このレポートは2016年8月の山行記録です
みなさまお久しぶりです。山、登ってますか?
プカプカは以前のような登山はあまりしなくなりましたが、常に山に囲まれて、休みといえばどこかの山や森や湿原を歩いている日々で、どっぷりと山に浸っています。とてもしあわせです。
いよいよ秋になりました。
ここで紅葉のきれいな山の写真をあげたいところですが、相変わらずタイミングが悪いプカプカは、夏の始まる前からコツコツと作り続けていた昨年の夏のレポートを、今頃アップします。ごめんなさい。
2016年8月下旬、上高地から槍沢コースを辿って槍ヶ岳に登った時のものです。
登山歴10年目にしてようやく…やっと、はじめての槍ヶ岳ですよー。
上高地の花のまとめだけご覧になりたい方は、こちらからワープします。
■ヘタレなりの槍ヶ岳■
年々登山回数は減っているし、相変わらずのヘタレっぷりなので、10年かけて登山技術が熟達するわけもありません。
これまで、計画を立てても雨天になるなど機会に恵まれなかったことや、
「登山者の憧れの槍ヶ岳だからって、何がなんでも登りたいわけじゃない」
なんてかっこつけひねたことを言ったり、他にも登りたい山があったりして…
そうこうしている内に、いつの間にか10年経っているではないか。
そういえば、まだ槍には登ってなかったぞ。ちょうどよく連休も取れたし、行ってみよう!
という思いつきで、登ることにしました。
参考にした登山ガイドブック: ヤマケイ アルペンガイド7 槍・穂高連峰 北アルプス(山と渓谷社) Amazon.co.jp |
【行 程】
[一日目]沢渡駐車場→(バス)→大正池→河童橋→明神→徳沢→横尾→一ノ俣→槍沢ロッヂ(宿泊)
[二日目]槍沢ロッヂ→天狗原分岐→グリーンバンド→槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→(同行程ピストン)→槍沢ロッヂ(宿泊)
[三日目]槍沢ロッヂ→一ノ俣→横尾→徳沢→明神→河童橋→(バス)→沢渡駐車場
行程は二泊三日のヘタレプランで、二泊とも槍沢ロッヂに泊まりました。
●なぜヘタレプランなの?●
「山でお泊りするなら絶対に稜線の上」
本来ならそうしたい。そうしたいのは山々の山さんなのです。
しかしプカプカのようなヘタレの場合は、槍ヶ岳のように行程の長い山では、山小屋の位置やその他の条件によっては体力的に厳しい場合が多いのです。
体力に自信があればできた健脚プラン⇒上高地→槍沢ロッジ(一泊)→槍ヶ岳登頂(一泊)→上高地
この健脚プランは、多くの方が実行されており、一般的なようです。
三日目がひどく長い行程(標高差1760m,距離18km強)になるので、「最後がとてもつらかった」とみなさん口々に話されます。
もっとハイレベルに豪脚な方は、一日目にして登頂、稜線に宿泊して一泊二日で下山するそうです。もはや想像を絶します。
そんな見事な身体能力を二日間ほど交換していただきたいものです。
上高地区間の行程の長さは、2008年にテント装備で涸沢まで歩いた時の体験から、平地と云えども侮れないとわかっていたプカプカは、「稜線泊まりしたかったら三泊四日しないと無理」という判断に至って、今回の行程であきらめました。
結果から言うと、ほんとにそれでまぁまぁ大正解!
だって、これでもきつかったんですよぅ
大好きなお花を見る余裕が全体的に少なめでした。
スケジュールがきつきつで、「何時までに○○に着かなければ」と素通りせざるを得ない場面も多々あったので、なんとなく満喫しきれなかったのです。
そんなわけで"まぁまぁ"がつきます。
このブログを以前からお読みいただいてる方にはおわかりかと思いますが、
のんびりゆっくり自然を楽しめない登山は、やっぱりプカプカには向いていません。返ってストレスがたまることも…
では、槍ヶ岳レポートスタートゥ!
