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天網恢々プロジェクト・レビュー

クラシック音楽、ミステリ、時代小説、ノンフィクション・・・・好みのコンテンツ・レビュー

エルサルバドル

2005年03月13日 09時50分20秒 | 講演を聞いた
海外青年協力隊員の話。
エルサルバドルは中米の人口約40万人の小さな国。子供たちはボールを投げることもできず、小学校には体育館も体育授業もない。この国では体育・音楽・図工などお金のかかる授業は義務化されていない。学校ではボール一個ですむサッカーばかりやっている。体育は身体機能が発達した子供だけのためのものと考えているようだ。
エルサルバドル人は、「ププサ」というトゥルティージャ(トウモロコシ生地)の中に豆などを入れて丸く焼いた食べ物(2枚も食べればおなかいっぱいになる)を、一度に5枚も6枚も食べる。女の人もよく食べる。お肉がはみ出るくらい太っていることがいい文化なのだ。
この国では79~92年の内戦のせいで発展が遅れており、敗戦後の日本を見習いたいと思っているるようだ。米国の援助でモノはたいへん豊富だが、ゴミの始末ができていなくて街中ゴミだらけ。スコールが降るとそれが海に流れ出し、太平洋の鳥が死んでしまうという問題があってもみんなぜんぜん無関心。
数年前に700人が亡くなった大地震があった。日本からも15人のNGO医療団が来たが、派遣が決まるまで時間がかかり到着したのは二日後で、せっかく持ってきた手術・医療セットは役に立たなかった。同じ頃発生したインド大地震では翌日にはもう食料などが到着したそうだから、日本の援助というのは「アジア第一」で、中南米はまず米国に任せたいのかも。しかしその後も継続的に息永く復興援助しているのは日本だし、ハリケーンで流された橋を復旧するのもいつも日本。エルサルバドルにとって日本からのODAは有効だし、日本が途上国を援助することも当然だと思う。
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生ゴミリサイクル

2005年03月12日 21時17分44秒 | 講演を聞いた
結婚式や宴会で出る大量の食べ残しは、ある中堅ホテルで生ゴミが毎月4トン、年間では約50トン。日本全国では、すべてのゴミに占める生ゴミの比率は1%で、年間2000万トンにもなります。生ゴミの出所は結婚式が24%で、宴会が17~8%、食堂や飲食店が3%前後、家庭が7%。このうちやはり食べ残しがすべての生ゴミの6~7割を占めており、これがこれからの環境問題の大きなテーマになります。
最近は食品リサイクル法もできて目標も決められ、ここ4~5年で生ゴミの半分くらいをリサイクルして、いまの倍くらいは効率を上げようのがホテル業界の指標になっています。リサイクルとは、たとえば東京ド-ムホテルのようにゴミを水に変えて流す最先端の設備を設置したり、パレスホテルのように千葉の農家に卵と交換で引き取っていただいたり、各ホテルともいろんな取り組みをしています。しかし現在のリサイクル率はわずか1割くらいであとは焼却しているのが実情で、業界としてはまだまだ取り組みが不十分です。
これからの生ゴミリサイクル手法の方向性としては、堆肥化・飼料化・ガス化・炭化(燃料化)などが考えられていますが、あまり設備投資のかからない堆肥化・飼料化など方法がお手軽ということでよく採用されるようです。これらの方法は業者や農家との関係を密にしないと実行できませんから、生ゴミ問題は社会全体のつながりのなかで考えなければならない課題です。
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プロジェクトX裏話②

