アルゼンチンから砂漠の国へ

2005年~2009年のオリジナル記事に、シンガポール時代の記事と、2009年以降のアメブロの旅行記を転記しました。

映画 SAYURI

2006年01月22日 | 映画
1月21日(土)

アパートの窓を開けると、涼しい風が舞い込んでくる。一緒に目の前の交差点から騒音も飛び込んでくるが我慢しよう。現在23℃、本日の最高気温。クーラーの要らない夏だ。

今日は初めて映画に挑戦しようと、まず、アパートの下の交差点に陣取るKIOSCOで唯一の英字新聞Buenos Aires Heraldを買って来た。$1.5(60円)。毎日、映画欄に上映映画と時間が表記してあるので、お目当ての「Memorias de una geisha」を探す。(邦題「SAYURI」)毎日車の窓から、チャン・ツィイーの看板を見ているので、彼女のファンとしては、初めてのブエノスアイレスでの記念すべき映画鑑賞にちょうどいい。どうせハリウッドの描く芸者映画だから、あまり期待は出来ないが、彼女の顔を鑑賞するだけでもいい。

一番近い映画館は、地下鉄で3駅離れたJuramento駅から1ブロック(100m)のところにある、Belgrano Multiplex。今流行の映画コンプレックスで、6スクリーンある。上映予定時間の20分前に到着して内部をのぞくが、どこにも「芸者」の看板が無い。さてはまた、新聞の広告欄はいいかげんなことを書いているのかと心配になったが、幸い、英語のわかる人が切符売り場にいたのでスケジュールを確認すると、予定通りあるらしい。もう少し表示をわかりやすくしてほしいものだ。

料金は$6(240円)、これなら、日本のレンタルビデオより安い。座席は指定席ではなく、自由に座っていいと言われたが、ほとんどお客がいない。初演が13:30だが、ブエノスアイレスの人たちには昼飯時だし、早すぎるのだろう。座席は、日本のシネコンプレックスと同じような配置で、そのど真ん中に一人で陣取った。映画が始まっても、約300のシートに、お客は20人程度、ちょっと寂しい感じだ。チャン・ツィイーに失礼だろう。

映画が始まると、突然、字幕無しの日本語の会話。ハリウッド映画とはいえ、米国人はもちろんのこと、アルゼンチンの人にわかるのだろうか。しかし、この冒頭は、寒村から二人の姉妹が売られていく場面で、雰囲気でわかるのだろう。そして、スペイン語の字幕に、日本人がしゃべる英語と思われるナレーションが入る。

主役の9歳の少女(大後寿々花)がかわいい。成人してチャン・ツィイーに交代するまで、十分な演技を見せてくれた。そして、彼女が売られた先、芸者の置屋の女将が、なんと桃井かおり。いい味を出している。そしてふとした偶然から彼女が思いを寄せる男性に渡辺謙、その友人に役所広司。そして、置屋での成人した時代の友達が工藤夕貴、日本の名優とハリウッド進出の日本メンバーで固めている。また、ワンシーンの相撲の場面に舞の海が登場したのには思わず笑ってしまった。主役の回りはコン・リー、ミッシェル・ヨーの中国の2大女優が固めている。日本の芸者を中国の女優たちが演じると言うのもおかしな話だが違和感がない。

最後にはストーリーに引き込まれてしまった。時々日本語が混じり、場面は全部日本。(たぶんハリウッドでのセットだろうが)アルゼンチンに来て日本の映画を見ている不思議な感覚を覚えた。いい映画だ。残念なのは、なぜ日本で作られず、ハリウッドで製作されたのか。ベストセラーの放映権をすぐにスピルバーグが買い取ったと知ったら納得がいった。

http://www.movies.co.jp/sayuri/

映画が終わって、劇場の外に出ると、数十人の人が行列を作っている。昼食が終わり、これからがアルゼンチンの人たちの映画時間なのだろう。指定席じゃないので、いい席に座るには行列を作るより仕方がないようだ。

休日の暇つぶしにはちょうどいい。これからせいぜい利用しよう。


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