■まずは上高地を堪能■
【一日目】沢渡駐車場→(バス)→大正池→河童橋→明神→徳沢→横尾→一ノ俣→槍沢ロッヂ(宿泊)
距離:約13.8km 累積標高差:+約530m ※精度の低い数値ですので参考程度でお願いいたします
少しでも行程を短くするために、河童橋からスタートする案もありましたが、久しぶりの上高地を堪能しておきたくなって、よせばいいのに大正池から歩きはじめました。
6時半頃の大正池は朝霧につつまれていました。すでに朝陽を受けて輝き始めている稜線が、霧でよく見えません。少し待っていたら、焼岳が頭を出して、穂高もほんのり姿を見せてくれました。
大正池から見る焼岳
まだ朝陽の差し込まない、霧のかかった薄暗い自然研究路を歩いていきます。きれいな水の流れに癒やされます。 咲く花はほとんどが秋の花でした。
田代湿原
もう草紅葉がはじまっています。
田代池
霞沢岳などの山々に降り注いだ雨が、伏流水になって湧き出た池は、とても清らかな色をしています。田代池は大雨により流れ込んだ土砂や枯れた植物などが堆積して、少しずつ湿原化が進んでいるそうなので、いつか池は上の湿原のような姿に変わっていくのかもしれません。
どんな湿原もはるか昔は水の溜まった場所だった。それも自然の遷り変りなのですね。
今の時代だから見られるこの池を忘れたくないです。
花を見つけるのを楽しみながら歩いている内に、森の中に光が差しはじめました。
梓川と穂高連峰
奥穂高岳・前穂高岳。正面に見える岳沢ルート、いつか登ってみたいものだのぅ。(ため息)
かっちょええのぅ…
河童橋からの眺め
河童橋には8時過ぎに着きました。こんなに晴れた空の下で立つ河童橋はウン十年ぶりです。
す・て・きー
まわりには記念撮影の観光客がいっぱいいて、全く落ち着かないので写真だけ撮って先を急ぎます。
一見苔のように見えるけれど、美しい水草、イチョウバイカモ(キンポウゲ科)です。
光りながら水の流れに揺れている姿がきれい。いつもみたいに余裕のある行程ならば、ここでしばらくボエーっと眺めているんだけど。
さぁ、これからは延々とつづく林道歩きです。
プカプカは登りはもちろん苦手ですが、平地でも張り切ると、踵の関節がすぐ痛くなってしまうので、余計な力を使わず股関節を意識して、楽に歩くようにしました。
残念ながら、歩くだけでも人より遅い。どんどん抜いて行かれるけど、気にしない。
ちょっとここで、上高地に咲くお花についてひとまとめ。レポートのつづきを早く読みたい方はここからひとっ飛びできます。
■例年より2週早い開花期■
(咲く場所の順序に関係なく掲載します)
アケボノソウ(リンドウ科) / アズマヤマアザミ(キク科)
ハンゴンソウ(キク科) / マルバノリクラアザミ(キク科)
アキノキリンソウ(キク科) / クルマムグラ(アカネ科)
コウシンヤマハッカ(シソ科) / サンヨウブシ(キンポウゲ科)
ヤマゼリ(セリ科) / ミゾソバ(タデ科)
ヤマハハコ(キク科) / イタドリ(タデ科)
サラシナショウマ(キンポウゲ科) / トチバニンジン 果実(ウコギ科)
クサボタン(キンポウゲ科) / クサボタン 果実
オオダイコンソウ(バラ科) / センジュガンピ(ナデシコ科)
サワギク(キク科) / ミヤマニガウリ 液果(ウリ科)
ノコンギク(キク科) / キツリフネ(ツリフネソウ科)
[ 花の名前は 『上高地の花 ハンドブック(ほおずき書籍)』で確認いたしました ]
ひときわ気になったのが、クサボタンの果実。
なんともおもしろく、なんともきれい。
最初に見つけたのが花ではなくこの果実だったので、このあとで花を見た時はそれだとは気付かず、帰ってから調べて、感動しました。
糸のような細長いものは花柱と言って、もう少ししたらチングルマの穂のようにふさふさと羽のように毛羽が立ち、銀色にかがやくそうです。
それと、アズマヤマアザミ。まだ開花しきっていないつぼみが多かったのですが、それがなんだかわたしにはツボで。
密に詰まったつぼみが好き。立ち姿がとてもきれいです。道沿いの林縁にたくさん育ってました。
つぼみって、つぼみって、花が開いた時とはまた違う魅力で、すごくかわいいですよね~^^
開花した時は華やかに広がるたくさんの花びらたちが、きゅうきゅうに詰まってるんですもんねぇ。
