[2013年8月に再訪、追記編集]
料金や直近の情報は公式ホームページでご確認ください。
●予約について●
個室・7名以上の団体のみ要予約。 相部屋は予約受付していないため事前予約は不要とのこと。建物は本館と北館に分かれていて、受付や食堂、喫茶、売店は本館内にあります。
6畳、8畳個室専用の南館もあります。(宿泊代とは別に個室料金がかかる)
北館は屋外の離れにあり、本館とは通じていません。
【本 館】

■玄関
真新しくてきれい。玄関左手が受付で、対面に売店があります。2009年は北館(相部屋)に宿泊しました。
2013年も同じく北館でお願いしたら「二階にも相部屋があり、追加料金800円で宿泊できる」と本館をすすめられました。
北館は確かに離れだけど、トイレもあるし新しくてきれいなのは知っていたので、問題なく北館で決まりです。

受付前の液晶テレビで天気予報を随時放映しています。
2009年は営業時間外はテレビは消えていました。
2013年は早朝4時前でついているのを確認しました。
一晩中ついていたのか、もっと早い起床の宿泊客がつけたかは不明です。(リモコンはテレビの前に置いてあるので、自由につけていいのかも)

■売店
ミネラルウォーターやワイン、チョコ菓子やラーメン、おみやげグッズなどいろいろ売っています。※計量販売のお水のことはページ後部に詳しく書きますが、ここで買うことになります。
■食堂

●日帰りで頂上山荘を訪れた時に食べたカレーライス●
食堂の営業時間については失念してしまいました。確か13時半とか14時がラストオーダーだった気がします。2015年に再訪した時は、ケーキ(ロールケーキ、チーズケーキなど)も販売していました。当時の価格で単品550円、ケーキセット1000円。

プカプカはいつも自炊のため、山小屋で食事を食べたことがありません。どれだけ空いていても、きっちりぴったり一人の空きもなく、並んで食べるんですね…(こんなの絶対やだ

他の山小屋もこんな感じなのでしょうか?配膳する立場からみれば効率的だということは理解できるんですが、食べる側の気持ちになると、こんなぎゅうぎゅうに詰め込まれる山小屋システムはやっぱり苦手です。
この食堂の脇には、2階へ上がる階段。
その脇に炊事場があります。
■炊事場

2009年に利用した際は仮設なのかと思うほど簡易な造りでしたが、2013年も全く変わっていませんでした。
2畳程の狭い屋外空間です。ステンレスの作業台がひとつだけ、壁に向かって置いてあります。
2人も立ったら一杯かという驚きの狭さ。 屋根はプラスチックの波板(トタン??)で、屋外との仕切りは1mほどの板一枚だけ。
窓ははめていないので、強風で雨の日などは雨風が吹き込んできます。とにかく寒いです。
でも写真で見るとわかるように積石の壁があるので、若干の防風壁になっています。
炊事場のすぐ右隣の建物は本館のトイレです。

この作業台は2009年も2013年も汚かったです。(砂埃や調理後の汁などの汚れ)
ウェットティッシュやペーパーで拭いたらひどく真っ黒になったので、一日や二日の汚れではありません。
使う人が汚れを拭き取らないで済ますのも問題ですが、普段から山荘で清掃してくれてないのは、全体的に見て大体わかります。
もともと汚いところはきれいに拭いて終わらせる気になれない、という悪循環ですね。
床の掃き掃除は時々でいいとしても、作業台だけは毎日さっと拭いてくれるだけでありがたいんだけどなー。
あとはダスターを最初から置いておくとか。あればみんな使うと思うんですよね。客が拭いてくれれば従業員の仕事も減ると思うし、セルフサービスとして。
炊事場では飲食は禁止されています。(もとより狭くて無理) 食堂内に自炊者専用のテーブルが設けられています。
出入り口寄りの隅の方に、「自炊のお客様専用です」の立て札があります。テーブルが二列ほどありました。でもここ、自炊以外の人も知らないのか、座るんですよね。食事時間の終わった談話風の人など。だからなんとなく落ち着きません。
※混んでいる時はこの炊事場の出入口の前で、食堂の配膳待ちの行列がずらっと並びます。
暇を持て余した人々の「自炊だ」「自炊だ」という声と好奇の目が、かなりわずらわしかったです…

