WoodSound~日綴記

山のこと、川のこと、森のこと、その他自然に関することをはじめ、森の音が日々の思いを綴ってみたいと思います

フライフィッシングと映画の疎遠なる関係

2019-04-09 | Flyfishing
先日観た映画の「バイス」にはフライフィッシングの
画像が結構出てきた。

主役のディック・チェイニー副大統領が、
ワイオミング州の出身で川でフライをしている映像が度々映し出された。

決して上手なキャスティングではなかったが、
それなりの雰囲気が出ていた。

そしてエンドロールのバックに映し出されたのは、
爆弾なんかを模したありえないほど醜悪なフライパターンの数々。
これで一体何が釣れるのだろう?

この映画は釣り好きの人が創ったに違いないと思っていたらやっぱり…
制作の一人にブラッド・ピットの名前があった。

ブラッド・ピットと言えば、言うまでもく
「リバー・ランズ・スルー・イット」。

私たちの世代のミーハー
(最近の若者にこの言葉を言ったら
通じなかった。ご注意あれ。ご同輩…)な
フライフィッシャーは、
誰もがこの映画に憧れてフライを始めたと言って過言でない。

観終わって直後は
あぁ、フライフィッシングが出てきてるし面白かったなぁという感想しかなかったが
2~3日経ってこの映画のフライフィッシングとの関係について考えてみた。

釣りをご存知ない方もいらっしゃるかと思うので、
少し込み入った説明になるがお許しいただきたい。

フライとは本来水性昆虫を模した毛針のことで魚が普段食べているものや、
バッタやセミなどの昆虫、そして小魚、時にはカエルなんかを模したのを
いかに自然に流して釣るかという釣りである。
魚の好奇心を誘って釣るルアーとは少し違う。

つまり人と魚の化かし合い。
魚の立場に人が立ってみれば、
毎朝食べているハムチーズトーストの中に
誰が仕込んだか針が隠されていて、
普段通りに食べてしまったら釣られちゃいましたというようなこと。

あるいは仕事帰りにソース二度漬けお断りの串カツの良い匂いに誘われて、
ついついちょっと立ち飲みしていたら串が釣り針に変わっていて、
アイタタって感じで釣られちゃいましたというようなこと。



こういう意味を考えるとこの映画でフライは何を意味しているかというと、
フェイクな情報を垂れ流して、イラク戦争に持ち込んでいった
チェイニー副大統領が大量破壊兵器などのフライで、
アメリカ国民を日常的に騙して釣り上げましたという図式が浮かび上がる。

なんとなくこの文章を書いていてそうだそうだと悦に入りながら
もう少し言うと、チェイニーは何度も心臓発作を起こして病院に運び込まれ、
心臓の手術をして生き延びた。

心臓を模したフライパターンも出てくるが、
さしずめこれは心臓手術によって瀕死の淵から生還したことによって
人々の哀れみの関心を買ったことの象徴なのか。

考えれば考えるほどフライとこの映画の関係はなかなか興味深いものとなってくる。

ワイオミングといえばモンタナの南にある州。
モンタナと言えば「リバー・ランズ・スルー・イット」。
そして監督のロバート・レッドフォードは民主党支持者と連想は巡りめぐって…。

フライが出てくる映画としては、もう一本。
「砂漠でサーモンフィッシング」というユアン・マクレガー主演の映画があった。
アラブの大富豪が「イエメンでサケを釣りたい」という
ワガママに応えるために奔走する人たちを描いたコメディなドラマだった。

他には…思いつかないなぁ

あまり題材になることはないフライ・フィッシングと映画の関係。

他にこんな映画にフライ・フィッシングが登場しますよというのがあれば
お教えいただきたい。
ぜひとも観たいと思います…

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