†意識の記録† 理解のブログ

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生物の基礎的な話

2023-12-16 19:32:35 | Diary
こんばんは。

今日は少し、生物の話をしましょうか。

小学校や中学校、或いは高校で、生物の大きな分類というと何を学びましたか。
単細胞生物と多細胞生物とか、動物と植物とかでしょうか?
或いは、原核生物と真核生物という分け方も聞いたことがあるかも知れません。

今回は、その辺りの復習をしつつ、雑学を紹介したいと思います。


先ず、単細胞生物と多細胞生物に大きく分かれることはご存じでしょう。

シュワン、及びシュライデンが、生物の細胞説、即ち、生物は全て、細胞からできているのである、という説を提唱し、現在では広く受け入れられています。
正確に言うと、ウイルスやウイロイドのような、そもそも生物なのかどうか怪しく、細胞とも呼べなそうなものもありますが、今回はそのようなものは除いて考えていきましょう。

さて、多細胞生物は、単細胞生物から勿論進化して出現しました。
その中間状態を取る生物が、単細胞生物が集合した状態である、群体です。
クンショウモやアミミドロなどを、小学校の頃に観察した方も居られるのではないでしょうか。

群体では、基本的には、単細胞生物が沢山集まっているだけで、各細胞の機能的分化がありません。
つまり、全てが同じ機能のみを果たしており、食事をする細胞とか、排泄をする細胞とかが分かれていないわけです。

ここから、細胞の機能分化が生じて、多細胞生物へと進化したのであろう、というのが定説です。

尚、最も細胞数の少ない多細胞生物は、僅か4細胞からなるシアワセモです。


さて、次に動物と植物ですが、この分類はかなり恣意的なものです。
例えば、ミドリムシは、鞭毛によって運動性を持ちますが、葉緑体を持っていて植物的性質を持ちます。
なので、光合成をおこなうから植物、動くから動物、というような分類は、学術的には意味がありません。
とは言え、そのような中間的な生物は少数派ですから、葉緑体を持っていて光合成をするなら植物、運動性を有しているなら動物、と分けるのは、世界を大まかに捉える上では有用です。

これは、イルカやクジラを魚だと捉えるのに似ています。勿論、彼らは哺乳類であって、魚類ではありませんけれども、海を泳ぐものは魚である、と捉えることに意味が無いとは言えないでしょう。
問題になるのは、それが法的意味や伝統的意味を持つ場合ぐらいです。

ところで、運動性を持たず、そして勿論、葉緑体も持たない、細菌というのは存在しているわけです。
彼らは勿論、単細胞生物ですが、動物でも植物でもありませんよね。
なので、昔の生物学では、菌、植物、動物、という3つに大きく分かれるのだ、という説も唱えられておりました。
これを三界説と言います。小学生ぐらいの子供に大きな分類を教える時は、先ずこのような単純な説明を為さるのがよろしいでしょう。


次に、原核生物と真核生物です。
恐らく、高校で生物を履修すれば学ぶ?と思います。

細胞の構造自体は小学校で学びますよね。細胞小器官と呼ばれる、ゴルジ体とか、ミトコンドリアとかが、細胞の中にはあるんだ、と学んだことと思います。
このうち、核(DNA が入っているところ)があるかないか、で、原核生物と真核生物が分かれます。

つまり、世界を大きく二つに分けるならば、核を持つ真核生物と、核を持たない原核生物に分かれるわけです。
一般に、菌と呼ばれるものは、原核生物だと思えばよいでしょう。
原核生物は、核は勿論ですが、細胞小器官も基本的に持っていません。つまり、真核生物よりも原始的な生物だと言えます。

というより、原核生物から、真核生物が進化して産まれた、更にそこから植物や動物へと進化していった、と捉えると宜しいかと思います。


原核生物には、大きく分けて、細菌と、古細菌があります。このうち、真核生物は、(名前のイメージと違って)古細菌から進化したと考えられています。
我々の周りに居る菌は、どちらかと言えば、殆どが細菌であり、古細菌ではありません。

細菌と古細菌をどう分けるかを説明するのは難しいので省きますけれども、現代に於いて、古細菌の生き残りは殆ど居ません。細菌がありとあらゆる場所に生息しているのと対照的ですね。
古細菌は、熱水噴出孔など、生物の生存に適さない環境で見付かることが多く、極限環境微生物とも呼ばれます。
種に依りますが、物凄く熱いとか、酸性とか、アルカリ性とか、極端な環境に生息しているからです。むしろ、通常の環境では増殖できない種も少なくありません。
そういった、現代では特殊な環境でしか見付からない生物こそが、我々(人間も真核生物なので)の祖先というのは少し不思議な感じが致しますね。


真核生物には、細胞小器官がある、という話をしました。
細胞小器官には、その起源が、ある種の原核生物にある、と言われているものがあります。
どういう事かというと、原核生物には、真核生物(主に単細胞生物)の細胞内に寄生するものが居り、それが結果として、共生関係になり、最終的に細胞小器官になった、という考え方です。
これを、細胞内共生説と言い、ミトコンドリアや葉緑体の起源だと言われています。

少し気色悪い言い方をしますと、我々人間の細胞にも沢山あるミトコンドリアは、ある種の菌が共生した状態である、ということです。
実際、我々の細胞は核に DNA を持っていますが、ミトコンドリアはミトコンドリアで、独自の DNA (mtDNA)を持っているのです。
人間は持っていませんけれども、葉緑体も独自の DNA を持っており、光合成を行う原核生物を、真核生物が取り込んだ結果だろうと言われています。

共生と言うだけありまして、我々はミトコンドリアなしに生きることは出来ません。
ミトコンドリアは、私たちが呼吸によって取り込んだ酸素を使って、糖からエネルギーを作っているからです。これを、好気性呼吸と言います。
酸素を使わないで、糖からエネルギーを作る、嫌気性呼吸というものもありますが、エネルギー効率が 20 倍弱違います。
だから、ミトコンドリアと我々は切っては切れない関係ですし、実を言うと、我々の体重の1割程度はミトコンドリアだと言われていますから、我々は無数のミトコンドリアによって生かされているとも言えるでしょう。

葉緑体の方は、実はもう少し複雑です。
真核生物が、光合成を行う原核生物を取り込んだものを、一次植物と言います。
実はこれだけではなく、一次植物である真核生物を、他の真核生物が取り込んだ、二次植物や、更に取り込んだ三次植物というものもあります。
二次・三次植物では、葉緑体が核を持っていることも稀にあります。これは、細胞小器官化がまだ途中であると捉えることもできるかも知れませんね。



少し長くなりましたが、今回は簡単に、生物について書いてみました。
興味のある単語を拾うことができたのであれば、是非、それをキーワードにして知識を深めていってください。


以上。
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