イノセンス

2011年01月13日 | 映画
『イノセンス』 (INNOCENCE)
押井守監督の日本のアニメーション映画。2004年3月6日に全国東宝洋画系で公開
見た日:2011年01月13日 (2回目)
ジャンル:警察もの、SFもの
感想:しばらく経ってから、忘れたころに見直すかも。

警察ものは、銭形平次(時代劇)から相棒まで、基本的になんでも好き。

異論はあるとは思うが、自分としてはアニメの「攻殻機動隊」が一番。漫画も借りて読んだが、皮膚の感覚素子が云々…がfocusされているなど、だいぶアニメとは趣が違う気が。映画版としては、ghost in the shellとイノセンス、そして、SOLID STATE SOCIETY の3本があるが、3本目以外は「外伝」的。まず、上司の荒巻の声が違う。雰囲気も違う。たしかにアニメ版では笑い男編と士人編では素子の性格が若干変わった気もしないでもないが、それは笑い男とクゼと合田の影響を受けたからと考えてもよい。

「イノセンス」は、引用句がとても多い。それらの組み合わせで形作られているストーリなんだろうけど、あまりにも多すぎる。先日見た「羊たちの沈黙」のときも感じたのが、このように、よくわからないメッセージをちりばめて別途マニア本(このイメージ)を精読しあとでジックリその謎を解くという手法は、その道の「博識」の方々を養成するにはいい手法なんだろうけど、「外部記憶」がなければそもそものストーリーの理解に支障がでるとなると、映画として通しでみるのはつらい。脚注がやたら多い本とか、哲学書(たとえばアウレリウスの「自省録」を読んだときのことを思い出した(その本は途中で投げ出したけど)。

また物語としてのカタルシスがなかった。事件は一応解決したみたいだけど、バトーは相変わらず不機嫌そうだし、守護天使は帰ってこないし。うれしそうだったのは、トグサの娘とバトーの飼ってた犬だけというのもすこし悲しい。

択捉の沖合いに浮かぶ工場に攻め入ったときに、白い皮膚の人形が暴走して襲ってくるシーンは、『アイ,ロボット』(I, Robot)を思い出さずにはいられなかった。一台のロボットに守護天使の「データ」が入って味方につくあたり。同じ年に公開ということだが、これは偶然の一致だろうか。どっちかがオマージュで使った?

クローバーフィールド/HAKAISHA (Cloverfield)

2011年01月09日 | 映画
『クローバーフィールド/HAKAISHA (Cloverfield)』
2008年公開のアメリカ映画。
見た日:2011年01月08日 (6回目くらい)
ジャンル:青春もの、パニックもの、怪獣もの
感想:また近々観ると思う。

# マイケル・スタール=デヴィッド(ロブ"Robert Hawkins")
# マイク・ヴォーゲル(ジェイソン"Jason Hawkins")
# オデット・ユーストマン(ベス"Elizabeth Mclntyre")
# リジー・キャプラン(マリーナ"Marlena Diamond")
# ジェシカ・ルーカス(リリー)
# T・J・ミラー(ハッド"Hudson Platt")

感想
ここ数年では一番好きな映画。
TVの中継映像で兵士たちが「あれ」の小さい方にやられるシーン、マリーナが殺処分されるシーン、B-2が爆撃するシーンが好き。最初は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の続編かとも思った。その後はゴジラっぽい怪獣ものかとも思った。この映画の怪獣はアメリカンです。日本のゴジラのように、怖さの中にかわいさが入り混じるのとは違う。
今回見たら、困難なになっても好きな女のところに助けに行くとか、ハッドがマリーナを想う気持ちとか、むしろ青春ものな気がしてきた。合間合間に挟まる、デートシーンもこの映画のスパイス、やはり、最後の「今日はいい一日だった」の台詞が薄気味悪さをかもし出している。


あらすじ:
911テロ後のニューヨーク。

日本で副社長になることが決まったロブのびっくり送別会を準備中。ハッドはビデオ撮影係を最初はめんどくさがるが、顔見知りのマリーナに話しかけるチャンスになると説得される。一応、みんなのお別れメッセージを撮るということで、マリーナにも話しかけるが、割とそっけない。