●例年より2週間早い花期
2016年は昨冬のひどい雪不足の影響で、北アルプス地方では高山植物の開花が例年より2週間ほど早く(地元の山岳ガイドの話による)、山域によっては8月中旬ですでに夏の花の多くは終わり、果実が実っているほどでした。
上高地の標高は1500メートルほどですが、やはり雪不足はどこも同じだったようで、ここでもほとんどの花期が10日から半月ほど進んでいるみたいです。
まだ見られるはずの花が、もうない。そんな印象でした。
写真はありませんが、途中で明神池でも久しぶりに見て行こうかなーと思って、寄り道しました。
なにげに距離のある寄り道なんです。
前に明神池に来たのは10年以上前だったせいか、すっかり忘れていたのですが、明神池は穂高神社の私有地のため有料で、お金を払わねば中に入って池を見られません。
ゆっくりできるわけでもないので、もったいなくなってやめてしまいました。
だいぶ端折って、12時半前。横尾に到着。
横尾
ここまで来た時点で結構疲れてます…。
でも、無駄な力を使わないようにセーブして歩いてきたので、まだまだ大丈夫そう。
いよいよ、槍ヶ岳方面へ! この分岐から涸沢・穂高方面へ行く人の方が多いように見えます。
お昼休憩していると、キャンペーンで無料配布している経口補水液のペットボトルをもらえました。おいしかったです。
ここから登りが始まりますが、亜高山帯は咲く花も乏しく、空も薄曇りになってきました。展望はもちろんないし、周りの景色や木々に見とれる余裕がありません。
写真も記録程度にしか残さず、とにかくバテずに長距離を歩き通そうという気持ちだけで登ってました。
でも、楽しくないわけではないんですよ!もちろん。
だって大好きな山ですから。
槍沢コースは、時々きれいな沢のすぐそばを通り、水の流れに涼感を得ることができます。
いくつか沢を渡ります。
またまた、だいぶ端折って15時前。槍沢ロッヂに到着~
■槍沢ロッヂで癒された一夜■
小屋手前の急坂がちょっとしんどかったけど、特に体力限界ギリギリということもなく、適度な疲労でたどり着くことができました。
槍沢ロッヂの山小屋レポートも作る予定ですので、しばらくお待ち下さい。
(未完成の山小屋レポが溜まってきました…ひえー)
■その他の山小屋レポートはこちら→「山 小 屋」のブログ記事一覧 - 山と葉っぱと猫が好き
槍沢ロッヂって、お風呂があるんですね。知りませんでした。みなさんご存知でしたか?
手持ちの山本、ヤマケイアルペンガイドの山小屋情報には載っていなかったし、情報収集はしなかったので、まさか入浴できるとは思わず、お風呂セット(大判タオルとか髪留めとか湯上がり着的なもの)を持って来てませんでした。
いやぁ、お風呂はありがたかったな~
もちろん洗髪はできないし、石鹸の類は使えないけど、汗は流せるし、身体があたたまることで疲れが取れ、よく眠れます。
入浴可能時間が短いので、女性用のお風呂場前の廊下には行列ができていました。
特に但し書きはなかったけど、一人あたりの入浴時間にも制限が設けられて、「一人○分間(忘れた)しか入っていてはだめ」という伝言が伝わってきました。
お風呂に入ってリラックスしたあとで、ちょっと談話室を覗いてみると、珍しく人がいません。
まだ他の宿泊者たちは小屋の夕食を食べたり、食堂やフロント前のテーブルでにぎやかにしているので、談話室に来る人がおらず、とても静かで落ち着きます。こんなことって初めてかも…
いつもどこの山小屋も、いろんな場所に人がいて、にぎやかで、落ち着いて静かに過ごせる場所がないのが当たり前だったので。
(昔こんなことを書いたっけなぁ→ 「単独行 山小屋ストレス 」)
階下でもらった無料サービスのあたたかいお茶をいただきながら、本棚にあるコミック『岳』を読んで(持ってるけど何度でも読むの)、座布団を枕に寝っ転がりながら、たのしいひとときを過ごしました。
談話室は人で賑わっているのが通常なので、普段は入らないプカプカですが、この時は最初に入ったのが自分一人だったことや、あとから来る数人も一人で本を読んでいたため、
つづく人々もみんな静かにしていて、あまり会話をせず、気づけば寝っ転がって本を読む人や寝る人がたくさんいて、すごくすてきな空間になっていました。