屋外の山荘の前にも簡易的なテーブルとベンチがあります。天気がよければ、屋外の方が落ち着いて自炊・食事できそう。
これまでに利用した山小屋の炊事場の中で、唐松岳頂上山荘が一番条件が悪く、肩身の狭い思いを強いられました。
でもそれはあくまで炊事場だけのお話です。寝所やトイレなど他の面ではとてもきれいで快適で安心して泊まれる、よい山小屋です。
【北 館】

本館から徒歩30秒ほどの離れになります。受付や売店はありません。この館は近年改装されたのか新設か、真新しい内装です。
靴は玄関内にある靴棚に置きます。
名札はありません。靴の取り間違いが多く発生しているそうなので、間違えられないように自分で用意が必要です。
靴用のレジ袋がたくさん用意されています。靴棚に置きたくない人は、袋に入れて寝所までもっていくことが可能です。
寝所の床下に靴を入れるだけの空間があります。
■相部屋(大部屋)

カイコ棚(二段棚)で[一区画4~6人]うれしいことにカーテン付きです

2009年も2013年も、一区画を女性専用の相部屋にしてもらえました。
最高です、さすが北アルプスです!

’09年当時、事前調査では「唐松岳頂上山荘には大部屋しかない」と聞いていました。実際来てみたらちゃんと個室もあるし、大部屋だってこのように小分け区画されたカイコ棚。
ひとつの部屋で男女混合に詰め込まれると覚悟していただけに、
思いがけない好条件がとてもうれしかったです~

更衣室はありません。ご夫婦同士の相部屋や人前での着替えが気になる方は、トイレを利用することになると思います。(便座にフタがあるので荷物は置けそう)
敷布団は薄っぺらなのが4枚敷いてあります。掛け布団は6枚、枕が6個。
ピーク期は6人がここに詰め込まれるんですね…。 大人が4人寝ればいっぱいです。
窓際に幅50cmほどのしっかりした荷台が張ってあります。ここに各自のザックを置きます。
●枕・布団の清潔度
2009年は布団や枕の汚れ・匂いなどがあまり気にならず、清潔感がありました。2013年はこの夏連日の雨天悪天のため布団が干せなかったのでしょう、湿っていて冷たくて重くて、古い匂いがしました。
枕もなんだか臭そうだったので、いつものように手ぬぐいをカバーにして使いました。

山荘の消灯時間は20時だったか21時だったか。
2009年の北館は消灯後も一晩中館内照明がついていて、カーテンの向こうが煌々と明るく眩しかったです。(上写真)
2013年は消灯時間頃にアイマスクを外して確認したら、消えて暗くなっていました。
北館では照明を消すのは宿泊客自身なのか、システムが変わったのか、’09年はたまたま消し忘れた従業員がいたのか。
この建物は造りがしっかりしているので、廊下を歩く人の足音や振動が響かず、静かな夜を過ごせます。
2009年は珍しくパーティ山行だったので、女性2人組で泊まりました。
北館はかなり空いていて、同室になる方がいなかったので、2人だけの貸し切り状態を満喫できました。
敷布団が薄過ぎて腰が痛いので、掛け布団を一枚敷き足してふかふかにして眠りました。
2013年は北館が5割ほど埋まった状態で下段がほぼ満室。女性グループ3人と同室になって計4人で就寝しました。

北館には驚いたことに、各区画にコンセントが付いていました。
使用不可という注意書きは特にないので、いけないかな?と思いながらも連れが試しにここで電池の充電をしてみたら、なんとちゃんと通電していました。

