[2011年11月再編集]
【明神ヶ岳編】
神奈川県の箱根外輪山、明神ヶ岳(1169m)と金時山(1213m)を縦走して来ました。
暖冬の今年は登山道のどこにも雪がなくて、ぽかぽかあたたかい登山となりました。
前回の陣馬山以来なんだかんだと忙しく、気付けば3週間。日頃ろくにトレーニングもせずに過ごしてきたから足腰すっかり軟弱者です。(元々軟弱だっていう噂も…)
サボってきた分を山で鍛えようと思って選んだこの縦走コースは以前、現地レポーターさんのブログ『晴れ、ときどき山登り』で素敵なレポを拝見して以来ずーっと機会を狙ってました。
コース距離も累積標高差も、今までの登山を遥かに越えたレベルだったので不安だったけど、気持ちのよい尾根道を今歩かずしていつ歩く!と気合を入れて臨みました。
▼明神ヶ岳/金時山コースデータ
▼明神ヶ岳・金時山縦走 標高断面図
▼明神ヶ岳・金時山縦走コース概念図

【行程】
金時神社駐車場→[バス移動]→バス停宮城野橋→明星ヶ岳登山口→明神ヶ岳→金時山→金時神社箱根登山バス(時刻・運賃)
登山ガイドブックによると明神ヶ岳側(明星ヶ岳登山口)付近には駐車場がないので、現地レポさんのブログと同じく、金時山の登山口(金時神社)の駐車場を利用して、バスで“宮城野橋”まで移動しました。
※ちなみに明星ヶ岳と明神ヶ岳は違います
朝陽を背にして歩いた方が順光で景色も美しく空も青く、常に富士山を前方に見ながら歩けそうだったので、こちらから歩く方がいいコースだと思いました。 7:55バス停金時神社入口(始発)
~バス移動~
8:15バス停宮城野橋 登山開始
バスを降りて民家の間の舗装路をテクテク歩くこと数十分、時折道標があるので助かります。
(明星ヶ岳方面を目指せば明神ヶ岳に行けます)
●明神ヶ岳登山口
8:33明神ヶ岳(明星ヶ岳)登山口
関東だし、低山だし、きっとしばらくは杉の植林の薄暗い道なんだろうなぁ…と覚悟していたのに、いきなり明るい竹林と照葉樹の道に突入しました。 気分ルンルン。なんだか雰囲気が千葉の山に似ています。
明るい道。お日様ポカポカ、笹と落ち葉。
落葉樹と照葉樹が入れ替わる雑木林がずっと続きます。
久し振りの山がうれしくて、時々木に抱きついてみました。
待っててくれてありがとう。
なんつてー
登り始めてすぐ、落葉した樹林の間から富士山が見えました。今日は最高の天気だなぁ 富士山の雪がペカペカに光ってます。
●富士山が見える大文字焼
9:30大文字焼 一時間も登って行くと大文字焼の場所に出ました。いい眺め~
よく見ると足元の切り開かれた草地が大の字になっているのがわかります。
神山(箱根山)
─大文字焼(看板より転写)─
箱根の3大祭りのひとつに数えられている大文字焼は、毎年8月16日、この明星ヶ岳(大文字山)で行われます。
この行事は大正10年避暑客の慰安の為に始められたものですが、併せて全山の有縁無縁の諸霊を慰める、うら盆の送り火としても行われています。
当日は乾燥したシノダケ約350束が並べられ、夜7時過ぎ花火を合図に一斉に点火されると、「大」の字が夜空に赤く浮かび上がり見事な夏の風物詩となります。
富士山かっこいいなぁ…
明星ヶ岳の山頂は分岐から分かれた外れにあり、展望がないという話だったので、やり過ごして明神ヶ岳へ向かいます。
ここから少し薄暗いマツやヒノキやスギなど針葉樹の雑木林に入りました。
針葉樹は苦手なのに、植林とは違った雰囲気でそんなに嫌じゃありません。
淡い陽の光を浴びた苔や葉っぱをうっとり観賞。
しばらく苔を楽しんだあと、尾根道へ出ました。
11:04 宮城野分岐コース中には分岐がたくさんありますが、ほとんどに道標が設置されているので迷わず進んで行けます。
ちなみに写真の道標に載っているコースタイムは、健康な成人男子を基準にしているそうです。
プカプカは健康な成人女子以下の脚力なので、全く参考にならない…
●明神ヶ岳と笹原の道
目の前に明神ヶ岳が見えている、広々とした笹原の尾根道です。すんっごい広い道!
10人位が横並びに手をつないで歩けそう。左手にはいつでも富士山が見えてます。
明神ヶ岳と富士山
どうですか、この眺め。白く輝く富士山があるのとないのとでは、全く違いますよね。ここからずーっと長い間尾根歩きが続きます。
時々眺めがなくなってしまう場所もあるけど、次から次へといろいろと変化していく道の様子が楽しくて、全然飽きません。
明神ヶ岳の登山道
●明神ヶ岳山頂
富士山と金時山の山体がよく見えるようになると、右手の笹と樹林越しに相模湾が見え始めます。間もなく明神ヶ岳の山頂に到着。
11:50 明神ヶ岳山頂(1169m) 【休憩30分】
ひらけた広い山頂にはすでに登山者が10人ほどいました。ここに来るまで誰とも会わなかったので、ちょっと驚きでした。別のルートがあるんですね。どこから登ってきたんだろう。
この山頂で、富士山を眺めながら昼食をとりました。
よーく見ると富士山の右裾に、南アルプスが見えてます。
北岳が見えてるのかな?うれしいな
明神ヶ岳から見える相模湾
明神ヶ岳山頂のはずれ、草むらの向こうに隠れた展望地から相模湾が見渡せます。
12:20明神ヶ岳山頂出発
山頂を過ぎてもまだこんな眺めがつづくのです。最高です。
いつもだったら山頂に着いたら景色を眺めて一時間くらいのんびりするプカプカですが、今日はこの後金時山まで長距離を縦走するつもりなので、あまり休まず出発しました。
この縦走を終えてつくづく思ったんですけど…行程が長すぎるせいで、せっかくの展望をのんびり眺める暇もなく、サクサク歩かなければならない登山って自分には向いてない。どんどん先を急がなくちゃ、という感覚が少しストレスでした。
自分のペース、自分の楽しみ方に合った山を選ばないといけないな(って前編ですでに反省 笑)
●金時山と富士山の眺め
おお~ 金時山と富士山が、絶妙のバランスです。
明神ヶ岳だけを目指す人は、山頂から少し金時山方面まで歩いて、この景色をぜひ見てくださいね!明神ヶ岳の上からはこの眺めになりません。
丹沢山塊
丹沢山塊の眺めもすばらしいです。
しばらくはひらけた尾根道をズンズン下っていきます。(また後で登り返すんだな…)
高度が低くなるごとに、富士山が金時山の向こうに隠れてしまう。
※富士山がよく見えるのはこの先、金時山の山頂だけです。
軽快な足どりも、お天気も、この後じわじわと重くなり…
花粉症のせいで飲んでいた鼻炎薬の副作用で、さっきから喉がカラカラで、水分補給してばかり。
どんどん飲み物が減っていくんですが、実は今日は水を500mlしか持って来ていない事実に、この時はまだ気づいていません。
汗も結構かいてます。あぁこの状態で12km。
一体どうなる、無謀登山。