とても居心地がよかった~
いつもこんな風なら、最高なのにな。
(山小屋っていうのは本来そういうものじゃないんだろうけど…)
ずーっと過ごしていたくなるほどの快適空間だったけど、翌日は2時半頃の起床予定なので、名残惜しくも部屋に戻り、寝る準備をして床につきました。
用意された女性のみの相部屋で同室になった三人の女性の一人は単独、二人はパーティ。
少し会話が弾むものの、消灯時間前に部屋を暗くして、みんな早く就寝しました。
布団は冷たかったけど清潔で、"入浴効果・談話室(リラックス)効果"もあってよく眠れました。
【槍沢ロッヂの山小屋レポート】(作成中)
【二日目】
■明るい場所を目指して■
予定通り2時半前に起床。4時過ぎに出発する予定です。
着替え・身繕い・朝食作りなどなど、おなごは時間がかかるのですよ。
今日は槍ヶ岳を登頂して、それからまた同じ道を戻ってこの槍沢ロッヂに帰ってきます。
これまた高低差もがっつりしてるし(約1380m)、距離もなかなかのもんです(約10km)。
標高差1000m・距離8kmを超えてる時点で、プカプカ(ヘタレ)的にはハードなレベルです。
登って終わるだけならいいところを、また下山して戻ってくるんだもんな~
心してかからねば。
注意すべきは技術というより、無理せず、張り切らず、そこそこ急いで、そこそこ頑張りつつも、小屋に戻ってくるまでの体力を温存すること。
いっぱい歩いてるとバテて貧血になってしまうので、その辺は気をつけなくてはいかんのです。
まだ仄暗い中でヘッドランプをつけて歩き始めます。
30~40分もして空が明るくなる頃、槍沢キャンプ場(ババ平)を通過。その辺りからルートは樹林帯から少し離れて枯れ沢のがレ場になります。
沢ルートは谷の地形のため、日の出後もしばらくは薄暗い日陰です。
ここで、これまで見たことがないお花が咲いていました。
キク科の花かと思いますが、すごくぎゅうぎゅうに詰まった感じが珍しいので、帰ってから調べてみたところ、これが何の花なのかわからずじまい…
ミヤマアキノキリンソウではないかという意見をもらったものの、このような状態は画像検索しても見つかりません。
図鑑の写真だけ見ると、容姿がミツバベンケイソウ(ベンケイソウ科)によく似ていますが、ベンケイソウの仲間は葉や花が肉厚な多肉植物的な感じのものが多いので、違うだろうし…うーん。
おわかりの方がいたら、どうか教えてくださーい!!
最近はもっと葉の写真や萼の様子その他、花の同定に必要になりそうな要素を部分撮りしておくようにしてるんですが、それをやっていると、ひとつの個体にかかる時間が長くなって、ただでさえ遅い足がますます遅くなります。
今日は先を急ぐ身…ということもあり、細かい部位撮影もあまりできず、しかも気が急っているために手ブレ・ピンぼけ連発で。
結局、花の名前が同定できないものが多々ありました。
そんなこと、このブログを読んでくださるみなさまにはどうでもいいことですよねー。
もうこればっかりは趣味の世界なもんで。。。
花の勉強をしている誰もが突き当たる、"同定のむずかしさ"。
いつも頭を悩ませていながら、実はそれが楽しくてしょうがなかったりします。
昔のプカプカは花に寄った写真しか撮らず、葉がわからないから何の花かわからない、ってよく嘆いてましたよねー。
あの頃と比べると成長したもんだ。うむうむ。
好きだからというのもあるけど、今は『人に花のことを説明する仕事』のためにもがんばってます。
また脱線しちゃったぞ笑
沢ルートの日陰から、早くあの光の中に出たい。遠くに見える明るい場所をめざしていきます。
その途中に咲く花々。昨日までの樹林帯~亜高山帯には咲いてなかった花がどんどん現れます。いよいよ高山植物地帯に突入だ~っ
■花々との出会い■
ネバリノギラン(キンコウカ科) / オヤマリンドウ(リンドウ科)
ネバリノギランは高山植物だけど、標高1500m付近の高原でたくさん咲いている姿もよく見かけます。この花に会うたびに、指先で茎をつまんでそのネバネバを確かめるんです。だからなんだってわけでもないんだけど。
「うん、今日もネバッとるね」
オヤマリンドウは秋の花。いつ見てもきれいな佇まいだなー。
やっと、日なたに出ることができました。太陽まぶしい。あつい。気持ちいい!
