山王アニマルクリニック

日々の診療、いろんな本や音楽などについて思い巡らしながら、潤いと温もりのバランスを取ってゆこうと思います。

犬の外耳炎

2017-07-07 19:45:34 | 診療よもやま

さて、このワンちゃんの耳…ひどい炎症ですね……細菌が繁殖しているため、悪臭も放っています。

この子は、もともと慢性の外耳炎だったのですが、ネット上ですすめられていた市販薬を使った自己流療法をためした結果、さらに悪化してしまったのです!

「肩こりは幽霊のせい…」などと書かれていて問題となった医療情報サイトWELQだけでなく、ネットはあやしい情報やステルス・マーケティング(広告費を払って有利な口コミなどを書かせたりして、宣伝と気づかれない形で宣伝行為をすること)だらけなので気をつけて下さい。

これは当院で最先端ではない基本的治療をして1週間後の写真です――悪臭もだいぶ治まってきました。

こういう症状の時のポイントは刺激を与えないことですね――あせって強い刺激で耳掃除などをやり過ぎ、さらに悪化させているケースがあるので要注意!

 

まあ、ワンちゃんの外耳炎は慢性化してしまうと、ある内科的な治療を何回かしたら完治!(もう一生何もしなくてもOK!)…という感じではないケースが多いのです。

動物病院での治療により、最初は効果があってかゆみなどをしばらく止められても、結局は再発してお金ばかりかかったりすると、自己流で何かしたくなるのかもしれません。

なかなか難しいのですが…こういった自己流の方法を安易にネットへ書き込めるほどポジティブな方は、全然よくなってなくてもよくなっていると思えちゃったり?――もともと軽症だったケースも!? 

動物病院での治療が費用の割に??…で自己流の方が「安い!」という意味でよく感じられちゃったりしているような?――この辺は我々サイドにも問題が……。

これはどちらもよくあるパターンで、自分の願望にそったものしか見えなくなってしまう…という意味で共通しています。

良い情報を発信している方も極まれにはいるでしょうが、より謙虚な形で発信しています)

 

レベルの差こそあれ、わかっているつもりな人ほど陥ってしまう傾向なので、お互い気を付けましょう! 

 

外耳炎対策については続きを書く予定ですが、このブログも結局は軽~いネット情報――指だけ動かして画面を見ていても真偽はわかりません。

書きたくても書きにくいこと、書き方によっては誤解されてしまうことも多く、いろいろ矛盾した方向へいってしまいますね…さて、どうしましょう?


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