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中華蕎麦ぷかぷか

2005-05-07 11:34:39 | ラーメン店調査 (51~55点)
中目黒は現在、3軒の有力店、すなわち「八雲」「框堂」「中華蕎麦ぷかぷか」が互いに凌ぎを削り、覇権を競っているといった状況を展開させている。

八雲」はその3軒の中でも比較的昔から存在する古豪であり(とは言ってもオープンからそれ程の期間が経っているわけではないが)、「たんたん亭@浜田山」の系譜を引く名店。アッサリした支那そばを食べさせる店であり、数多くのリピーターを抱える目黒区の有力店である。

一方、「中華蕎麦ぷかぷか」と「框堂」は出来立てホヤホヤの新店。前者は、高田馬場の「渡なべ」で有名なフード・プロデューサー渡辺樹庵氏がプロデュースした塩ラーメンを看板メニューに据えた店であり、後者は、海出汁と山出汁の2種類の出汁を用いて、それぞれの出汁で塩、醤油、味噌の3種類のラーメンを作るという器用な店。この両店の看板メニューは塩ラーメンなので、それぞれの店で食べ比べてみるというのも面白いだろう。それぞれ違ったアプローチから塩ラーメンを作っており、同じ「塩ラーメン」とはいえ、本当に表現方法は多種多様なんだという事実に改めて思い知らされることになるだろう。

さて、この店「中華蕎麦ぷかぷか」は中目黒駅を降りて山手通りを右折。そのまま暫く直進し、レンタルビデオ屋を右折し、「目黒銀座」という商店街に入ってすぐの左手に位置するカウンター9席ほどの小さな店である。商店街をそのまままっすぐ進めば「八雲」があるが、それよりはずっと手前である。焼肉屋の隣。

メニューは、塩らーめん、醤油らーめん、つけめんにトッピングで味付玉子やチャーシューを付けることができるという至ってシンプルな構成。メニューの順番からも判るとおり、この店の看板メニューは「塩らーめん」である。私も躊躇うことなく塩らーめん(味玉入り)をオーダーした。

やや小振りの丼に品よく盛り付けられた2枚のチャーシューと味付玉子が、食べる前からこの店のレベルの高さを実感させてくれる。鳥取産の丸鶏や厳選された調味料により丹念に作られるスープは、どちらかと言えば、独創的なラーメンが多い渡辺氏プロデュースのラーメンとしては、極めて「正統派」といった面持ち。ともすれば個性的であることばかりに目を奪われがちな昨今のラーメン業界においては、かえって新鮮であり、好感度大。アクセントとして加えられたニンニク油、焦がしネギが両者相俟って、スープのクオリティを限りなく高め、食べ手を至福の境地へと誘ってくれるだろう。

心持ち柔らかめではあるが、しっかりと芯を残しつつスープの中を泳いでいる細ストレート麺も、この塩スープによく調和しており旨い。渡辺系のお家芸である半熟トロトロの味付玉子は言うまでもなく絶品。玉子から溶け出した黄身が、塩スープに混ざれば、デフォルトとはまた違った新たな旨さを感覚することができる。1回で2度美味しいというわけだ。

麺とスープの分量のバランスまでキチンと計算されているのだろうか。違和感なくごく自然にスープの最後の一滴まで飲み干すことができる。味のバランスだけではなく、このような分量のバランスにまで配慮することができる姿勢は素晴らしい。このような姿勢が客を唸らせる名品を生み出す原動力になるのだろう。

麺:12点、スープ:18点、具:4点、バランス:9点、将来性:9点の合計52点。

中目黒の3軒の中では、ここ「中華蕎麦ぷかぷか」のクオリティが少し抜けていると思う。数多い渡辺樹庵プロデュースの店の中でも「渡なべ」に次ぐクオリティの高さを誇っており、自信を持ってお勧めできる一店だ。


所在地:中目黒
実食日:04年2月

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