はじめての沈黙

いつだってあなたに
なんでも伝えてきたあたしだけど
言わないことでだいじにしたい想いが生まれたのです
はじめての沈黙をどうか受けいれてください

星が流れた

油断してたら星が流れた

瞬きの隅の残像が綺麗で不意に泣きたくなったんだ

ベランダ深呼吸

こんなに朝が素敵だって知らなかった
君の煌きはすべてこの中に詰まっていたんだね

ベランダ深呼吸　世界が手招くの　
今日も君と生きてく無数の答えのひとつを探そう　

言葉は不思議

棘でも
ナイフでも
淡雪の白さでも　
薄紅の花びらでも　
嵐の晩の叩きつける雨でも
二人で歩く散歩道の朝露でも

言葉は不思議　
はかなくしなやかな生き物
あなたそのもの遥かなもの　

螺旋階段

手に手をとって
螺旋階段をのぼっていく
はじまった日の情熱を
たやさずにふたりのぼっていく

耳をすませて

聞いていなかったものには
だいじな鍵が隠されていたりして

耳をすませてよそれから返事をしてよ　
「言葉じゃなく」なんて言い訳をしないで

わたしずっと待っていたの
だけどもう待てないの

背中を向けたとたんに掴まれた腕の痛さ
かなしいかなしい黄昏の只中の眩暈

よあけのばら

もともとあたしわかりやすくなっているんだわ
むずかしくできない　にじいろのシンプルめざす

ひらがなのひらひら　メレンゲのドレス
どうしようもなくはかなくたってこわれそうだって
えいえんにそめたならぎんのよろいになる

ほしいものをこころにうかべて
ほんとうになるまほうさがしてね
あなたしだいってもうわかってるでしょう？

となりでねむるしあわせを
てをつなぐときめきを
カゴからとびたったことりのように
よあけのばらでむねいっぱいよろこんで

新緑の海

新緑の海　人魚の魂で見上げる木漏れ日
後ろへ過ぎ去った季節を微かに撫でていく　
悲しみで前を向いたら涙の石ころで躓くだろう　

心を掬いとってきたのはボロボロの自分　
揺れる葉に見出された鱗がきらきらと光りだした
あるがままでいけばいい何も塞がないでいい

かさなる唇の記憶
永遠より向こうの国から
つながっていたんだね　

新緑の海　緑と青の呼吸のグラデーション
目覚めていく朝にあなたの声がしていた