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2005-05-07 10:08:43 | ラーメン店調査 (51~55点)
ぽっぽっ屋」が東京東部エリアの二郎系の雄であるとするならば、「凛」は東京西部エリアの雄である(大崎は地理的には東京南部エリアといったほうがいいかも知れないが、東京都区内を大きく東西に区分すれば西部エリアに属するであろう)。かつては本店が大井町にあり、支店が大崎という布陣だったが、最近大井町の本店が大崎の支店に吸収される形で統一された。

僕はあまり話をしたことはないが、山中さんという個性的なことで有名な天才店主が腕を奮うラーメンを求めて、日夜店の前に大行列ができる。おそらく混雑時であれば1時間待ちは必至であろう。それでも大崎店に店が統一されてからは少しは待ち時間が減少したと思う。

この店は全国の数あるラーメン店の中でも非常に変わり種。というのはメニュー構成が極めてイレギュラーなのである。メニューはまず、「普通」のラーメン(これには醤油と塩がある)と「賄い2(「マカツー」と呼ばれている)」と呼ばれるラーメンの2つに大きく区分され、前者は中細麺を透明感の高いスープに入れて食べる上品でアッサリとした支那そば風、後者は前者とは打って変わって油にまみれたコッテリスープに極太麺をこれでもかという具合に丼一杯に湛えた「二郎」を地でいくテイストなのである。

分量は、おそらく前者と後者とでは倍以上は違うであろう。どちらも極めて美味いが、ファンの心を虜にしてはなさないのは「マカツー」の方である。現在「マカツー」には5種類のバリエーションがあり、「醤油(マカユ)」「塩(マカシオ)」「味噌(マカミソ)」「カレー(マカレー)」「カレーチーズのせ」が券売機に表示されているメニュー。それ以外にも「マカたんたん」「賄い1」といったメニューも期間限定で登場するようであるが、残念ながら僕はまだお目に掛ったことがない。幻のメニューである。

それぞれのメニューを簡単に紹介すると「マカユ」は二郎のテイストをそのまま継承するもの。「マカシオ」は「凛」の開店当初からの看板メニューであり、当時は「二郎」の塩バージョンを食べることができると評判になったものだ。実は「二郎」の塩バージョンというのは、それまでありそうでなかったのである。「マカミソ」は「マカユ」や「マカシオ」の登場以降に定番メニューに昇格した新顔であるが、味噌スープと麺とのバランスが絶妙で人気が高い。「マカレー」は元々店主が遊びで作っていた限定メニューだったものが、ファンのリクエストに応えて定番に昇格したもの。カレーラーメンなんて邪道だという声が聞こえてきそうだが、ここんちのはそういった声を沈黙させるほどに美味い。「二郎」の上にカレールーが乗った凶暴な作品である。

分量は「二郎」や「二郎系」の中でもかなり多い方で、気軽に大盛りを注文してしまうと後悔することになる。それでも大井町の時代よりは量は幾分少なくなった。麺は軟らか目の極太麺がなみなみと丼に盛られており迫力は十分。麺の上に載せられる野菜の分量も多い。

評価としては(1)麺11点、(2)スープ17点、(3)具4点、(4)バランス10点、(5)将来性10点の合計52点。

ぽっぽっ屋」とは本当に甲乙つけがたい。実力伯仲といったところであり、ともに極めて優秀な店である。強いて言えば、完成度の高さを求めるのなら「ぽっぽっ屋」、ボリュームや食後の満足感を求めるのなら「凛」といったところだろうか。あれを1杯食べておけば、丸一日何も食べなくても平気な程なのだから。


所在地:大崎
実食日:02年12月

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