まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

聖地巡礼

2008-09-21 03:22:44 | 建物・まちなみ
今日は地下鉄今出川からうろうろ歩いたのだが、最後に千本鞍馬口にやってきた。
鞍馬口通はタイルの聖地、船岡温泉への道。ドキドキ!
お風呂屋好き・タイル好きの私であるが、恥ずかしながらまだ行ったことがなかったんである。

いい感じの製麺所が。

ひらりと風に舞った暖簾の向こう、上がりかまちの見付にマジョリカタイルが
貼られているのを見逃さない!
う~ん、聖地への序章としては上等。期待が高まる~


見えてきた、こんもりした緑。目的地、船岡温泉である!
うわぁ~、すごい!堂々たる門構えに立派な唐破風と懸魚。
元は旅館だったとか言うから、隣の建物も庭も一体化しているんだろう。
本や雑誌、googleストリートビューでも見ていたが、実物はやっぱり圧巻だ!

人が出入りするたびに、入口ドアの向こうに見え隠れするマジョリカタイルの壁!
あぁ~早く入りたい!
しかしその前に、、、もう1軒の聖地、さらさ西陣でいっぷくしよう。ご存知、旧藤森湯である。

・・・と、隣のお店の外壁の一番下にもマジョリカタイルが!
近所にちらほらと見かけられるタイルは、まるで船岡温泉からこぼれ出たかのよう。


旧藤森湯は船岡温泉から100mも離れていない。ここも船岡温泉の初代が
昭和5年に建てたというが、えらく近いところに建てたもんだ。


そして・・・こちらは道路に面した外壁からマジョリカタイルの嵐!!

大きな窓からはいろとりどりの内部の壁も見える。
いかんいかん、落ち着いて、と自分に言い聞かせながら(笑)、お店に入る。
あぁ何て濃密な空間!お好きな席にどうぞと言われても・・・
元の雰囲気の色濃い脱衣所もいいし、店内全体を見渡せる浴室の手前あたりか、
タイルに埋もれる最奥コーナーか・・・・目移りしてしばし立ち尽くす。




こんな美しく色鮮やかなタイルに包まれながらケーキセットを食べる幸せ!はぁ~っ


しかし普通はワンポイントや縁取りに使われて、まちなかで一枚でも見つけたら
大喜びするようなありがたいものが、まるで壁紙のように、壁という壁を
埋め尽くしているのだから、この豪華さといったら!!
よくある白タイルが一枚いくらでマジョリカタイルがいくらで、というのは
わからないが、高価なことは確かだ。何でお風呂屋にこれほどお金をかけられたのか。
今よりお客が多かったと言っても、、、湯水のようにこんなタイルを使えるほど、
お風呂屋は儲かる商売だったのだろうか?


さてついに船岡温泉へ乗り込みだ!。
自動ドアでフロント形式はちょっと意外だったが、設備を新しくできるというのは
それだけお客が多いのだろう。

ドア正面、靴脱ぎの壁は一面花柄のマジョリカタイル!うっひょ~
しかし脱衣所へ入るとタイルは少ない。その代わり天井はケヤキ板の格天井、
透かし彫りのらんまが四方に。極めつけには天井の中央に天狗の彫刻!何と・・・

そして浴室へ行く渡り廊下はまたマジョリカタイルだらけ!うひゃひゃ・・
さて浴室へ入ってしまうと、また華々しいタイルはない。結構新しく改装してある。
しかし、ここでもみな気づいているだろうか、湯気抜き部分の2方の壁に丸窓があり、
4色の色ガラスがはまっていることを!夜だと色が沈んでいてよく見ないと分からないのだ。

見どころはまだある。中庭に池があって、その池をまたぐように「菊水橋」と書かれた
石の欄干がある。この橋はもともと千本鞍馬口の交差点あたりの細い水路に架かって
いたのだが、市電を通すための道路拡幅工事をしたときに撤去されたものを移設したという。
帰ってから調べると、京都市電は1912年までに千本今出川以南が開通、
1929年12月に千本北大路まで開通しているから、移設されたのはその間と考えられる。
船岡温泉は大正12(1923)年の創業なので、この建物を建てるときにタイミング
よく石橋を手に入れ、中庭の装飾に取り入れたと想像できる。

中庭側から脱衣所を見ると、ここのらんまにも色ガラスがはまっているのがよくわかる。
そしてそして、その下、池のふちに目を落とすと、本業瓦が使われていた!!
それも大判のものが十数枚。おそらく約28cm角の敷瓦である。
これも気づいている人は少ないのでは。
もう湯あたりでなく興奮で倒れそうだ・・・・(笑)。

ほんとに今日は、タイルの聖地と呼ぶにふさわしい大充実の2軒を巡礼して
もうおなかいっぱい!!
船岡温泉を出て、バスに乗る前にちょっと・・・・・
見えたぁ!!


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1 コメント

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屋内 (yume)
2008-09-25 11:43:04
船岡温泉は、外から見ていても、たまらない建造物でうっちりと立ち止ってしまいます。

一度 お風呂に入りたいと思いつつも、なかなか時間が合わない事が多いんです。

ぷにょさんの リポートで 中の素晴らしさが伝わってきました。
これは是非 行かなくてはいけません。
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