知る事はなかった。
高子は、しばらく仕事を休み、真理と美咲の子育てに没頭していた。父の直継は、仕事の合間には、高子の子育てを手伝い、以前よりも平凡な生活の幸せをかみしめていた。しかし、社会経済が低下すると、時代と共に経営が思わしくなって行った。
あれほど幸福に見えた直継と高子は、時に言い争う事が徐々に多くなっていく。4人で暮らす苦しさは、直継と高子の笑顔、人生の生き方を奪っていく。直継はたびたび銀行へ足を向けるが、融資がどうしても受けられず、経営は困難となる。直継は酒びたり、仕事もせず過ごす事が多くなってきた。
高子は1人で農園と花の出荷に追われていたが、高子は無理がたたり横に伏せる事になった。農園も、花の出荷も、経営は出来なくなり、直継は、2つある小さな倉庫内で首吊り自殺をしてしまった。この時点で神は真理と美咲の双子の姉妹の間に、ある特別な能力を備えていた。夫、直継の自殺によって高子は精神不安定となり、内科の医師をしている叔父へ治療と今後の相談をしていた。医師の叔父にあたる精神科医に依頼をし、高子は精神療法を受けていた。子育ての出来ない高子は、叔父夫婦に真理と美咲を預けていた。
しかし、高子は、真理と美咲が3才になる頃、家を出て失踪してしまう。叔父夫婦は警察に失踪届けは出したが、その後の高子の行方は警察の捜査でも誰も分からなかった。
現在、現実の世界に多くの人間は生きているが、神々の世界では前世から定められた運命という人生を送る事になる。
運命というものは神聖時代(神の世界)を創り出し、全世界に神々を創造しゼラトウスと呼ばれていた。
ゼラトウスの世界では、現実の世界や宗教の世界、天使や悪魔の世界が拡がる。
天使をピクロス、悪魔をゼブロス、天国をヘブン、地獄をヘルと呼ばれる。
天使ピクロスは笑顔で微笑、悪魔ゼブロスは歯ぎしりをし笑う。
更に世界の神々ゼラトウスは人類に向けて、
人間の心の神の言霊の神ゼウスまたは神イエス、聖霊ヘルプ、天使ピクロス、天国ヘブン、妖精ハルフ、悪魔ゼブロス、地獄バルザ、死神デッドという導きの役割を与えるものを現実の世界と次元の違う仮想空間の9つの幻想世界を創り出す。
エジプト文明、黄河文明、メソポタミア文明、インダス文明が代表的な四大文明他、良く聞かれるマヤ文明等。
他にも文明はあるが、氷河期や病や時の流れと共に自ら文明を捨てる人類の滅亡。
見かねたゼラトウスは、天国と地獄、ピクロスとゼブロス、次元を超えた前世というものを創りだし人類へ与える。
ある時期、人類は宗教と教祖というものを自ら創り出し、宗教でも文明を創りあげる事に成功した。
その宗教は、いくつもあるが、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教等様々である。
人類に神の存在に気づかせたのだ。
そして、教祖にはゼラトウスの子として煌子が成り、ゼラトウスの教えを伝える双子の伝令師を人類の中から選び出した。
煌子や伝令師には、ある絶対的能力を与えていく。
地球上では、13世紀以前から、迷信や伝説が各国各地に残されている。
記載の中にはエクソシストやシャーマンというある能力を持った人類がいた事も書かれている。
エクソシストやシャーマン達は、ゼラトウスではなくピクロスやゼブロスに与えられた能力であった。
ピクロスから与えられた能力は「天空に輝く光」ゼブロスから与えられた能力は「黒く燃える闇」である。
本来ゼウスの存在は、世界の神々ゼラトウスによって創られ、天国の優しい光の輝き、地獄の焼き尽くす炎の輝きを創り出している。
人類が自らの力で神ゼウスを創り崇め祈りを捧げてしまう事で ゼラトウスは慈悲をかける事はしなかった。
世界に生きる人類の殆んどの人類が、目に見えるものに左右されている、それが現実である。
古来星々の伝説では、信じるものを神ゼウスと崇め、天使ピクロスと悪魔ゼブロスの存在をを知っていた。
ゆえに、エクソシストやシャーマンもこの世に存在していたが、時代が過ぎると共に忘れ去られていく。
