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ファーム・レラの大雪山麓・東川暮らし

自然養鶏とカフェを営むファーム レラのちょいパーマカルチャーな日々
2015年からはお米つくりをはじめました

箱の中はお母さんの代わり

2007年09月12日 | 鶏さんたち
 今日は盛りだくさんの一日。鶏舎の屋根材が新潟から、金網が大阪から到着。それに200羽のひよこが十勝から到着。おまけに阿部首相がこんなタイミングで退陣。最後まで理解しがたい思考回路だった。
 一昨日から用意してあったひよこの育雛箱の中にひよこを迎え入れる。畳を約2枚縦につないだサイズの囲いに籾殻を広げてあり、その一角に半畳分の保温箱を置いてある。箱の中は親鶏の代わりなので、床からの発酵熱と裸電球で30度以上に保温してある。
 午後1時に長旅から着いたひよこに水と玄米を与えてしばらく観察。数羽元気の無いひよこがいたが、先ほどの観察ではもう落ち着いたようだ。面白いもので、元気なひよこは目が黒くてオメメパッチリ。元気な子供と同じで、走り回ったかと思ったら疲れて床でうとうと眠り始める。うーん、かわいい。親になると憎たらしいときもあるけど、ひよこは掛け値なしにかわいい。仕事を忘れて何時間でも見ていたいほど。
 かわいいけど、これから2ヵ月が勝負。何かの弾みでびっくりするとみんなで固まって踏み潰しあって何羽も死んでしまう「圧死」があったり、ネズミや猫に襲われたり、コクシジウムという原虫に腸をやられて全滅したりする可能性もある。
 とくにコクシジウムからの被害をなくすために地面から離してケージという檻で飼う飼養方法が確立されたほどの厄介者だ。ファーム・レラでは抹殺の論理でなく、共生の論理でこのコクシジウムと付き合うのでかなりきわどい事態にもなりうる。無菌豚のように特定の病原体がいないように隔離するのではなく、鶏の健康に被害が起こらない程度の病原体の数に抑えるとともに、乳酸菌や納豆菌、地元の土壌菌で鶏のお腹の中のバランスを崩さないようにしている。
 市販の薬を使うとこの恐怖心から開放されるのだから薬に頼る気持ちもわからないではない。しかし、この緊張を乗り越えることで鶏はより丈夫になるのだ。あらゆる生きものは、試練を乗り越えることで生き延びる力を身に着けていくようになっているように思えてしまう。

 頑張るぞー、ひよこちゃん!

 あっそうそう、小屋も建てるから。