西側の区画の窓からは唐松岳や剱岳の眺めがよかったです。
2013年は東側の区画でしたが、こちらは石積みの壁が見えるだけで眺めは何もありません。
■本館・北館のトイレ
[写真は北館トイレ]
本館は1階の食堂前、北館は廊下の突き当たりにあります。男女別で洋式・水洗・ペーパー完備。
女性用は4戸。男性用は確認していません。 使用済みの紙は添えつけの汚物入れに捨てます。
トイレの照明は自分で入切できるので夜間でも安心利用。
■北館トイレ前の手洗い場

歯磨き用具などの物置台になるスペースがないので、写真の消毒用アルコールスプレーの置いてある台を仮物置として使用させてもらいました。
※本館・北館共に手洗い場の水は未処理のため歯磨きなどでも体内に入れると危険とのこと。飲用不可。
■本館トイレ前の手洗い場


本館トイレ入り口の様子。女性用4戸、洋式。男性用は未確認。
張り紙の案内文:
『歯磨き用のお水 500ml 80円 容器をお持ちください』
■談話室
談話室なし。食堂を兼用します。雑誌やコミックなどが窓際にあります。■喫茶室
本館2階にあり。2度の訪問共に確認し忘れてしまいました。■乾燥室
[写真は北館]
雨天時のみヒーターをつけてくれるそうです。
衣類の間違いが心配な方は、自分で名札の用意が必要です。
ハンガーは備え付けのものがたくさんあります。
消灯時間内に早起きして支度をする場合の豆情報
プカプカはいつもまだ人々が寝静まった深夜(2時とか)に起きて支度をすることが多いです。着替は寝床の上で済まし、布団を畳んだら同室の方に迷惑にならないようにスルスルと忍び出て、別の場所で荷物の整理や身支度をします。
でも頂上山荘には談話室がありません。自炊場も先述の通りで使えません。
本館の食堂は夜間でも施錠されていないため、荷物の整理に利用していいそうで、朝の早い人はヘッドランプをつけて、そこで支度をします。ヘッドランプのない人は本館一階の廊下などに座り込んで夜間灯の明かりで準備したりしていました。

