WoodSound~日綴記

山のこと、川のこと、森のこと、その他自然に関することをはじめ、森の音が日々の思いを綴ってみたいと思います

夏が終わる

2017-09-03 | Music




年を取るほど夏が嫌いになっていく。
昔は日光が、暑さが、そして粗雑な感覚が好きだった。
年を取っていくということはこういう感覚から疎遠になっていくということ。
夏が終わっていく。

それはそれで寂しい。

必ず夏の終わりに鑑賞するコンサートビデオ。
ユーミンの逗子マリーナでのサーフ&スノーの2002年のもの。

初めてという言葉はユーミンにとって普通。
初めて四畳半ソングを作った…
初めてコンサートにサーカスやシンクロを持ち込んだ…
そして初めてリゾート地でのコンサートという概念を持ち込んだ。
冬は苗場で、夏は逗子で。

やっぱり人々を心底から楽しませようとする、
エンターテインメントの天才はすごい。

そして、この2002年のコンサートは逗子でのコンサートは秀逸である。
選曲がいい。

鳥肌が立つくらいのオープニング
  「心のまま」から始まって
  「Sunny day Horieday」
  「入江の午後3時」
  「紅雀」
  「ハルジョオン・ヒメジョオン」
  「TYPHOON」
  「だたわけもなく」
  「ずっとそばに」
  「9月の蝉しぐれ」
  「サンドキャッスル」
  「恋の一時間は孤独の千年」
  「さまよいの果て波は寄せる」
  「月夜のロケット弾」
  「さよならハリケーン」
  「満月のフォーチュン」
  「September Blue Moon」
  「星空の誘惑」
  「埠頭を渡る風」

  「Hellow,my friend」
  「青春のリグレット」


そして
最終アンコールは
  「晩夏」

夏の真っ盛りよりも、
ゆく夏の寂しさ、侘しさを捉えた曲が多い。

中でも、今日は「9月の蝉しぐれ」の
歌詞を掲載したい。


     ありがとうと云える日
     来ることなんてないと思っていた
     どうして どこから
     この電話をくれたの

     ゆずれなかった恋に
     卑怯に見えたあなたの沈黙が
     どうして今では優しさに思える

     おしえて大人になるっていうのは
     もう平気になる心
     死にたい程傷ついても
     なつかしいこと

     学校の坂道の下のバス停
     まだ夏服着てた
     いっしょに帰った9月の蝉しぐれ

     哀しい なきやんでしまわないで
     ああ 一途な面影よ
     深緑がまたひと刷毛
     薄れるみたい

     おしえて大人になるっていうのは
     もう平気になる心
     死にたい程傷ついても
     なつかしいこと



誰でもわかるキモは


「大人になるっていうのはもう平気になる心」


ここでユーミンは人がおとはになる過程で失っていく、
こころの様を歌っている。
それは妥協であったり、無関心であったり、
興味が薄れていく様子。


もう一つ、素晴らしいなという表現。


「深緑がまたひと刷毛薄れるみたい」


これはもう何とも言えない。
夏という濃いものがだんだんと薄れて秋になっていく。

そんな寂しさをこう真っ正直に伝えられるところがすごい。

夏が過ぎいくあはれを感じたいユーミンのファンは、
絶対にこのDVDを手に入れて、夏の終わりの感傷に浸るべきである。

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