『ろばや』のブログ

現在このブログは更新を停止しています。最新情報はホームページをご覧下さい

上野長一さん…無農薬の周辺

2014年06月25日 | 生産者
 二十年以上の長い間、農薬・化学肥料を使わない農業に取り組んでいる上野長一さんの田んぼ。ここから食べ物を頂いているのは私達だけではありません。冬の田んぼに水を張る「冬期湛水」を始めてからはシベリアから白鳥御一行様が飛来。どうやって上野さんの田んぼを見つけるんでしょうね。その他にも慣行農法では「害虫」扱いの虫や、「食害」の犯人のスズメなども多数やってきます。オーガニックライフを満喫できる上野さんの田んぼは、たくさんの植物、生き物達で千客万来状態なのです。




 これは農家の側から見れば作物の収量にも影響する、非常に「タイヘン」なことだと思うのですが…。幸い、いつも上野さんを悩ませている超強力な雑草「クログワイ」は今年、事前の対策がうまくいって、少なそうだとのこと。それにしても生き物たちの「のびのび」ぶりにはうらやましさすら感じてしまいます。

 そんな上野さんの田んぼは生物の研究者から見れば貴重な「フィールド」。皆さんは「魚道(ぎょどう)」という言葉をご存知でしょうか。読んで字のごとく、魚の道。実は昔、水田は魚類の産卵・生育の場としての機能があり、フナ、コイ、ナマズ、メダカ、ドジョウなどの魚たちが田んぼと水路、河川の間を自由に行き来していたそうです。近年、水田や水路の整備が進んで、田んぼと水路の間、水路の途中にも高低差がつけられたのですが、その結果、魚たちが行き来できなくなり、個体数が減少しているそうなのです。信じられないようですが、メダカはすでに絶滅危惧種。

 「水田魚道」は田や水路の中に魚が遡上できるような道を敷設し、生物多様性を復活させる方法として注目されているそうですが、今回は上野さんの田んぼの「魚道」は写真を撮り忘れてしまいました。しかしネット検索すると、魚道調査で「上野水田」とか「上野遡上区」と出てくるのは、上野さんの田んぼのことのようです。<こちら>のリンク先には上野さんの田んぼでの調査風景がたくさん載っています。ぜひご覧ください。

これは「ヤゴ調査」の写真。ポールで囲まれた面積の中で脱皮したヤゴの殻の数を上野さんが毎日数えているらしいです。


草いっぱいのあぜ道は私達から見ると牧歌的な風景ですが、田んぼに雑草が増える原因にもなるし、根が張ることで畦が傷むわけです。


タガメの卵を発見。初めて見ました。タガメの親は稲に卵を産んだ後、時々卵に水をかけにくる、って知ってました?最近小学生達が来たときに親タガメをあげてしまったから、この卵は駄目かもなぁ~、と上野さん。



「原爆稲」。長崎で被曝したイネの子孫。見た目は普通の稲と変わらず、きちんと育つけれども、通常の半分以下しか「実」が入らないのだそうです。食用にはなりませんが、上野さんは核兵器や戦争の悲惨さを後世に伝えるため、毎年この「原爆稲」を育てて種を更新されています。




(おまけ)かえるシリーズ

おたま→かえる移行中。


広々。


とてつもなく脱力したカエルを発見。死んでるのかと思うほど。


おかしなポーズをとってます。この姿勢をしばらくキープ。


スイ~と遠ざかり。


またポーズ。これを繰り返してました。



最新の画像もっと見る