ロブが帰宅。surprise! その後、べスが他の男を連れて来場。ロブはベスと1ヶ月ほど前デートしたことがあったが、日本への栄転が決まってからは気持ちの整理がつかず、ずっと会わないままだった。そんな話を小耳にはさんだハッドは、みんなに「彼ら寝たらしいぜ」と触れ回る。「ロブ、お前は仕事はできるが、アホだ。あんないい女はtoo muchだ」と兄のジェイソンに説得されているところで、地震が発生。

TVをつけると、タンカーが転覆したという情報。みんなで屋上に上がったところ、爆発の衝撃で破片が建物に飛んでくる。急いで建物の外へ。自由の女神の顔が飛んでくる。ビデオにちらっと「あれ」が映る。遠くの建物が倒壊し、砂煙が巻き上げるのを回避するために、商店へ入る。そこで何か巨大な生き物がが通り過ぎるそばを通り過ぎる。

マンハッタンを脱出するため、ブルックリン橋に徒歩で移動。半分くらいわたったところで、「あれ」の尻尾が橋にあたって、橋が落ちる。ジェイソンは直撃。あとの5名は辛くも逃げる。ロブは、携帯の電池を入手するために電機屋へ。ベスに電話を掛けると「動けない」。みんなは止めるが、ロブはベスのアパートに助けに向かうことを決意する。途中、州兵が「あれ」に対してロケット砲などで攻撃している場面に遭遇する。

地下鉄の入り口に退避。ロブの母親からの電話。兄ジェイソンが亡くなったことを告げる。地下鉄を使って、ベスのアパートに向かおうとする。途中、真っ暗なトンネルの中で、「あれ」の小さい方に襲われる。マリーナが右肩を咬まれて負傷。側道の部屋に逃げる。部屋は地下街へ続いており、進むと、野戦病院にたどり着く。ロブはベスを救出に向かいたい旨必死で伝えるが、兵士は同意しない。青白い顔のマリーナが目から出血。医者によりその場で殺処分されてしまう。

動揺を隠せない彼らに、兵士は最悪の場合、マンハッタンごと消し去ることになること、そして、彼らに0600に出発する救出用ヘリに間に合うように指示する。彼らはベスのマンションへ向かうが、すでに傾いており隣の棟から乗り移るという方法をとる。エレベータがとまっているので階段で50階近く上る。ベスはパイプが肩の辺りに突き刺さっていて、動けない状態だった。

彼女を救出し、ヘリの場所に向かう。リリーが先に出発。ハッドとロブとベスは後のヘリで出発。B-2爆撃機が爆撃する中、逃げ切ったと思ったら、「あれ」の手がヘリに当たって、まっさかさま。セントラルパークに墜落。3人は逃げ出すが、ハッドが「あれ」に食べられてしまう。ロブとベスは逃げ切れず、小さな橋の下でやり過ごそうとする。そこへ空襲警報と、大きな衝撃。


参考;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89

私は貝になりたい(2008年版)

2011年01月07日 | 映画
『私は貝になりたい』
2008年公開の邦画。
見た日:2011年01月07日 (2回目)
ジャンル:戦争もの、家族もの、人生とは
感想:終戦の日前後にまた見たい。
人生のアップダウンを3回。いや、散髪屋の親方から駆け落ちしたときから数えると4回。

清水豊松:中居正広
清水房江:仲間由紀恵
西沢卓次:笑福亭鶴瓶

感想:
初めてみたときもDVDだった。たしか2009年ころ。
今回2回目、結末を知っている分、"change block"(死刑囚収容棟から一般の監房への移動)を言い渡されたときのみんなの反応が、悲しい。看守たちはどういう気持ちだったのだろう。自分が悪者になりたくないとか、みんなをがっかりさせたくないとか、いろんな気持ちで結局ウソをついたのだろう。看守たちも彼のことが好きだった。でも彼らも仕事なのだ。豊松が上官の命令で、アメリカ兵捕虜を殺そうとしたのと、看守である彼らが豊松を絞首刑にすることとは、結局同じ。違いは裁判(所詮戦勝国の軍法会議だが)を経たかどうかと命令書があるかどうか。B29から落下傘で脱出した米兵を処刑することが悪いと知りながらそれに立ち会ったのか、もしそうなら、なぜ上司に反論しないんだ と裁判で言ってたが、じゃあ、看守はもし豊松に非がなく、再審すれば判決がひっくり返ると確信しているとしたら、死刑執行を止めるべきだったのか。紙の命令書というエビデンス(後日さまざまな証明となる書類)があれば何やってもいいのか。
相手を個人としてどう思っていたかどうかについて、彼らは日本を爆撃し、多くの建物を破壊し、日本人を殺戮したが、もちろん志願兵もいたが、それも一種の仕事だった。
国家が戦争すると、このように個人の気持ちや考えは踏みにじられるのだ。

