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熟成鶏醤油らーめん上弦の月

2005-05-07 10:21:49 | ラーメン店調査 (51~55点)
2001年オープンと比較的新しい店ながら、今や蒲田のみならず首都圏でも有数の大行列店にまで上り詰めた大注目の一店。

以前は豚骨醤油味のラーメンで勝負していたが、方針を変更して、現在は高品質な国産地鶏を数種類組み合わせて作った鶏ベースのスープに大栄食品製の極太麺を組み合わせたオリジナリティの高いラーメンを提供している。

スープを構成する具材から麺そして具の一品一品に至るまで、いささかの妥協もなく厳選、吟味された食材を使用しており、この飽くなき旨さへの探求心は一体どこから生まれてくるのだろうとただひたすら脱帽する限りである。

その日納得のいくスープができなければ店を開けないことでも有名で、店内の貼り紙によれば、初年度は330日のうち何とたったの90日しか店を開けなかったそうである。もはや執念にも似たおそるべき味へのこだわりだ。また「何と」であるが、そのラーメンが何とたったの450円で食べることができるのである。驚異的なコストパフォーマンスである。もう一度言う。これだけの拘りの材料を惜しげもなく使用したハイグレードなラーメンが450円ポッキリ。にわかには信じがたい。

営業時間は一応公式には17時から24時までとなっているが、この店に関しては「あってない」ようなもの。

1日に作ることができるラーメンの数は200杯限定であるから、多分かなり早めに店に行かなければスープ切れ営業終了の憂き目を見ることは確実だ。ちなみに日曜と祝日が定休日。

私は開店前に行列に加わったが、そのタイミングで既に60人前後の大規模な行列。実に2時間30分にも及ぶ順番待ちの末、頼んだのはラーメン大盛りに半熟煮卵をトッピングしたもの。茶褐色の濁ったスープに海苔が数枚、チャーシューが2枚とほうれん草が載っている。その中を悠々と極太の麺が泳ぐといった趣だ。分量はかなり多めで、大盛りともなれば「二郎」や「大勝軒」の並盛りの分量とほぼ互角になるといったイメージだ(もしかすると正確なグラム数が書かれてあったかも知れないが、それは失念した)。

席数は、カウンター8席、2人がけテーブルがひとつ、そして4人がけテーブルがひとつと手狭であり、その狭い店内に女性店主山口和歌子さんのかけ声が響き渡る。非常に好感度の高い接客態度で、食べる方も何だかホンワカした気持ちにさせられる。旨い店というものはこういうところからして違うのだ。

スープは見かけ上は濁った茶褐色で、かなりの濃度を予感させるのだが、口に含めば意外にもまろやかで、それでいて鶏のコクが十分に溶け出している魅惑的な味だ。スープの表面に浮かぶ鶏油が食欲を増進させ、最初から最後まで箸を持つ手が休まることがない。

麺は、「ラーメン二郎」さながらの腰の強い極太麺で、「ああ、今私は麺を食べているのだな」という実感が厭応なく込み上げてくる。縮れ麺を用いているので、スープとの絡み具合も抜群。極太の麺が掬い上げるスープを麺とともに燕下する快感は、まさに2時間以上の行列の労苦を帳消しにして余りあるものだ。もちろん一気に完食した。まさに言うことなし。

ただ、贅沢を言えば具のチャーシューが他のアイテムよりもややレベルが落ちる。ごくごく僅かではあるが、臭みが残っているような気がした。あと、スープについて。これはこれで極めて旨いのだが、もう少しだけスープに主張を持たせてもいいかなと感じた。もしかするとこのスープでは少し物足りないと言う人もいるかもしれない。しかしこれはあくまでも私見といった程度のコメントであり、現状でも滅法旨いことに何ら変わりはない。

評価として、麺:13点、スープ:16点、具:3点、バランス:9点、将来性:10点の合計51点。

2004年現在における大田区最強のラーメン店。東京南部エリアに範囲を広げたとしても「凛@大井町」くらいしか敵はいないのではないか。


所在地:蒲田
実食日:04年1月

採点方法について
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