室内に照明はありませんが、夜間も点灯している屋外照明の光が入ってくるので、左写真のように棚の付近が結構明るいんです。
トイレ前の手洗い場にも照明はあって明るいけど、男女共同だから落ち着きません。髪の毛をささっと整えて歯磨きしたら、乾燥室に移動して荷物の整理や身支度をしました。(お化粧や肌ケアするのに、ポーチや小物を広げられる棚の上が特に便利だった)
お化粧とか肌ケアとか、できれば男性が行き来する場所でしたくないのが女心…。
消灯時間中に他人より早く行動する場合、いろいろと不便なので工夫が大変です。
【唐松岳頂上山荘のテント場】
この写真は2013年に撮り直しました。テント利用代は500円。トイレは山荘内のものを利用、200円。
一番近いトイレは本館ですが…、上の写真は望遠で撮っているから少し近く見えるけど、実際のテン場は山荘から低く離れた山の斜面にあり、山荘への移動に上り下りの時間がかかります。
この類のテン場は、マナーの悪い人がそこらのハイマツの影や岩の下に用足しを済ます可能性が、かなり大きいです…。
山頂側から見たテン場の様子。山の斜面につづら折りに位置しているのがわかります。
写真範囲より下にもあったような気がするけど、そのつもりで撮ってなかったため未確認です。
山荘前の広場はテン場のある西側の眺めがいいし、テーブルベンチなどもあるため、
夕刻時など景色のいい時は大勢の人がテン場の方に向かって日没や展望を楽しんだりします。
それを思うと、これだけ山荘から離れていた方が静かに過ごせて、人の目も声も届かず、環境的にはいいですね。
すぐ脇には唐松岳、谷の方へ目をやれば、五竜岳や剱岳や立山がどどーんと見えちゃう、絶景のロケーションです。
【唐松頂上山荘の水場情報まとめ】
唐松岳頂上山荘で入手できる飲用可能な水は、売店で販売のミネラルウォーター(ペットボトル)500ml 300円だけです。
ただし夏は雪渓の融水を計量販売しています。
購入時に説明してもらえますが、この水は冷たいままでは飲用不適で、煮沸すれば飲めるそうです。煮沸する道具のない人には『お湯』を勧められました。
容器は自身の持ち込みです。
売店の営業時間内にのみ、購入できます。
水は0.2リットル30円から0.1単位で小刻みに量販売してくれてます。
頂上山荘でこの水をアテにする場合、煮沸するまで他の飲用水と混ぜることができないので専用の容器が必要です。
融水だからと気にせず生で飲めればそれがいいんだけど、万が一登山中にお腹を壊したら最悪の事態になりますもんねー
縦走する場合この融水をどう活用するかで、荷物の軽減が図れますね。
プカプカは煮沸に必要な燃料の増加とか、冷まして容器に移すなどの手間を思ったらこの水がアテにできず、二日目の食事やお茶用程度に少量購入して、飲用は下から担いで登りました。
だから登りに5リットルもの水を担ぎあげたので、とても大変でした…
燃料が多少かさんでも水2,3リットル分の荷を軽くできるなら、融水を買って煮沸した方がきっといいんですよねー。
次は工夫してみよう。
高いミネラル水は玄関前の自販機で夜間も購入可能。ビールもジュースもある
食事付きの宿泊客は、食堂でお茶を出してもらえます。
しかし貴重な水源の為、このお茶を容器に分けてもらうことはできません。別途購入になります。(料金は上写真に掲載)
※素泊まりの人は、このお茶を飲んではいけないそうです。
【日の出を見る為のマメ情報】
山頂まで20分という近さなので、空がほの明るくなってから登り始めても山頂の日の出に間に合います。縦走する場合もっと暗いうちから歩くことが多いと思いますが、唐松岳への道は読みやすいルートなので、
ヘッドランプの灯りがあれば迷ってしまう危険は少ないと思いました。
山頂直下は西側に道があり、道中からの日の出は見られません。余裕をもった移動が良さそうです。
山頂に行かなくても日の出が見られ、尚且つ山頂よりも展望がいいかもしれない場所があります。

山荘の裏のヘリポートです。(上の写真 山荘の右上) 登りに5分くらいかかるかな?割りと小広い山頂になっています。
日の入・日の出はこのヘリポート上が一番人気です。
ヘリポートからの展望 (東の空は撮り忘れてしまったけど、360度の展望です)


五竜岳は牛首の峰に少し隠れてしまいます。
白馬三山は唐松岳山頂からだと主峰のしろうまが見えませんが、ヘリポートからならかろうじて見えます。
[2013年撮影] 左が北館、右が本館。
唐松頂上山荘は全体的にきれいに改装されていて、内装は小屋というより旅館のようでした。
2009年はまだ山小屋の情報が少ない頃で、事前の調べでも有用な情報が手に入らず、
かなり悪い条件を想定していただけに、予想外の良いことづくしでした。
(肩身の狭い自炊場やトイレに遠いテント場を除いて)
水の確保が不便なのが気がかりだけど、融水でも安く入手できるのはいざという時にかなり助かると思うし、
この山荘にはまた泊まってみたいと思っていて、2013年に再訪しました。
あっそうそう、2013年再訪時に働いてたヒゲのお兄さんが個人的にかっこよかったなー
山小屋で働く男性ってなぜかみんなかっこよく見えるんだけど
この山荘のご主人らしい方が、いろんな人に気配りしてやわらかな口調で話しかけている様子が、とても印象に残りました。
唐松岳頂上山荘を縦走の基点に利用してる方がたくさんいます。
白馬へ、五竜へ、鹿島へ… 北アルプスは夢がふくらみますよね。

唐松岳頂上山荘の山小屋レポート、大幅に追加編集しました。お役にたてたらうれしいです!