防犯ボランティアグループ PRO-ACTIVE SECURITY 活動日記

ストーカー被害者の支援,体験型親子向け防犯セミナー,護身術セミナーなどを開催している長崎県の防犯ボランティアグループです

扁桃核の働きについて

2006年04月19日 | 子供の防犯


最近、私の愛読書に以前読んだ事のある書籍の名前が掲載されて
いたので、最近その文庫本を再度購入して読み返しています。

ダニエル・ゴールドマン著 土屋京子訳
EQ こころの知能指数という本です。世界的なベストセラーになった
ので、ご記憶の方も多いのではないでしょうか?

その中に「扁桃核」に関する記述があります。少々専門的な話ですが、
人間の危険回避ともつながる部分がありますので取り上げさせて頂きます。

扁桃核とはアーモンドの形をした神経核で、脳幹の上、大脳辺縁系の底辺
にあたる部分に左右ひとつずつあるそうです。

この扁桃核は脳という組織の警備係のようなもので、セキュリティ・シ
ステムの赤ランプが点灯したらすぐに消防署や警察や隣家に非常通報
ができるようにオペレーターが待ち構えているそうです。

『例えば「恐怖」の警報が鳴ったとすると、扁桃核はただちに脳の主要各部
に緊急事態を知らせ、同時に戦ったり逃げたりするのに必要なホルモンの
分泌を命じ、運動をつかさどる部分を覚醒させ、心臓血管系や筋肉や消化
管の働きを活発化させる。扁桃核から出ている別の神経回路が緊急事態
に対応しようとしてノルエピネフリンというホルモンの分泌を促すため、脳は
興奮状態になり、感覚は鋭敏になる。扁桃核からは、脳幹にも信号が送ら
れる。その結果、表情は恐怖に凍りつき、筋肉はとりあえず必要のない動き
を中断し、心臓の拍動は早くなり、血圧は上昇し、呼吸数は少なくなります。
他の器官は恐怖の対象に注意を集中し、必要に応じて筋肉を動かせるよう
準備をします。大脳新皮質は思考を一時中断して過去の記憶をめくり、目
の前の非常事態に関連する知識を引き出そうとします。

以上の変化は、扁桃核が脳全体を動員する際に発する色々な命令のほんの
一部に過ぎない。扁桃核は脳の各部と多岐にわたる神経回路でつながってい
るため、情動の非常事態に際して、大脳新皮質を含む脳のほぼ全体を支配下
に置く事ができる。』とあります。

時に扁桃核は大脳新皮質が情報を吟味、認識している間にも、各感覚器官か
らの直通ルートで情報を受け、反応を開始できるようです。

言い換えると、例えば目の前の不審者が自分に危害を及ぼすのかどうかを大脳
新皮質で吟味・認識する前に避難行動をとる事が可能だと言う事になると思いま
す。

また、「大脳新皮質は思考を一時中断して過去の記憶をめくり、目の前の非常
事態に関連する知識を引き出そうとする」とありますが、子供たちの防犯教室
などでの体験も同様に過去の記憶として保存されるはずですから、緊急事態に
はこれらの情報も身を守る手段として頭に浮かぶという事になります。そうする
と当然、危険を回避できる確率はより高くなります。こういった意味からも
子供たちの防犯教室での体験は意味があるのはないしょうか?

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