大航海時代~ロイルート編~

大航海みたいな日々の事。そんな日のこと。

『この虹の先へ…』第十回

2006-08-05 | 小説
さっそく、麗菜はテレビ画面を見る。主人公が画面の真ん中に立っている。ゲームはちょうど音が切れたところだった。きっと、これからイベントが発生するのだろう。そんな事は分からずに?顔の妹。
「これ、ゲームですよね」
さすがに、ゲームというのは分かるか。どんなゲームなのかは分からないだろうが。それを知りたいのか、テレビから少し離れた位置に座りじっと画面を見る。
…………ようするに、プレイを続行してくれという事らしい。その表情は真剣だ。よし、お兄様としてそれに応えてやろうではないか!もしかしたら、ホラー系好きかもしれないしな。俺も定位置に座りコントローラを手に取る。
 一本道の薄暗い通路を進む主人公。その薄暗い通路も進むにつれ、明るくなっていく。そして、明るい広間へと出る。そこで、画面が切り替わる。ムービーだ。男前の主人公が、キョロキョロとしながら中央まで行くと、突然2階みたいなところから化け物が降ってくる。
「ひっ!」
と、隣で声がした。麗菜だ。そりゃ、突然化け物が降ってきたらびっくりするよな。主人公の身長を1.5倍くらい上回っている人型化け物はバキバキと姿を変え、さらに大きくなり腕がもう一本背中から生えた。まさしく、ボスだ。
「あ…あ……あ…」
横でカタカタと震えているのが分かる。ボスは『ぐおおおおぉぉぉっっっ!』と声を上げる!画面が切り替わり、ボスが襲い掛かってくる!
「……きゅ~…」
バタリと音。ん?何か倒れる音がしたような…。メニュー画面を開き、隣を確認する。見事に青くなりながら倒れている麗菜だった…。
           続く