レポートバンク

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カフェ市場の直近トレンド

2021-06-17 18:47:00 | 企業分析
COVID19は未だに警戒すべき状況だが、世界に目を向けると、人の動きは全体では、もとの状態へと回復しつつあるようだ。
人の動きの傾向を掴むのに指標となるビジネスの一つはカフェビジネスの動向だと考えているが(外に出なければ使われないから)、そこでは海外の回復が見られるのだ。

スターバックスの2021年1ー3月の財務内容が公式サイトで公開されているが、
これによると下記の回復が見られる。

・2020年1-3月には、北米大陸での売上が約43億ドルだったのが、2021年1-3月には売上約46億ドル
・2020年1-3月には、北米大陸以外での売上が約11億ドル且つわずかに営業赤字であったのが、2021年1-3月には同地域で売上約16億ドル且つ約2.5億ドルの営業黒字と大幅な回復
・この1年間で新たに北米以外で1,044店舗オープンしており、増収増益に貢献
(ここには出ていないが、アメリカの有価証券報告書にあたる10-Kで、2020年9月末に世界全体で32,000店経営していることが明らかにされている)

COVID19が終わって既存店の業績が戻っただけでなく、新たな店舗も世界で増やすようになっているのだ。

日本ではどうか?
まず国内カフェ会社として最大のドトール・日レスホールディングスをみると、ドトールコーヒーについて6/17現在で月次開示が2021年2月分まで出ており、その開示資料をみると

・2021年2月も前年比で月間で売上・顧客数とも約3割のマイナス
・さらに遡ると、2020年1月から全ての月間業績が前年比でマイナス

と全く回復出来ていないように見える。
しかし続いてコメダホールディングスの公式サイトに行くと、6/17現在で2021年5月分まで月次資料が開示されており、コメダ珈琲店の業績は

・2021年2月では卸売売上(コメダホールディングスからコメダ珈琲店への食材等販売額)が前年比96.4%とマイナス
・しかし2021年5月には前年比138.7%、前々年比101.9%と回復
・2021年4月について言えば、前年比194.8%と大幅回復

であり、人の動きは日本でも2021年春あたりから回復しつつあることが推定される。

カフェ利用者の回復のトリガーが何かと考えると、他国のワクチン普及のニュースから、「ワクチン接種で安心して外出できる人が増えること」ではないかと思う。
日本の回復がやや遅れているのもワクチン接種が遅れているからだと考えると筋が通る。つまり外出者増加・飲食業回復のカギは業績をみてもワクチン普及と考えられるのだ。
このままワクチン接種が速やかに進んでほしいと思う。

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