☆IZO@青劇☆

2008-01-14 | Play
荒神以来、心底お待ち申し上げておりました。


技術的には相変わらずヘタの部類。
序盤の動きはいまひとつだし、台詞回しも土佐弁に助けられてる部分が大きかろう。

それにしたって

森田剛、立派に殺人機械である。

よく事務所が許したなと思うくらいフツーに陰惨だ。
御馴染の<笑って楽しめる新感線>とは異なる意図を以って企画されたこの公演は、想像しなかった重さ暗さそして哀しさに満ちており、その空間で主役を張るゴォつんは生来の憂いを存分に放熱させている。
メランコリアを感じさせるジャ●タレは何人もいるが、ゴォつんの場合それがいつまでたっても(三十路を前にしても!)御しきれない爆弾として彼の内にある感じが独特だと思う。例えば堂本剛には賢さ/賢しさに根付いた病的な何かがあり、大野智にはどこか図太く飼い慣らされた孤独がある。ゴォつんは病的というより狂的で、やはりそこにはある種の知性の欠落(失礼!)を見ずにはいられない。

青木豪の作品は初めてだが「言葉」の扱い方に執念燃やしてそうで惹きつけられた。無学の徒・ゴいや以蔵が、卑しい人斬りに『攘夷』『天誅』という「言葉」を与えられて有頂天になるくだりは出色。
泣ける。あまりにせつない。
さらに、理不尽な旧習を打破するとか夷荻のシンパを排除するとか、そうした大義を失ってからの殺戮に凄味を増すゴォつんがスゴい。このまま向こう岸へ行ってしまって、千秋楽過ぎても戻って来れないかと不安になるほど絶望的に非道である。
ヒーロー(アンチヒーロー)がただ敵対勢力をバッタバッタと薙ぎ倒すのとは訳が違うのだ。舞台でも映画でも、ゴォつんにはこれからますますいろんな芝居をやって欲しい。

戸田恵梨香もよかった。私がこれまでジャ●演劇で観た女優の中では一番よかったのでわなかろうか(大竹しのぶは別として)
当初は半分「圭哉とデート」なつもりで出かけたのだけど、私の愛する<壊れてるほうの圭哉君>じゃなかったので、そっちの萌へ加減は低め。


難を申せばちょっと長すぎかと思う。場面転換せわしないのに冗長感があるってどうゆう事よ(苦) もう少しタイトだと確実に涙1リットル増し。
あと劇中の音楽が何か幼稚だ。わかりやすくしすぎでは。
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客入れのBGM、今回は知らないやつだった。
客「出し」の
NOTHING ELSE MATTERS/METALLICA
はパーフェクトチョイス(笑)


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