まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

神戸女学院のタイルたち

2008-09-22 01:53:37 | ディテール
先日、ヴォーリズ建築のフォーラムが神戸女学院大学で行われ、参加してきた。
神戸女学院は西宮の山手にあり、去年門戸厄神へ厄払いに行った時に門の前を
通ったが、入るのは今回はじめてである。
門を入って坂道を上り、、、山道をゆく。今日はハイキングに来たのだったっけ?
まったくあれは自然の山である!門から講堂までの高低差は16mあるとか。
そう、ヴォーリズはこの山に、宝石のように美しい建物をちりばめた。
ヴォーリズは建物の設計だけでなくこのキャンパス全体を、女子教育に対する
確固とした理念をもって、計画したのだ。

さて、講演会の後、会場となった神戸女学院の建物を見学できた。
公開対象の建物は主要な数棟に限られていたが、普段入れない女子大のキャンパス
を自由に見て回れる貴重な機会だ。
フォーラムが長引いたので時間があまりない。急いで見て回らねば。。。

全部書き出したらきりがないので、説明は神戸女学院大学のHPのキャンパス紹介をご参照。
ここでは私のお気に入りのディテールのみを。

これは一番惹かれた、文学館のエントランスのブルーのタイル。深い色合い。
主な建物の外壁はすべて横溝スクラッチタイルで統一されているが、
ここも下の方はスクラッチタイルが使われていて、連続性が感じられる。
茶系のモノトーンのシックな外観の中に控え目なさし色。


照明器具のデザインも素敵。
ところで上の写真の半円形のグリルは、何と合板をカッティングしたもの!
ぱっと見では全く信じられないが、近寄って見ると、確かに板目が見える。
戦時中の金属供出のあと苦肉の策で復元したものをそのままにしているという。


これは、社交館のストーブ置き場(?)のタイル。
泰山タイルだろうか、小さいがしっかりした厚みを感じるタイルだ。


周りにブルーと赤茶のタイルを散らしているのが楽しい。


同じく社交館の暖炉。文学館のと色目が若干違うが同じようなきれいな
ターコイズブルーの二丁掛タイル。
布目タイルとストライプ状に貼ってあり、ツタンカーメンみたいだ(笑)。


床の方も、銅版画のような色合いとかすれ具合の布目タイルが美しい・・・


上の方は八角形の模様の入ったこんなタイル。凹みに溜まったブルー系の釉薬で
ターコイズブルーのタイルと調和している。


社交館の女子トイレのタイルは創建時のものといい、ローズルームの名残かといわれている。
この華やかなばら色!!こんな色が似合う上品な大人の女性がヴォーリズの
女子教育の目指したイメージか。
ちなみに窓やドア周りには役物タイルが用いられ丁寧な仕上げになっている。


外壁の揃いのスクラッチタイルも実にいろんな貼り方がされていてそれぞれに美しい。
時には大型の正方形などイレギュラーなサイズのものも使われている。
遠景でも近景でも美しく見えるのは素晴らしい!


これは総務館のエントランス。この部分は影になって気づきにくいが、
実はこんな金色のタイルが使われているのだ!


マットな瓦色と組み合わせてモードな印象。
このドアを入ると、ステンドグラスからの光と幻想的な灯りに照らし出された
華やかでドラマチックな階段が展開しているのだが、こういう控え目な細部も
また別の美しさがある。



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4 コメント

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学び舎 (まび(ぶ)るす)
2008-09-22 15:20:22
神戸女学院美しいですね。私も中高を
ヴォーリズ建築で学びました。本当に
不思議な建物で六年通っても、まだ知
らない小部屋がいくつもあったり、物
語りに出てくるような中庭など
再訪したいと願いながら
時の流れはあまりに速く。
好きな建物は速攻でみておかないと、
と先々月は大阪医大を訪ねました。



返信する
なんとも。。 (yume)
2008-09-25 11:38:57
いやぁ~
なんとも力の入れ様が凄いですね。
さすがヴォーリズさん、丁寧かつ、シックな華やかさがありますね。

私も行きたかったなぁと。。
返信する
ヴォーリズ (ぷにょ)
2008-10-01 01:33:49
建築の校舎で6年間、、、いいですね。
ほんとに、こんな環境で学生時代を過ごしたら
豊かな心が育まれるだろうな~と、神戸女学院の
キャンパスをうろつきながら改めて思いました。

大阪医大は、ほとんど建て替わっていませんか?
返信する
あとから見た (ぷにょ)
2008-10-01 01:38:40
関西学院とはイメージがだいぶ違いましたね。
タイルなどの細やかな装飾がやっぱり女性向けと感じました。
同志社なども見てみたいです。
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