『さすまた訓練』で本当に大丈夫?!
いよいよ5月に入り、ゴールデンウィークも終わりました。既にお仕事に
入っている方がほとんどかもしれません。お休みの皆さんは連休は楽しく
過ごせましたでしょうか?
近頃、地元紙の新聞に目を通すと「さすまたを使用した不審者対応訓練」
の記事が目立つようになりました。長崎県では警察OBの方々がスクール
ガードリーダーとして県警より委嘱を受け、長崎県内で活動されております。
日々の活動大変ご苦労様でございます。
新聞記事によれば、警察などの指導の下、小学校の教職員だけではなく、
市役所の職員の方々までもが暴力団対策の一環として「さすまた訓練」を
実施しているようです。
※本日の記事は決して、「さすまたを使用した訓練」を否定するものでは
ない事をご理解の上でお読み下さい。
さて、全国的にも行われている「さすまたを使用した訓練」を主体とした防犯
訓練は本当に防犯上の効果があるのでしょうか?
危機管理の専門用語に「クライシス・マネジメント」と「クライシス・コント
ロール」というものがあります。
どちらも危機管理という意味合いもありますし、解説にも諸説ございます。
しかし、今回の記事では以下の内容で定義させて頂きます。
「クライシス・マネジメント」・・・・事後対応行動、犯罪者が学校などの
施設に入った場合、被害を最小限にするための対策など
「クライシス・コントロール」・・・・事前対応行動、犯罪者が学校などの
施設に入らないようにするための対策など
実は「さすまたによる訓練」や「護身術」などは、危険が起こってからの事後
対応ですので、この「クライシス・マネジメント」に該当します。
緊急時の優先順位としては、まず「クライシス・コントロール」(事前対応行動
→犯罪の未然防止対策)があって、犯罪の未然防止対策を確実に行い、
犯罪が起こらないように準備して、それでもそれらの対策がすべて突破された
場合にはじめて「事後対応」である「クライシス・マネジメント」につながると
いう流れが、私は正しいのではないかと思います。
私自身もさすまたの使用方法は某県警のOBの方から習いましたし、護身術など
も海外の警察や軍、特殊部隊などで導入されているものを学びましたが、それら
のみで「学校の安全」を守れるなんて全く考えていません。理由はそれらが「事後
対応」だからです。
仮に「クライシス・マネジメント」(事後対応行動)に重点をおいたにした対策訓練を
実施するのであれば、「さすまたによる訓練」だけではなく、「銃器」を使用された
場合などの訓練なども必要になるのではないでしょうか?
長崎県内では実際に本島市長銃撃事件、伊藤市長銃撃事件、佐世保スポーツ
センター銃乱射事件など、実際に「銃器」を使用した凶悪事件が起こっています
から・・・。
以前の記事でも述べましたが、犯罪者は1人とは限りませんし、凶器も刃物とは
限りません。それらの決定権を持つのはあくまで犯罪者側です。
様々な防犯教育や防犯訓練を受けた皆さん、決して学んだ1つの方法だけで
「大丈夫だ」と思わないで下さい。様々な防犯対策が積み重ねる「網の目」の
ような防犯対策が理想的だと私は思います。是非ベストの防犯対策を自分自身
で選択し決定して下さい。
完璧な防犯など、この世には存在しません。
我々の防犯ボランティア活動も皆様の選択肢の中の1つに過ぎません。
この点を改めて皆様にはご理解頂きたいと思います。
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コメント頂きありがとうございます。
早速、アメリカ留学様のブログを訪問させて
頂きました。我々のセキュリティーの世界も
かなり「英語」が多いのが現状です。私も
苦労致しております。
私も留学ではないですが、2~3年以内には
海外でのセキュリティー訓練参加も計画して
いますので、お世話になる時が来るかもしれ
ません。その時はどうぞ宜しくお願い致します。