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[閉店] 醤屋 (2)

2005-05-10 00:02:54 | ラーメン店調査 (51~55点)
■■ 閉店しました ■■

原稿を書いている内に無性に「醤屋」のラーメンが食べたくなって仕方がなくなってしまったので、立て続けに同じ店を訪問することは少ない私ではあるが、ついつい、馬込まで足を延ばしてしまった。今回のターゲットはこれまで食べたことがなかった「紫」か「海物語ラーメン」。

店に到着した時に見た「海物語ラーメン」の写真がしっくりこなかったので、無難に「紫」をオーダーすることにした。もちろん、サイドメニューの豚めしを併せてオーダーすることも忘れない(今回は「大盛豚めし」をオーダー)。

出てきた「紫」は、非加熱本格生醤油を用いた「黒」よりは幾分スープの色は薄いが、「白」よりは幾分色が濃いといった感じのもの。私の右隣の客が「黒」、左隣の客が「白」を頼んでいたので三者の違いがよくわかった。

三者のちょうど中間的なスープを用いた「紫」はビジュアルそのものはごく標準的な醤油らーめんといったテイストであり、「もしかするとこれが醤屋のスタンダードなのではないのかなあ」とふと考え込んでしまった。もっとも、私以外「紫」を頼んでいる者など誰もいなかったのだが。

スープは、「黒」よりはかなり癖が抑えられてはいるものの小豆島の醤油のほのかな甘みが嫌味なく食べ手に伝わってくるような燻銀的な秀作。あまりこれといった特徴がないため衝撃的に旨いといった種類のものではないが、しみじみと旨い。「紫」には刻み玉葱は入っているが焦がしネギは入っていない。

スープを飲み進めていく内に小さなエビの破片を発見したが、ひょっとするとエビを素材として使っているのだろうか。全く気が付かなかったが。

少し硬めに茹でられた細ストレート麺とスープの相性は「黒」と同じく頗る良好。が、醤屋の唯一の欠点(?)である麺の分量に較べてスープの量が多いことが「紫」ではより一層顕在化する傾向にあり、麺を食べ終わった後に残してしまったスープを最後まで飲み干すことには若干苦労した(結局完食はしたが)。決して単独で飲み干すことができないスープではないのだが、「黒」や「白」のような際立った特徴がないだけに「飲みたい」というインセンティブが湧かないといった側面があることは否めない。

「黒」や「白」が誰にでも判るような衝撃的な旨さで食べ手を魅了するものだとすれば、「紫」は東西南北の様々な種類の醤油らーめんを食べ尽くした者だけがわかるような旨さを持っている。いわば「玄人受けするラーメン」とでも言えるのだろうか。

評価は「紫」で麺:13点、スープ:16点、具:5点、バランス:8点、将来性:10点の合計52点。

スープは確かに非常に旨く、これはこれで「ひとつの完成されたスタイル」なのだろうけど、「黒」よりも突き抜けたものがない分評価は若干下がる。麺は「黒」と同じものを同じ製法で提供しており、そうであれば「14点」とすべきなのであろうが、僅かに「紫」に使う麺としては完成度が下がるような気がした。「紫」にはより太い麺を使った方がしっくり来るのではなかろうか。バランスの項目についても同様の理由により「8点」とさせていただいた。
醤屋 (1)を読む


所在地:馬込
実食日:2004年3月

採点方法について
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