１９９５－３－３１

高校を卒業した時「高校時代の思い出作り」として、好きだった女の子に人生初めての告白をしたんだけど、予想通り玉砕した…それが12年前の今日。

オクテだった自分は(今もそうだけど)、面と向かって「好き」って言えなかった。だから最後に会う卒業式の日にも告白できなかった自分は、素直な気持ちを書いて彼女に送り(要するにラブレターってヤツですね)、実家に電話をした。言うまでもなくこの頃は携帯電話なんてない。
説得した結果、一度だけ会ってもらうことになった。それで彼女が進学する大阪まで会いに行った。とにかく会ってもらえることがうれしくて、たくさんの友人に何度も電話したのを思い出す。あの時の浮かれていた自分が…今、思い出しても恥ずかしい。
そして当日。午後2時に南海なんば駅のコンコースで待ち合わせ。「久しぶり」とかいう他愛ない話をしながらも、かなり緊張している自分がいた。
歩いて戎橋筋を抜け、アメリカ村へ(そこそこな距離だ)。彼女の買い物に『無印良品』へ付き合って、自分の買い物に『agnes b』へ付き合わせて(付き合っているみたいだな)、喫茶店で休憩。しかしそこで不思議と何の話をしたのかほとんど覚えていない。ただ緊張して手に汗がビッショリだったのと、自分が「…ぶっちゃけ、オレのことどう思う？」って聞くと、「…嫌いじゃないけど、好きとかっていう対象じゃない」…やっぱりアカンのねって思ったことだけははっきりと覚えている。

夕方に用事があるからというので、ついさっき歩いた戎橋筋を南へ。なんば駅に戻り、南海電車に乗る。高野線。帰りの方向は一緒だったけど、彼女が先に降りる。
電車内で二人はほとんど無言。自分は「何て言えば伝わるんだろう」って思ってたけど、彼女の方はひょっとしたら「早く(自分の降りる)駅に着いて欲しい」って思っていたのかも知れない。乗客はまばら。
ついに彼女の降りる駅。このまま別れたくなかったから、その降りる間際に手をつかんで「ゴールデンウィークにでもまた会わん？」って聞いた。

「…ダメ。(岡山の)大学でいい人見つけてね。バイバイ」

答えはほぼ分かっていたけど。つかんだ手が、するっと自分からすり抜けていった…これが人生初めての告白。

相当なショックを引きずっていたから、大学入学当初はそのことがトラウマとなってしまい、心から話せる友人も当時は作れず、人との受け答えがうまくできなかったし、それを消化するのに数ヶ月かかった。今となってはいい思い出だけど。
その子とは、それから一度も会っていない。3月31日になると「あの子は今頃どうしているだろう？」って毎年思い出す。