ねこブログ ろばのみみ

突然やってきた二匹のねこ、茶とら「との」と三毛猫「ひめ」との暮らし♪&TEAM NACS♪THE ALFEE&MTB

瀬戸内晴美著 幻花 読了

2016-02-01 19:20:17 | アート・文化
先日行ってきた横尾忠則氏の挿絵の本「幻花」が気になりまして・・・。



密林さんで探したんですが、文庫は少しあるけどハードカバーは見当たらない・・・。
流石に40年前発行のハードカバーは難しい(^^;
でも、装丁が素晴らしいし出来る事ならじっくりと手に取って眺めたい。

で、図書館へ行くと有りました有りました、バックヤードに(笑)
しかし40年前の本とは思えない素晴らしい保存っぷり!やるな門真図書館(笑)




実は瀬戸内女史の本は寂聴になってからのエッセイを少々・・ぐらいしか読んだ事がなくて。
私の瀬戸内さん像は男女の恋愛ドロドロ小説家というイメージ(失礼^^;)
この本がそうだったらやだなー(ドロドロ超苦手^^;)とおそるおそる読み始めたのですが
幻花は全然そんな事はなかった!
なんというか・・・ちょっと柔らかい司馬遼太郎氏的な感じ(^^)
さくさくいける。


ざっとあらすじですが・・・
室町期を生きた少女の手記を現代の作家が発見して、それを読み解いていく・・・というのが流れ。
時代はあの応仁の乱前後の激動の京都。
と呼ばれる最下級の少女「千草」が自身の身におこった波乱の人生を綴っていきます。

彼女はあるきっかけで今参りの局のおそば付き侍女になりまして、
庶民ではなく貴族の中から、庶民の目で日々を淡々と記録しているんですね。
だからとても面白い。
日野富子とお今の角付き合いとか、将軍義政とか
歴史の本のステレオタイプな人物像や事件ではなく生身のまさに知り合いの話を聞くような、
普通に身近な感じでその時代に感情移入が出来るというか。
時々現代に戻って作家が独り語りにその時代を説明するので分かりやすいし。

もう40年も前の本だし、気にせずガンガンネタバレで書いちゃいますよ。

最後の十数行でやってくれますこの本(笑)
大どんでん返し!!!と言う事ほどではないし、別にひっくり返るわけじゃないけど
おいっ!!と盛大に突っ込みたくなる「オチ」ww

なかなか粋な終わり方でした。

☆みっつ♪(笑)