明日を見る放射線治療医から

人々へ
放射線治療医からのメッセージ
大切なメモ

4月10日の状況 次の水素爆発では東京も避難対象に成りうると小出氏

2011-04-10 11:42:39 | 本日の状況 まとめ
全国の放射能レベルの変動は少なくヨード半減期に伴い減少し、白煙としての排出は持続するものの新たな水素爆発もないことから、比較的落ち着いています。この状態は、東京はいま、保障された市民生活をする上では、(正確な評価は必要ですが)緊急性の高い公衆被曝の心配の対象でなく、なんとか無事に過ごせる状態ということができると思います。

しかし、台湾発表のマップでは、以前毎時100マイクロシーベルト高汚染地域に入ります。
これは単位立方メートルの平均値とすればあまりにも高く測定値とかけ離れます。地表面あたりの空気柱の値と考えれば相当です。
和歌山の地表(居住域)ではいまのところなんら放射能数値の上昇を認めません。20-30microSv/hです。
http://www.rcec.sinica.edu.tw/~cylin/lab/WRF-radiation-forecase.htm

1-4号炉では”引き続き白煙の吐出確認(4月10日6:30現在)”です(経済産業省のプレス発表)
これは、放射性廃棄物でセシウム、ヨード、ストロンチウムなどの核生成物を含むと考えられます。

とくに70%以上の核燃料が溶融落下して原子炉圧力容器底部(で、済めばいいのですが、一部は格納容器に出ているという見方もあります)で一塊になっている1号炉では、深刻で制御不能な”遅発再臨界”の状態になっていると考えられています。早発再臨界(いわゆる核爆発です)の可能性は否定できませんが低いと考えられているようです。

今、拡散している核廃棄物の9倍の量の廃棄物が今後、持続的あるいは水素爆発などで一挙に放出される可能性がありますが、その時々の風向きによってこれらがどこに飛ぶか決まります。その場合は
300km圏内の方は、特に注意して、ニュースや天気予報などを見ておく必要があります。


全文引用です(かっこ内ブログ主)
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ニュース・コメンタリー (2011年04月09日)
福島原発で再臨界の疑いが濃厚に
解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)

原子力安全・保安院は、8日、福島第一原発一号機の原子炉格納容器内の放射線濃度が、毎時100シーベルトに上昇したことを明らかにした。
これは前日に比べて、3倍以上も高い放射線濃度にあたり、同炉内の温度と圧力も上昇しているという。

京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、放射濃度の急上昇に加え、原子炉の温度や圧力の急上昇していること、更に塩素が中性子に反応して生まれるクロル38という塩素が原子炉内で発見されたことなどから、炉内で再臨界が起きている可能性が高いと指摘する。中性子は核分裂が起きたときに発生する。

臨界とは放射性ウラン燃料などが核分裂連鎖反応を起こす状態のことを言う。
「再臨界」は、臨界状態にあった原子炉が一旦停止して核分裂が止まった後、燃料棒の露出などでウラン燃料が溶け出して、圧力容器の下部に蓄積するなどして、制御されない状態で核分裂連鎖反応が起きる状態を指す。

再臨界が起きると核分裂反応の制御が困難になり、大規模なエネルギーが発生するため、原子炉内の温度があがり水蒸気爆発の可能性が高くなる。

小出氏は、水蒸気爆発が発生し、圧力容器や格納容器が吹き飛び、今とは桁違いの放射性物質が流出する最悪のシナリオにも今後警戒していくべきだと述べ、その場合、風向き次第では東京も避難対象となる可能性にも言及している。

神保哲生と宮台真司が小出氏に、福島原発の現状を聞いた。

今週のニュースコメンタリーは福島原発で再臨界の可能性が濃厚になっていることなどから、通常の更新時間を早めて、9日15時より無料で公開いたします。

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引用元 http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001814.php



原子炉の様子を比較するためにプレス発表を比較します。(なぜニュースではこのプレス発表を伝えないか?まともに解説できる人が東京にもういない?)
まず本日分の一部(全部はリンクからアクセスを): http://www.meti.go.jp/press/2011/04/20110410001/20110410001-1.pdf

それで4月9日


4月8日


原子炉圧力(圧力容器内の圧力)も格納容器内の圧力もやはり設計耐圧内で上がっていることが公表されています。

設計上の耐圧は
格納容器 4.35 kgf/cm2 これは4月10日プレス発表のAM8の原子炉格納容器内圧力 1.58 kgf/cm2(Mpaから換算)よりも高い設定です 
圧力容器 87.9 kgf/cm2 >>  4月10日AM8 9.22 kgf/cm2 


これらのデータはGoogle splead sheet にも公開しています。
https://spreadsheets.google.com/ccc?authkey=CP6ewJkO&hl=ja&key=t5VrTdLDZDbX39YK-iFb0Iw&hl=ja&authkey=CP6ewJkO#gid=0

急激に上昇した放射能は一時100Sv(4月8)と報告され、同日夕方の測定値(4月8日)は68Svです。上記の小出先生の、再臨界はこれに基づいた推測です。放射能の増加、圧力の急な上昇は、制御できてない遅発再臨界の有力な証拠です。

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