スラムドッグ$ミリオネア見てきました~
面白かった!!
ダニー・ボイル監督作品は、「ザ・ビーチ」しか見たことなかったのだけれど・・・
とにかく。見終わったあと、チングと2人で満足感に浸りながら、
「面白かったね~」と心地よい土曜の夜を過ごすことができた~っ
スラムの描写。凄い。映像と音楽から、伝わるムンバイのエネルギー
そして。ストーリー・構成がわかりやすくて良い!
見ていて混乱がない。独特の音楽が、頭に残る~。
ピュアな愛がまたまた。心にぐっときた~。
とにかく。見る価値有り アカデミー賞8部門受賞。納得~
=2009/04/26付 西日本新聞朝刊=
◆スラムドッグ$ミリオネア (英国、2008年) ガンガン攻めるダニー・ボイル
クエンティン・タランティーノの「パルプ・フィクション」があまりにも鮮烈だったせいか、あの時代、ちょっとでもオフビートがかった映画監督はみんな十把ひとからげに見ていた。ガイ・リッチー、コーエン兄弟、そしてダニー・ボイルにもタランティーノの面影を追い求めていたような気がする。コーエン兄弟の近作「バーン・アフター・リーディング」なんて、いまだにあの時代にとらわれている精神をまざまざと見せつけられたようで、笑えるというよりはむしろ悲しくなってしまった。
そんななかにあって、ダニー・ボイルだけは常になにかを模索してきた印象があるのだ。「トレインスポッティング」の大ヒットにあぐらをかかず、ガンガン攻めてくる。最初にそう思ったのは「ザ・ビーチ」だった。あの作品のなかで彼は楽園を探し求める若者たちの理想と挫折を描き、いとも簡単にトレスポを過去のものにしてしまった(なぜだか俺のまわりでは評価が低いのだけれど)。なかなかできることじゃない。だってトレスポ路線でもうちょい粘れば、あとひと儲(もう)けできるのは間違いなかったのだから。
今作はこれまでのダニー・ボイル映画の集大成だと俺は言いたい。きちんとしたテーマがあって、しかも映像がヤバイくらいオシャレなのだ。ムンバイ(旧ボンベイ)を舞台に選んだのも心憎い。なんといっても、かの地はいま世界中でもっともホットな場所のひとつなのだから。
あのおなじみの人気番組、クイズ・ミリオネアに出たジャマール(デーヴ・パテル)が詐欺疑惑をかけられて拷問されるところからこの物語ははじまる。スラム育ちの彼が最終問題までこぎつけられたのが疑惑の原因だ。ジャマールの悲惨な人生とクイズの答えがシンクロしてゆく形で、この映画は突っ走る。母の死、人さらい、飢え、盗み、殺し。ジャマールが疾走するスラムの描写は「シティ・オブ・ゴッド」を彷彿(ほうふつ)させるほど圧巻だ。そして、彼がクイズ番組に出た本当の目的とは―必見!
(作家、福岡県在住)
▽公式サイト http://slumdog.gyao.jp/