大航海時代~ロイルート編~

大航海みたいな日々の事。そんな日のこと。

『この虹の先へ…』第十一回

2006-08-15 | 小説
 ――――――数十分後。
「うーん…」
むくりと身を起こす麗菜。
「わ、私…気を失って…」
ああ、と頷く。とたんに赤面する。
「ご、ごめんなさい。お恥ずかしいところを見せてしまって…」
「気にするな、兄妹なんだから。こちらとしては、麗菜がホラー系が駄目だって判ったから良かったよ」
あう…としょんぼりする。というか、さすがにいきなりあれは辛かったか。最近のゲームは凄くリアル感あるし。というわけで、今は格闘ゲーム中。そろそろ目が覚まさなかったら部屋に運ぼうと思っていたところだ。もちろん、兄とはいえ勝手に女の子の部屋に入るのは気がひけるから姉さんにも頼もうと思っていた。パチッとゲーム機とテレビの電源を切る。時計を見ると、午後10時26分。少し話す時間がありそうだ。しかし、それは俺にとって、だ。麗菜としては風呂に入るのかもしれないから聞いてみる事にしよう。
「どうだ、少し話でもするか」
俺の言葉にはいっと笑顔で頷く。さて、話といっても話題に困る。さっそくだが、今日出た話でもさせてもらおう。
「いきなりなんだが、友人達に麗菜の事話したんだよ」
うんうんと頷く。どうやら知られる事に抵抗はないようだ。
「で、長くなるんだが…」
こくりと頷く。うむ、ちゃんと人の話を聞く態勢でよろしい。
「麗菜をみんなに会わせる約束した」
…沈黙。時間的に数十秒あった。
「えっ?」
キョトンとする。反応が遅い。
「兄さんのお友達と私が、ですか?」
うむ、と頷く。途端に顔が赤くなる。
「そ、そそそそそんな、いきなり……っ!」
かなりの動揺。
「安心しろって。すぐじゃないんだから」
今の言葉で、ほっとする顔を見せる。
「まぁ、約束だけしたって話。いつにするかは俺達が決める事だ」
「そうですよね…。でも、兄さんのお友達はどういう方々なのか気になりますね」
笑顔。気になるのか…。あちらも麗菜の事気になっているわけだから、どっこいどっこいだな。気になるとしても、実際会うとなると話は別だろう。それには、まず身近な俺ともう少し親しくならないと駄目だろう。普通に会話しているように見えるだろうが、麗菜はまだぎこちなく俺を直視できていない。すぐに目を逸らしてしまう。年齢の問題もあるだろうが、せめて一般的な兄妹のようにお互いの目を見ながら話したい。
 それからは、ドラマや音楽など趣味系の話になった。麗菜は、恋愛やほのぼのしたドラマが好きで逆にサスペンスは駄目らしい。音楽は主にJ-POP、クラッシック。アニメソングもOKなようだ。時刻は午後11時6分、一区切りついたところで、お開きにした。麗菜が出て行った後、しばらく漫画で時間を潰し麗菜が風呂から部屋に戻ってから風呂に入って歯を磨いてベッドに入った。
 今日も慌しかったが、明日はどうなる事やら…。
                 続く