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読書のよもやま(2025.03.17)

2025-03-17 | 雑文
「江戸川乱歩座談」江戸川乱歩(中公文庫)

1900年代前半の推理小説、探偵小説家で
ある江戸川乱歩の6つの座談、7つの対談鼎
談を集めたもの。

といっても、自分は江戸川乱歩の小説を読ん
だことはなく、じゃあ、なんで本書を買って
読んだかといえば。

単に、対談モノが好きということと、この時
代のこうした文化(系の)人の対談が好きと
いう理由。

であるからして、特に同職業(推理探偵小説
家)が多い座談は、諸外国ふくめ人名も書籍
名も、まあ、わからない。

とはいえ、それはそれとして記号として受け
入れれば、この時代の考え方、様子を楽しむ
ことは十分できる。

この時代、これらの職業の方々は、江戸川乱
歩を筆頭に、(本場欧米とも比較して)日本
の推理探偵小説の未来を危惧している。

どうすれば本格ふくめ、よりよい新しい作品
が、作家が生まれ、ジャンルが成長して、フ
ァンや読者が増えるのか。

座談では、ほぼそのことを命題に、温度差は
違えど、座談が展開される。

一方、対談鼎談は、人毎にテーマは異なり、
推理探偵小説は題材に、個性的な話が多く展
開される。

「新青年」歴代編集長座談会では時代の流れ
を、小林秀雄との対談ではAIについてを。

長田幹彦との対談では、心霊や超能力の話を、
佐藤春夫と城昌幸との鼎談では、樽の中に住
むという謎の計画の話を。

これだけ話題が様々であれば、一つくらい楽
しめるだろうし、自分は乱歩が心霊も超能力
も信じず、面白がるのが印象に残っている。

推理探偵小説が好きで、黎明の主要作家も好
き(でなくてもいいが)で、知識もあれば、
一番楽しめるのは間違いがないが。

知識などなくとも、あの時代の、戦後日本の、
新たな文化の成熟の雰囲気を十分に楽しめる
アンソロジーとなっている。

目的はそれぞれ、興味と(400ページ越え
なので)お時間のある方は、いかが。


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