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DVDも持っているし、もう何度も観ているのに、TVで放映されるとなると、やっぱり観ちゃうという……
一部で言われているような「リア充死ね!」映画とは思いませんけどね(笑)。いろいろこっぱずかしくも甘ずっぱい映画ではあります。
実は我が家はこの作品の舞台となった場所の近辺なんです。初見の時は、日頃見慣れた風景がスクリーンの中で美しく瑞々しく再現され、新たな価値や魅力を与えられていることに感動しました。聖蹟桜ヶ丘の駅前には「耳すまマップ」という看板も設置されていますよ。
それにしても、あの「いろは坂」を自転車二人乗りで上るのは、地元民なら「絶対無理!」と断言できます。リアル設定でもやっぱりジブリ映画の主人公の体力は異常だった、ということでしょうか

ところで、この作品が同じジブリ製作、高幡勳監督『平成狸合戦ぽんぽこ』と対(つい)の作品になっているというのは、けっこう言われていることかな。『ぽんぽこ』のラストシーンと『耳をすませば』のファーストシーンは、同じ構図で時間軸が繋がっているんですよ。
『ぽんぽこ』の妖怪対人間、先住民対開拓民、土地を収奪徴用される者対奪う者、農家対ニュータウン等々、様々に解釈できる対立と闘争の構図を、怒りは底に秘めつつ覚めたユーモアを以て描いたしたたかさも、私は嫌いじゃありません。多摩地区のタウン紙など読むと、元からの住民の人たちは明らかに「狸」サイドだと感じるし、歴史資料館のビデオで観た、里山が切り開かれ、古い神社までもが重機で破壊される映像には胸が痛みます。
しかし、そうやって「作られた」ニュータウンであっても、そこで生まれ育って行く子供たちは確かに存在する。そして彼らの未来もまた……
『耳をすませば』という作品が最も描きたかったのは、実はそういうことだと私は思います。
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