まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

奄美最奥部 西古見の石垣

2017-12-06 23:15:04 | 風景
奄美大島では、自然観察のガイドツアーに参加したり、珍しい植物の自生地に行ったり、ビーチで
探しものをしたりして楽しんだ。もちろん私も好きなのだが、母親はもうマニアックなのである(笑)

そしてこれは私の希望で、西古見の石垣景観を見に行くことに。2、3泊目で連泊した古仁屋のまちから
約1時間の距離。お天気はイマイチだけど、加計呂麻島との間の中海に浮かぶ島々を遠目に眺めながら
くねくね道を走れば、気分は上々!岬を超えるごとに深い入江の静かな海が目の前に広がり、
同じような小さな集落がある。時々車を止めては寄り道するので2時間あまりかかって西古見に到着。
これより先は集落がなく、林道しか通っていない。

集落の一番奥にバス停があった。ここまでバスが来ているのか!

奄美空港から古仁屋まで車で2時間、そこからさらに1時間。バスだともっとかかるだろう。
ここに住んでる人々はどんな暮らしをしてるんだろうな。。。

おぉ~、防潮堤沿いの道に面して背丈ほどの高さの石垣がずっと続いていて壮観!


石垣は灰色の平たい形の石が多く使われていて、近寄るとそれがサンゴであることがわかる。
テーブルサンゴのかけらを下向きに積んであるのだ。時々キクメイシなどもある。


積み方に規則性はないようだ。




石垣の内側に生えたガジュマルの木がわさわさと茂り、ビール箱に板を乗せただけのベンチが
あちこちに置いてある。う~ん、いいなぁ!
しかし路地から覗くと、石垣に囲まれた内側は畑になっているところも結構あった。




近所のおばちゃんがいたので声をかけてちょっとおしゃべり。
立派な石垣は条例などで保全されているものでもないが、最近は石垣を見に来る人や研究者も時々
やって来るので、維持していこうという話も出ているという。今この西古見に住んでいるのは26世帯。
留守の家が多いので、残ってる者で維持しなければならないので大変と言われていた。


一部崩れた石垣があったので聞いてみると、今年の台風で崩れたのだそうだ。ガジュマルの木が揺さぶられて
からみついていた石垣も崩れてしまったと。


崩れた石は生々しいオフホワイト色だ。外側が灰色なのは長年雨風を受けて汚れたのか。

前に崩れたところは補助金を受けてそこの家の人が個人で直したそうだが、
今回は石垣の積み方をわかる人を呼んできて教えてもらいながら集落の皆で直す予定という。

今は防潮堤があるが、昔は台風が来たら集落の中まで石が飛んできて、あとで始末するのが大変だったそうだ。

おばちゃんはこの地の生まれで、大阪に出てずっと住んでいたが、親戚の面倒をみるため(だったか)
ご主人共々島へ戻ってきたのだそうだ。ここに住んだらもう大阪には戻れない、と。そらそうだろうなぁ~
晴れた日には徳之島まで見えるといい、のんびり静かな暮らしをすっかり気に入っておられるようだった。

一本中の道を歩くと人が住んでいる気配のする家が多い。石垣はもうほとんどブロック塀に変わって
しまっており、石垣はごく一部に残っているのみ。石垣にはハブが住みつくらしいので、家の周りは
変えてしまったのだな。


サンゴの石垣は隣の管鈍集落にも少しだけ残っていた。昔はあちこちにあったのだろう。






宇検村近くのアランガチの滝。美しくて心洗われる。。。




古仁屋に戻り、宿から徒歩2分の嶽乃湯の営業時間をごはん前に確認しようと思ったら、番台のおばあちゃん、
お客さんおらんからもう閉めるよ、と。え~っ、ごはん食べてから来ようと思ってるんだけど。。。
先に入ってから行きなさい。う~ん、じゃあそうします。


結局2夜連続で、ごはん前に(笑)。あぁやっぱり広いお風呂はいいねぇ!リラ~ックス!

昔はお風呂屋がこの辺にもいっぱいあったけどもうここしかないらしい。家にお風呂があるから誰も来ない、
儲からない、と嘆いておられた。
浴槽のタイルの剥がれも痛々しくて、おばあちゃんのやる気がいつまでもつかなぁ・・・心配。

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