(マイケルムーアの華氏911でアメリカの志願兵は、そもそも所得の低い層で教育程度があまり高くないところからの出が多いという問題を指摘していた。マイケル・サンデル先生も著書志願兵についての議論をしてましたね。

また、自分に子供ができてから見るのとその前とではやはり実感が違う。
もしあの時代に自分が生きていたら、もしかしたら彼のような状況に置かれたかもしれない。そうしたらやっぱり悲しいよ。。

あらすじ
赤紙で召集されて、死の危険がある兵役にはいり、上官にしごかれ続けた戦争が終わり、散髪屋を奥さんと営んでやっと平和な生活が戻りつつあった矢先の逮捕。一方的な軍事法廷での裁判、そして、死刑判決。刑務所にいれられた時は、なんでそうなったのかを受け止められない気持ちと、同じ牢の大西三郎(草剛)が次の日の朝に執行されたのとで非常に絶望する。同じく死刑囚となった軍の上司である矢野中将(石坂浩二)からは謝罪の言葉と、この件は自分だけに責任があり部下は無罪であるという信念を聞き、少しお互い心を開くことができたが、そのあと彼も死刑執行されてしまう。その後、奥さんと子供2人が訪ねてきたころから少しずつ生きる希望を見出していく。再審請求の嘆願書集めに奔走する房江。目標の200通が集まり、また講和条約締結後には巣鴨プリズンがなくなり、戦犯自体も恩赦で釈放されるのではないかという話まで聞こえてきた矢先の、"change block"。そして、実は釈放ではなく、執行。ここで、もう一度希望から絶望のどん底へ突き落とされる。

何も知らずにひたすらお父ちゃんを待って、たくましく生きる房江と近所の人、ちょっとずつ成長していく子どもたちの描写がより悲しさを誘う。

中居正広、仲間由紀恵、はまり役だったと思う。
仲間由紀恵さんはもう魔性とかいわずに、この路線でいけばいいのではないでしょうか。
音楽がかっこいいと思ったら、やっぱり久石譲でした。
最後のミスチルの歌は不要。雰囲気壊れた。
久石譲BGMのエンドロールで締めてほしかった。

彼らの家の近くにあるとされる、たびたび出てくる緑でおおわれた断崖絶壁はどこだろうとみると、
隠岐がロケ地らしい。



羊たちの沈黙

2011年01月04日 | 映画
『羊たちの沈黙』(ひつじたちのちんもく、The Silence of the Lambs)
1991年公開のアメリカ映画。
見た日:2011年01月04日
ジャンル:警察もの
感想:また最初から見直したい。

クラリス・スターリング ジョディ・フォスター
ハンニバル・レクター アンソニー・ホプキンス

あらすじとマニアックな解説は下記リンクに任せるとして、

主人公のクラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)が美人。
弩派手なアクションなどはないが、話にグイグイ引き込まれてしまう。下記のようないろいろな解説などを見ていると、「あれは何だったの?」と疑問を持って、他の人に聞いて回り、何度か見直さないと全貌がわからないあたりは、detailや隠喩にこだわる日本人ウケしそう。雰囲気やFBIが出てくるあたり、ちょっとX-FILEっぽい。そうだ、クラリスって、スカリー捜査官に似てないか?上司も同じ人じゃないか?


----------参考リンク---------------------
http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/tanoshimu/dvd_090625.html
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=19207#1

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ネタばれ注意!あの映画のココがわからない


映画:羊たちの沈黙 あらすじ