しかし本当の神々ゼラトウスの世界や神ゼウスの存在を知る者も、この世に少なくとも存在している。
人類が光の世界に残り、エクソシストやシャーマンの存在は影となり、別な次元の世界、時間の空間や人類の魂に存在する事になる。
現実に見える世界の他に、宗教の世界、魔物の世界、時空の世界、魂とならない限り次元の世界を行き来する事は出来ない。
善悪のどちらかでも魂となれば、全ての次元を行き来し、悪の魂ならば現実の世界から人類を地獄へ導き悪の力を魂に与え人類を死へと導いていく。
時代の流れの中に世界の神々ゼラトウスの存在はあるが、時には人類の進化は飛躍に遂げ、ゼラトウスやゼウスの伝令が届く事が出来ない時代となった。そして、ゼウスの下にいるピクロスでさえ、ゼウスと協力する事が当たり前のはずなのだが、まれにゼウスを裏切るピクロスが再生され、出現する事もある。ピクロスがゼウスを裏切り、ゼブロスに協力する事もある。
人類もまた、ピクロスのようにゼブロスのようになる心に変化が起きる時がある。
人類は同じ種でありながら、憎しみ妬みの感情の中で戦う事もある。
戦いによって勝利する事で、自己満足感を得るのだ。
裏切りと戦いを繰り返す世界は、赤い炎と黒い闇となって、全ての世界を染めていく。
そして、ゼラトウスは人類の世界や次元を超えた世界に残酷な試練を与える事を決めていた。
徐々に光の世界の動きは変わっていくと共に、闇の世界も変わっていく。
犯罪や自殺するものが多く成りつつある、この世界に闇の支配が拡がりつつあった。
闇の支配が拡がると、善と悪が無くなり、暗黒の魂が多くなる。
暗黒の魂は、人類を地獄へ導き、魔性の世界で魔物の邪気を創りあげてしまう。
現実の世界が9割としたら1割が人類の目に映る事の出来ない次元の世界となる。
魔物の邪気が創られ、闇の支配が拡がると、その割合が逆となり、現実の世界から人類が消えてしまう事になるのだ。
ゼラトウスは天国と地獄のどちらでもなく中立の立場でありピクロスとゼブロスを創りあげ、天国と地獄の仲介役を人類の中に創りあげている。
双子の命に絶対的能力を与え、その能力が目覚める為に残酷な試練を与えていく。
私達人類は、現実の世界にしか存在されていないと思う方が殆んどでしょう。
その現実の世界を歪める者の存在を信じる事が出来る人は極稀に少数で、この世で人から離れ、孤独という人生を歩んでいる事でしょう。
この世界に、もし「神」がいるとすれば、「天使と悪魔」、「天国と地獄」がある事でしょう。
この世界には、天使と悪魔が人間の身体を借りて存在しているとしたら、それを知らずに、人生を過ごせるのは「幸せ」な事なのでしょう。
私は大丈夫、天使でも悪魔でもない、そう思えますか。
自分の周囲を見回して見て下さい、誰もが幸せだと思えますか、誰もが幸せそうに見えますか、本当にそう思えますか。
目に見える現実だけで、生きられない存在もあると思えませんか。
誰かにすがり、助けを求めて、生きていく人達の姿を見た事はありませんか。
様々な宗教というものがあります。
しかし、宗教というものは何から作られたのか?その真実は誰かが様々に創りだしたと思えませんか。
世界中には様々な「神」の存在があると思います。
しかし、本当の神というものは、人々の心の中に宿り自身が抱き持つものだと思います。
13世紀以前から、迷信や伝説が各国各地に残されています。
「エクソシスト」「シャーマン」「北欧神話」「ギリシア神話」「エジプト文明」「黄河文明」「インダス文明」「メソポタミア文明」「マヤ文明」「アトランティス」等が、現実に存在していたとしたら迷信や伝説が現実なものになるのかもしれません。
未来には進化する人類の未来には、特異的な能力を持つ放射能による突然変異した人類(ミュータント)の存在があるのかもしれない。
私達人類は現実の世界に生きているのか?目には見えない次元の違う仮想空間の幻想世界でも生きているのかもしれない。