光の中で一層輝く草花たち。
ミソガワソウ(シソ科)
舌唇がびろーんとした、この顔。
なんだか「ダハー」っておどけてるみたいで、愛嬌のある子です。
草丈の高い姿にたくさんの花をつけるので、ぱっと目を引く存在。
葉っぱの裏には精油成分が分泌される腺点があって、特有の香気をもつそうですが、まだ嗅いだことがありません。
またいつか咲いてる姿に出会ったら、その香りを知りたいなぁ
中ノ沢を過ぎ、天狗原分岐を超えて、ちょっと一休みの当分補給。
お花畑はもう秋の色になりつつあります。例年ならまだ見られたはずの花も、今年は大半が咲き終わってしまったのでしょう。
コバイケイソウの葉も少し黄色くなりはじめています。
シラネセンキュウ?イブキボウフウ?(セリ科) お花畑。夏の終わりに咲く花です。
こんなにいっぱい咲いててくれて、うれしいよー
山が、迫ってきました。
槍沢は雪崩が多い場所なのだそうです。植物が根付いてもまた流れるの繰り返しで、背の高い植物が生育することができず、草もなかなか根を張り難いのでしょうか。砂礫が目立つ様子で、そのことが伺えます。
ミヤマバイケイソウ(ユリ科)
バイケイソウの高山型です。もう種をつけはじめています。来年もここで咲きますように!
多分、オンタデ(タデ科) 群生
オヤマソバやウラジロタデの可能性もあるんですが、こんなに離れていてはわかりません。もっと近寄って確認すればよかった…
斜面の下の方までずーっと咲き広がってました。ああ、これぞ北アルプス。
花は終わり、みんな実をつけています。これがまたきれいなんですよね。
咲き終わりのウサギギク(キク科) / コウメバチソウ(ニシキギ科)
ウサちゃんはもう、お疲れのご様子…今年もがんばったね! コウメちゃんは秋の花なので、まだまだ元気。雄しべが反り返って子房が緑色になっているので、もう受粉が終わってこれから果実になっていくんですね。秋だわぁ…
■やっと見えた槍ヶ岳■
ひとつひとつに時間をかけることはできなくても、お花との出会いを喜んでいると、ある地点の曲がり角でこんな声が聞こえました。
「これが槍の見納めだ」「バイバイ、槍。またねー」
名残惜しそうに向こうを見ています。
えっ も、もしや?
槍沢ルートは、長い間槍ヶ岳の姿を見ることができません。
だからまだ当分先のことだろうと思っていました。
高鳴る胸をおさえて背の高いハイマツを通り過ぎると、そこに…
チラ見えじゃね~か~笑
しかしながら超インパクト。
す、すごい。チラ見えなのに、存在感がハンパ無い。
なんだか巨神の頭を見てしまったようで、一瞬ドキッとしました。
でも、そう思わせといて実は違うとかいうオチがあるのでは!と一瞬疑ったプカプカは、通りがかった下山中のおじさんに尋ねました。
「もしかしてあれがそれですか」
おじさんは愉快そうに応えてくれました。
「うん、あれがそれ」
アレが、ソレなんですネーーーっっ(((*゚д゚)))
(アレソレで通じ合える仲。これぞ槍ヶ岳シンパシー。)
ここはグリーンバンドというポイント。
前日の上高地・大正池スタートからここまでで16km以上は歩いたでしょうか。
目指している山のてっぺんを一度も見ることなく辿る16kmというのは、とても遠く感じます。それだけに、このちょっと見えただけの姿にも感動は深く、また、ここが槍の見納めとなる人にとっては、最後の別れを胸に刻みつけておきたくなる切ない場所なのですね。
ここでこれまで、さまざまな人の想いが強く発せられたのだと思うと、転がる岩にもそんなエネルギーが染み込んでいるような気がしました。
ようやく姿が見えたからには、もうすぐそこだと思ってしまう錯覚。
槍ヶ岳の巨神は、その大きさゆえに登山者の距離感を狂わせる。
近づいているはずなのにまるで距離が縮まらず、実は遠ざかっているのではないかと感じるほどに、こちらの体力を奪っていくのでした。
( つ づ く )
つづき→やっと、槍ヶ岳(2)| 高山植物の花々に惹かれまくり
【槍沢ロッヂの山小屋レポート】(作成中)
全然更新していないブログなのに、いつも応援してくださるみなさま、どうもありがとうございます!
コメント受付を再開しました!お待ちしてまーす(‘ ’*)
大正池からスタートとは、さすがプカプカさん‼︎
大正池、焼岳、田代湿原。何とも幻想的ですね。
空の青、色とりどりのお花たち、木々の緑‼︎見ているだけで癒されるし、私の周りの空気さえ浄化してくれるよう。
ステキな写真と文章ありがとうございます😊
大正池から河童橋の間でしか見られないお花もあるので、たくさんのお花に出会いたかったらおすすめですが、高山植物ではない種(亜高山帯~低山帯の種)なので、高山の花をメインに探すならば河童橋スタートで充分だと思いますよぉ
わたしの写真で浄化されたなんて、褒めすぎです!
(とかいいつつめちゃくちゃうれしい)
更新は当分できそうにないけど、また遊びにきてくださいねー^^