おっさんのライフサイズ(classic)

- 過ぎていったこと 選ばなかった道 何もかも、覚めてしまった夢と同じ -  『この世界の片隅に』より

あの日のおっさんを探して 3 奈良・東大寺その2

2010-02-20 23:56:38 | 遠征・旅行記
というわけで前回の続き。

大仏殿を後にして東へ伸びる長い坂道を登りきると、東大寺参拝の最大の見所といってもいい、二月堂と三月堂(法華堂)が見えてくる。まずは二月堂へ。

旧暦の2月(現在の3月)に行われる『お水取り』で有名な二月堂ですが…実はそれ以外の二月堂のことはあまりよく知らないんですわ。しかしここから一望する奈良の景色は格別。休憩がてらに椅子に座ってじっくりと。おそらくこのアングルで撮られた写真は、奈良観光を案内する本やパンフレットのほとんどに収められているはず。ここは無料で入れます。



そして日本…いや世界屈指といってもいいくらいの仏像が一同に納められている三月堂へ。しっかり”拝観料”を取られるけど、ここは修学旅行の時は軽く通り過ぎた程度だった。当時も思ったけど…ひょっとしたら大仏さんよりも東大寺の重要な部分を占める場所。500円なんて簡単に元が取れてしまう…あっ拝観に際して”元が取れる”は不謹慎ですね(笑)。
残念ながら内部は撮影禁止で、それを伝えることはできないんだけど、本尊の不空絹索観音はじめ、教科書でも有名な日光・月光両菩薩、金剛力士や四天王…内部は結構狭く薄暗いけど、じっくり当時の仏像を堪能していると、時間なんてすぐに過ぎて行ってしまう。自分はここにある秘仏・執金剛神像の大ファンなんだけど、年に一度(12月16日)しかその扉は開かれず、もちろん拝観することはできなかった。今度はそこを狙って来ようかな…と考えております。



―そして大仏殿の真裏を通る裏参道を歩いて戒壇院へ。幻想的な風景も見られて、どこかタイムスリップしたような気持ちになる。ここでカミングアウトするのですが…自分は子供の時、祖母の影響を受けて、歴史学者になろうと思っていたのですよ(笑わないで下さいね)。だから当時の仏像や建築物には知識は素人に近いにせよ、思い入れが激しかったりするし、ちょっとだけ語れたりする。
幼稚園の時に初めて、家族にまさに「連れてきてもらった」んだけど、当時はあれ以上嬉しいことはなかった。そこをこうやってまた散策することはできたのは、自分にとって本当に貴重なひと時だった。当時の自分はどんな気持ちでここに来たのか、ほんの少しだけ思い出すことができた。ほぼ忘れかけていた、自分が小学一年生の時に天国へ行ってしまったばぁちゃんの顔を思い出しながら…当時の思いは成し遂げられなかったけれど。




…戒壇院に着きました(笑)。ここも拝観料をしっかりと取られます。撮影も禁止。堂内はミニチュアの塔(この書き方は良くないけど…そうとしか書きようがない)と、四天王が納められているだけ。しかしこの四天王が…これもおそらく日本で一番有名四天王なのであります。多聞天、広目天、増長天に持国天。これも子供の頃から大好きな仏像だったんだけど、当時東大寺へ来た時は見られなくて、今回が初めて。様々な思いが入り混じって、感慨深いものがあった。



そうこうするうちに時間いっぱいとなってしまい、これで今回の奈良散策はおしまい。時間があれば少し離れた場所にある唐招提寺や薬師寺、法隆寺まで行ってみたかったんだけど。こんなに近かった奈良にどうして足が向かなかったのかと、少し後悔も含みながら…また時間を作って訪れたいと思います。


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