2005年03月11日 21時46分02秒 | 講演を聞いた
(つづき)
逆境を乗り越えたリーダーたちに共通した資質について。
戦後初の国産機YS11の設計者、「青函トンネル」を24年かかって作った鉄建公団の総号令、瀬戸大橋建設に挑んだ技術者、ホンダの「CVCCエンジン」開発の若手グループなど、技術者・エンジニアのエピソードが多いわけですが、彼らに共通していることは何でしょうか。
まず現場主義であること。現場まかせきり、マニュアルどおりでOKということがない。昨今そうしたことが原因で、さまざまな不祥事や事故・事件が出てきていることと考え合わせると、「安全」もそうですが、今の時代に大事なことなのではないでしょうか。
何かを成し遂げてもそれは決して会社のためではないということ。つまり打算や計算がないということです。日本ビクターのビデオ事業部長などは、本社には一切だまって開発を続けた。
それから、みんな「決めたことは必ずできる」という信念と自信があるということ。IBMにコンピュータで戦いを挑んだ富士通の技術者の言葉「会社はどうなってもいい。勝つか負けるかが大事だ。」「挑戦者に無理という言葉はない。」いったいどんなエネルギーが彼らをそこまで駆り立て、大事を成し遂げることができたのか。それは「夢」だけなのか。
主人公たちが残したいろんな言葉からまとめるしかないのですが、例えば「やると決めたら最後までやる」「途中でやめたら失敗だ。やり続けることが大切だ」「やる前からやらん人間はつまらん人間だ」「できない言い訳を探さない。できないと思ったらできない。それはつまらん人生だ」「やればできる。本当にやりたかったら必ずできる。」この「つまらん人生を送りたくない」というのが共通する一つのキーワードではないでしょうか。
さらに「感動したときに、何かエネルギーが出てくる」「すべては感動から始まる」という言葉なども、何か今の時代では大事なような気がする、とのことでした。
われわれもこうした主人公(挑戦者)たちのマネはとてもできねえや、と思いつつも毎週番組をみてちょっとした感動に浸るところからみて、「つまらん人生は送りたくない」という気持ちをちょっとは根底に持っているようですから、少しは大切にしてみてもよろしいのではないかと思います。
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プロジェクトX裏話①

2005年03月09日 20時00分52秒 | 講演を聞いた
1年ほど前の話になりますが、NHKのプロジェクトXのキャスターの国井アナウンサーの講演会を聞きました。国井アナはほぼテレビのイメージとおりの、飾らない、率直な方でたいへん好感が持てました。
内容は大きく分けて①プロジェクトX制作の苦労話・裏話と、②逆境を乗り越えたリーダーたちに共通した資質について、でした。
この番組は4年前から始まってすでに138作続いています(当時)が、最初は55~6本くらいしかネタ(素材)が見当たらず、せいぜい1年くらいしかもたないだろうとみんな思っていた、とか、「プロジェクトX」というタイトルは仮称で、Xに何か充てるつもりだったがいい案がなくて時間切れでそのまま本タイトルになってしまった、とかトリビア的なエピソード満載で会場も大ウケでした。
番組制作の深刻な悩みは、公共放送として企業名や商品名を宣伝的に出してはいけないというNHK特有の「縛り」とどう折り合いをつけるかです。VHS開発話の時には、ビクターのVHSとかソニーのベータとかの企業名・商品名を、どうしても必要最小限だけやむなく出さざるを得なくて出したのですが、放送終了後、抗議の電話が殺到するかと思って覚悟していたら、意外なことに1本も来なくて、みんな「この番組で取り上げる企業名・商品名は宣伝的ではない」と世間に認知されたと感じたそうです。
それからこの番組の大きな特徴に、構成したドキュメントのVTRを流したあとに主人公本人をスタジオに呼んでコメントを聞く、というのがありますが、これも当初は「ドキュメンタリー制作のセオリーに反する」とその道のプロたちから反対されたそうです。理由は、後から主人公本人が登場することがわかっているならば、その前に流すVTRの作り手は力が入らなくて、結果的に質が低下する。それに作ったVTRに対して、後から出てきた主人公たちが水をさしたり否定する恐れがある。VTRとスタジオの雰囲気が変わることによって視聴者が同じ人間と感じなくなる、などというものです。
しかしながら結果はみなさんご承知のとおり、ほとんど毎回スタジオ中が大きな感動に包まれることになるわけです。これはスタジオの役割というのが、VTRでまとめた過去のエピソードに対して、生身の人間が今どんな言葉で何を表現するのかを視聴者が司会者と共にリアルタイムで体験できる、つまりスタジオそのものがドキュメンタリーになってしまっているという、放送業界では画期的なことだったというわけです。
ここで国井アナの言う教訓ですが、番組というのは作り手だけの価値観で作ってはダメで、視聴者の価値観でものごとを見て作るべきで、「本来」とか「こうあるべき」にこだわると真実が見えなくなる。これは住民や消費者・ユーザーの価値観で考えるべきという点で、行政や企業でも同じではないでしょうか。(つづく)

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