■ 「早くしろよ!急いでいる人もいるんだからさあ!なにやってんだ!」と
朝のバス(タウンバス=同じ駅を始発終点としてくるりとエリアを廻るバス)、
しかも乗客6名(駅発時点)のバス内に
じーさんの怒鳴り声。
発端は運転手さんの交代だった。
発車時間直前に交代要員の運転手さんがやってきて、
今まで乗務していた運転手さんがフレンドリーに(まぁ同僚なんだから当然かもしれないが)
「んもぅ、遅いよー。来ないかと思っちゃったよぉ」と言ったことによる。
このフレンドリーさに遅刻目前(だったのかどうかもわからないが)のおじさんの血管はぶちぎれた!
で、冒頭の怒声となった。
乗務員さんはあわてて「申し訳ありませんでした」と言い、
新たな乗務員さんも「乗務員交代いたします。お待たせいたしました」と言っていた。
でも、時間は出発時間前であり、出発時間を越えての出来事ではない。
じーさん(推定年齢70歳)は私服で、なぜかチューブのねりしょうがを二本入れたビニール袋を手にしていた。
遅刻というより、おなかがぺこぺこだったのかもしれない。おなかすくと怒りっぽくなるし。
少なくとも、一分一秒を争うようには見えなかった。
で、駅から2つ目のバス停でプンスカ面で降りていった。
たしかに時間通り運行してもらわんと困るけれども、そりゃねーよな。と思う。
こういうことが関西の電車の事故の一端を担っていなかったとは言い切れない。
何十秒に目くじらたてる人生なんて、せわしなくていやだ。
怒りっぽく年を取るのも、なんかつまんなそうでいやだ。
彼の後ろにきちっと背広を着た、同世代と思われるじーちゃんが座っていたが、
彼は心底びっくりした顔をして怒声じーさんの後頭部をまじまじと見詰めていた。
通路を挟んで座っていたお姉さんは腕時計を見た後、思いっきり鼻で笑っていた。
一番後ろの席の2人組のお姉さんたちは、完全に無視の体制でおしゃべりに興じていた。
私は思い切りじーさんじろじろ見た。おそらくすっごい軽蔑の目をしちゃってたと思う。
じーさん。せっかくの人生。しかも自由にできる時間をもっとゆったり楽しく生きてほしいよ。
ま、私ごときに言われたかないだろうけどもさ。
■ 息子はあやまれない。
たった一言「ごめんなさい」と言えば済むのに、
泣くことや言い訳することやくやしいのに必死で謝らず、
事態を悪化させたり長引かせたりしている。
不器用なやつめ。と思いつつ、自分もそうだったな。としみじみ。