はい。こちら農水省製麺局ラーメン課

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[閉店] 醤屋 (1)

2005-05-09 23:55:15 | ラーメン店調査 (56~60点)
■■ 閉店しました ■■

店名のとおり「醤油」にとことん拘り、基本のメニューだけでも「黒」「紫」「白」の3種類の醤油らーめんを創り上げ、そのいずれもが独自の個性を持ちなおかつ極めて高い完成度を誇るという超絶的な名店。ちなみに、「黒」は「溜まり醤油を用いた濃厚スープ」、「紫」は「非加熱本格生醤油を用いた深みのあるスープ」、「白」は「白醤油を用いた上品なスープ」を使う。醤油だけでここまで変化に富んだメニューを同時に作ることができる実力は半端なものではない。

オープンして数年が経過するがその威光は益々輝きを増すばかりであり、この度、従来から製品化されていた「白」のほか、特に人気が高い「黒」を模したカップラーメンまで登場、「「醤屋」よ、お前はどこまで行けば気が済むのだ」と言いたくなってくるところであるが、この実力の高さであれば「さもありなん」と納得せざるを得ない。それくらい旨いのである。ぐうの音も出ないほどに見事に旨い。

私も3、4年前、この店の味に魅せられ幾度となく馬込まで通ったことがあるが、何度食べに行ってもその度に新たな感動を味わわせていただいたものである。とりわけ溜まり醤油独特の味わいを遺憾なく楽しめる「黒」の完成度は芸術的ですらあり、定期的に食べに行かなければ禁断症状すら引き起こすほどだったのである。

「醤屋」はリニューアルと新メニュー開発のためにしばらくの間休業していたのだが、2月のはじめに復活。「海物語ラーメン」という魚貝類を利かせた新メニューを引っ提げてラーメン界に還ってきたのである。

ちなみに、現在のラーメン系のメニュー構成を整理しておくと「黒」「紫」「白」の基本3メニューのほか、「つけめん」「黒ごまのつけめん」「海物語ラーメン」などが加わり合計6種類となっている。

私は今回、新作の「海物語ラーメン」を試すために「醤屋」に向かったのだが、ついつい食券機のボタンを押す手が「黒大盛」に伸びてしまった。「醤屋」の「黒」はやはり私にとっては「禁断の果実」なのであった。あれから2年が過ぎた今でも。

黒大盛、そしてサイドメニューとして「豚めし」の食券を購入し、店員に食券を手渡した。厳かな心境でメニューが出てくるのを待つことしばし、待望の「黒」は2年前と見た目には殆ど変わらないものであった。懐かしい。

しばらくの間、そのビジュアルをしげしげと眺めた後、スープを大きめのレンゲにとって味を堪能する。う、旨い。やはり旨かった。濃いめの溜まり醤油の焦げたような味わいにみじん切りの刻み玉葱と焦がしネギのアクセントが絶妙であり、これ以上のスープがこの世にあるのだろうかとすら思うほどだ。

次に麺を啜った。か、改良されている・・・。以前、最後に食べた時に僅かに感じた麺の線の細さは見事にクリアされており、硬めに茹で上げられた細ストレート麺は細麺ながら、太麺にも負けずとも劣らない食感と存在感を縦横無尽に見せつけている。しかも、麺そのものが非常に旨い!ちょっとこれは文句の付けようのない出来映えだ。感動もの。

具のチャーシューの良さも容赦ない。チャーシューのグレードの高さは以前の「醤屋」から引き続いてきた伝統である。そのチャーシューを使ったサイドメニューの「豚めし」。これが文句なく、素晴らしく良い。チャーシューの上にあんかけが施された豚めしはほかのどの店においても味わうことができないような傑作であり、ひとつの丼ものとして考えた場合でも超一級品であることに間違いないだろう。

評価は「黒」で麺:14点、スープ:19点、具:5点、バランス:9点、将来性:10点の合計57点であり限りなくパーフェクトに近い歴史的な傑作である。ちなみにこの店、デザートの旨さにも定評があり女性とのデートにも使えるので、独り者の私はさておき、パートナーがいる男性も一度女性を伴って訪問してみてはいかがだろうか。
醤屋 (2)を読む


所在地:馬込
実食日:2004年2月

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